リオ五輪の競泳男子100mで金メダルをとったオーストラリアの18歳、カイル・チャルマース選手をご存知ですか?実は彼はアデレード出身なのです。
アデレードにそんなすごい高校生がいるなんて全然知らなくてこちらの方に教えていただいたのでした。
先日、そのカイル選手の母校である IMMANUEL COLLEGE の小学校、IMMANUEL PRIMARY SCHOOL の日本語クラスのお手伝いに行ってきました。
オーストラリアは一時期はかなり日本語教育が盛んで第二外国語の選択肢の中に多くの学校で日本語が入っていたのですが、最近は下火になっているらしいと聞いていました。
ですから、小学校で日本語のクラスがあると聞いて最初は日本人学校ではないにしても
日系の子が多い学校なのかなと勝手に思っていたのですが、違っていました。
いわゆる地元の私立の学校です。
先生が各教室に行って授業をするのではなく、日本語の教室があって生徒たちが授業を受けにこの教室にやってきます。
その日は日本文化の体験レッスンで巻きずしを作ってみんなで食べるという授業です。
6年生修了前のイベント的授業なのだそうです。
ちなみにオーストラリアの学校は4学期制で州によって休業期間も微妙に違うようです。
アデレードのあるサウスオーストラリア州は12月17日から翌年の1月29日まで学年末のお休みになるようです。
授業で使う日本語をまず先生が書いておきます。
その間にボランティアスタッフは巻きずしの準備
ご飯は炊きたてを直前にボウルにわけて各テーブルに置くので
とりあえずは巻き込む具と海苔の準備です。
最初にお寿司についてのビデオを見てから先生が英語で補足説明します。
ビデオにちょうど映っているのは、私にはハイレベルの飾り巻きずし。
この写真が出て来ると子どもたちから感嘆の声が・・・・(^^)
そして、しょうこ先生によるデモンストレーションです。
注意すべき点を伝えながら手際よくくるんと巻いていきます。
とってもおじょうず!
ご飯は酢飯にしてから各テーブルに分けるのかと思っていましたが、「すしのこ」という粉末の酢飯の素をご飯に対する分量分を各テーブルに分けて、酢飯作りから始まりました。
デモンストレーションのときに、しょうこ先生が子どもにうちわであおがせてご飯は切るように混ぜること、うちわであおぐことによってご飯が光ってくることなどを説明して、巻くときのコツなども伝授。
それから各テーブルにわかれていよいよ実践です。
中に入れる具として準備されていたのが、きゅうり、ツナマヨ、ハム、チーズでした。
ツナマヨは英語の説明でもそのまま「ツナマヨ」
みんなツナマヨとチーズが大好きみたいで、ハムはいっぱい残っていました。
包丁を時々濡れたペーパータオルで拭きながら、切るのも自分たちで切ります。
各テーブルに分かれて、子どもたちもポイントを押さえながら作っていました。
巻くのも切るのも、上手な子は上手。苦手な子は苦手です。
これはどこの国の子だからということではなく、もう子どもの個性ですね。
端っこはちょっとグシャっとなってしまいましたが、「おいしいです」とちゃんと食べていました。
食べるときには「いただいます」
食べ終わったら「ごちそうさま」
途中で「どうぞ」「ありがとう」の言葉も時折聞こえて・・・・
お互いに補い合いながら各テーブルともちゃんと時間内に食べるとこまでいきました。
6年生と言ってもみんな大きくて・・・・日本も最近はみんな体格がいいから、おんなじかなぁ。
いくらからだが大きくても、やっぱり6年生(^^) かわいかったですよ。
何年も前に巻きずしのレッスンをしたときは、感嘆の声があがっていたそうですが、
最近はアデレードにも日本人オーナー(それも山口県出身の方なのですよ)の
お寿司のチェーン店があってとっても人気だそうで、そう珍しくなくなっているようです。
お寿司屋さんの小さい魚型の容器に入っている醤油が各テーブルに配られたのですが、
"Oh! soy sauce!" って喜んで、切った巻きずしに慎重にかけて食べていました。
授業はひとコマ45分間でまずは9時45分からひとコマ。
その後30分間ほどおやつタイムがあって、子どもたちも家から持ってきたおやつを食べるのだそうです。
子どもたちのおやつタイムには私たちもおやつタイム。
長年ボランティアスタッフをされている方がカップケーキを家で焼いてきてくださっていました。
何と中には小豆の餡が・・・・とってもおいしかったです!
高校に留学中の女の子たち2人もお手伝いに来てくれていたのですが、
そのうちのひとりが「あんこなんてもう久しぶり!」ととっても感激していました。me,too!!
おやつタイム終了後にふたコマ。次のふたコマは休み時間なしです。
子どもたちも休み時間はありません。トイレに行きたくなったときは授業中に手をあげて行くのだそうです。確かに途中で手をあげては出ていく子が何人かいました。それが普通なのですね。
最初のひとコマで要領もわかったので次のふたコマはスムーズにいったでしょうか。
クラスによって雰囲気も違っていてなかなかおもしろい体験でした。
実はオーストラリアの小学校の日本語クラスは今回で2度目。
20数年前にシドニー郊外にあるシュタイナースクールの日本語の授業を見せていただいたことがあります。オーストラリアで日本語学習がとても盛んだったころのことです。
当時シュタイナー教育にとても関心を持っていての訪問で、直接学校に行って日本語クラスの先生にアポをとって日本語クラスを見せていただいたのでした。日本人の生徒さんも何人かいてそういえば「美味しんぼ」の雁屋哲さんのお嬢さんにもお会いしたなあ。
そのときちょうどランチタイムもはさんでいたのですが、子どもたちは思い思いのものを持ってきていて好きな場所で好きなように食べていたのを思い出します。そのころはシュタイナースクールだからなのかなと思っていましたが、オーストラリアの学校自体がそうみたいです。
思いがけず行かせていただくこととなった地元の小学校の日本語クラスのお手伝い。
とても貴重な、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
しょうこ先生、6年生のみんな、ボランティアスタッフの方々、そして、お手伝いにとつないでくださったKさんとAさん、ほんとうにありがとうございました!!