『げんげ草(そう)』

作詞〜北原白秋(1885〜1942)


一、

ねんねのお里の げんげ草

ぼちぼち仔牛(こうし)も 遊んでる

牧場(まきば)の牧場の げんげ草

誰だか遠くで 呼んでゐる


二、

ねんねのお里は よい田舎

ねんねのお汽車で 下りたなら

道はひとすぢ 田圃(たんぼ)道

藁(わら)屋に緋桃(ひもも)も 咲いてます


三、

ねんねのお守は ゐやせぬか

ちょろちょろ小川も ながれてる

いつだか見たよな 橋もある

小籔(こやぶ)のかげには 閻魔(えんま)堂


四、

ねんねのお里で 泣かされて

お背戸に出て見た げんげ草

あのあの紅(あか)い げんげ草

誰だか遠くで 呼んでゐる





※げんげ草・・・レンゲソウ(蓮華草)。

※閻魔堂・・・閻魔王を祭ってある堂。

※背戸・・・家の裏手。





◇蓮華草は 仏像の蓮華座を思わせる花。

 緑肥や牧草用に 栽培されますが

 雑草化しているものも ありますね音譜照れ