『良寛さま』
作詞〜北原白秋(1885〜1942)
良寛さまは お方さま
子供の好きな お坊さま
子供みたいな お坊さま
子供みたいに 金持たず
子供みたいに 遊んでる
子供というても 遊んでる
ある日田んぼで かくれんぼ
夕焼け小焼けで かくれんぼ
子供といっしょに かくれんぼ
しめた積みわら こりゃ良かろう
良寛さまは こっそこそ
そのわら被(かぶ)って こっそこそ
そのうちとっぷり 日は暮れる
子供はおうちへ 帰ります
坊さま忘れて 帰ります
星がきらきら 光ります
待っても待っても 誰も来ず
霜がきらきら 光ります
わらを被って お坊さま
息をこらして お坊さま
来るか来るかと お坊さま
誰も来ませぬ 風ばかり
野鴨が遠くで なくばかり
だんだん夜更けに なるばかり
やっぱり来るかと お坊さま
ほんとに来るかと お坊さま
とうとうよっぴで お坊さま
誰も来ません 夜があけた
すずめがちゅんちゅく なきだした
朝焼け小焼けで 夜があけた
来ました百姓が すたこらさ
おくわをかついで すたこらさ
畦霜(あぜしも)踏み踏み すたこらさ
今度は来たぞと お坊さま
深息つめつめ お坊さま
今度はびくひく お坊さま
おや?と百姓が 目を付ける
なんたか変だぞ このわらが
おや?と百姓が 手をかける
ついっとはがせば おどろいた
おやおやおやおや お坊さま
良寛さまかえ おどろいた
しっしっ そっとしろ みつかるで
子供がいるから お坊さま
しっしっ そっとしろ みつかるで
良寛さまは うそつかず
子供にだまされ 気がつかず
いつでもだまされ 気がつかず
子供みたいな お坊さま
なんとのろまな お坊さま
なんと仏の お坊さま
◇参りました![]()
良寛さま![]()
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