下図で4端子網の概要を説明する
4端子回路は上図のように、入力2,出力2の計4個の端子の回路網でL,Cの組み合あわせたフィルターやRだけの 減衰器、伝送回路も等価的な回路網である。 この4端子網入力に電圧を加えた時、出力の電圧電流はどうなるのかを以下に計算してみよう。
基礎方程式 上図で入力電圧V1、入力電流I1,出力電圧V2,出力電流I2とした時
V1 =A V2 +B I2
I1 =C V2 +D I2 A,B,C,Dは定数
この式を4端子回路網の基礎方程式という マトリクス表示で書くと
[v1]=[A B][V2]
[I1]=[C D][I2]
ここで下記の回路の4端子回路定数A,B,C,Dを求めてみよう。
定数A=(V1/V2) I2=0 I2=0は出力端子を開放にすることであるからV1=V2 依ってA=1である。 B=(V1/I2) v2=0 B=Z1
C=(I1/V2) I2=0 C=0 D=(I1/I2) v2=0 D=1 依って直列k回路Z1の4端子定数は
[v1]=[1 Z1][V2]
[I1]=[0 1] [I2]
となる
次に並列インピーダンスの4端子定数を求めてみよう
定数A=(V1/V2) I2=0 I2=0は出力端子を開放にすることであるからV1=V2 依ってA=1である。
B=(V1/I2) v2=0 B=0
C=(I1/V2) I2=0 C=1/Z2
D=(I1/I2) v2=0 D=1
依って並列回路Z1の4端子定数は
[v1]=[1 0][V2]
[I1]=[1/Z2 1] [I2]
□ 問題 下記のフィlルタの伝達関数を4端子回路網で計算せよ
以前に使用したラプラス変換を用いて、MATLABのbode関数を使用して伝達関数をグラフ表示せよ
4端子網の演算は回路をそのままZの直列、並列のおのおのの積をとれば、直ちに4端子定数を機械的に計算できて便利である
このプログラムにはsymbolic math toolboxが必要
------------MATLAB PG-----------
clear;close all;clc;
syms a b c d s ;%シィンボリックの定義。
c1=0.0004;r=50;
z1=r;z2=1/(s*c);
%4端子定義 直列Z1
m1=[1 z1
0 1]
%4端子定義 並列Z2
m2=[1 0
1/z2 1]
m=m1*m2%4端子の直列、並列回路の積
%4端子定数の抽出
a=m(1,1)
b=m(1,2)
c=m(2,1)
d=m(2,2)
% 伝達関数は定義よりv2/v1 よって伝達関数は1/aで計算できる
tr=1/a
% ラプラス変換sを降順に並べて num,denを作成することに
%注意
num=[1]
den=[50*c1 1]
[amp,phae,w]=bode(num,den);%周波数軸でグラル表示をするため周波数、振幅を求める
semilogx(w/2/pi,10*log10(amp)) %片対数グラフで周波数特性表示
title('R-C 回路 LPF 周波数特性')
xlabel('周波数 Hz')
ylabel('dB gain')
grid on