『山の茂作(もさく)』
作詞~島木赤彦(1876~1926)
山の茂作が炭やく煙
木立にかかって木立が黒く
顔にかかってお色が黒い
山の茂作が煙草をふかす
大きな鼻から煙をふかす
二つの孔(あな)から盛(さかん)にふかす
山の茂作が煙管(きせる)をはたく
黒く大きな手のひらへはたく
もえる煙草を平気ではたく
山で暮して年より茂作
谷に辛夷(こぶし)の花さくけれど
春が来たとも知らない茂作
◇谷に辛夷が
咲こうとも
茂作は茂作
山の茂作
茂作の世界を
生きていくy─┛゜゜゜