CM大往生 -10ページ目

自然な感じの宮沢りえ

その昔 江角マキコによって「自然体」なる中国思想のようなコトバが
流行りました。ただ ざっくばらんなだけだったのですが。

この「自然体」を それこそ自然に表現して居るのが こんにちの宮沢りえ
であるように思います。 浮き沈みしながら  齢30を越して そこにたどり
着いた感があります。

それを支えるのが大御所スタイリスト・伊藤佐智子さんでしょうか。


伊藤 佐智子, 宮沢 りえ
STYLE BOOK [特装版(黒)]

しかしながら 宮沢さんのここ最近のCM 資生堂・フィーノ  トヨタ・ヴィッツ 
味の素・本だし  それらが全部 同じトーン(自然体なかんじ)なのが
気に成ります。揣摩憶測ですがスタッフを固めすぎて居るのかもしれません。

要らないお世話ですが。

小雪→相沢紗世→小泉里子

電車の広告にやたらと多いのが コンタクトのアキュビューと日本経済新聞社。
その日本経済新聞社の広告ガールの変遷は

小雪(「non-no」出身)→相沢紗世(12月から「classy」の表紙)→小泉里子(現在「oggi」)
と 歴代 モデル嬢で来て居ます。
(次はタレント寄りで石川亜沙美 モデル寄りで吉瀬美智子 ブレンダあたりでしょうか)

小雪 相沢 小泉  
        ウーマンリブ風から徐々に肩の力が抜けていく日経広告
 
キャスティングの面白さの割に 広告表現は古めかしいですね。

小雪時代のコピー「こう見えても、日経を読んでいる」なんて
女性よ、テレビを消しなさい」(角川文庫 1977年 )
知性の差が顔に出るらしいよ」(新潮文庫 1978年)くらいのいきおいだもの。

相沢時代の「
女は変わった 男はどうだ」は 「アエラ」の特集見出し程度。
これでも ようやっと女性総合職登場時代(80年代半ば)には こぎ着けたか。
(添付写真の 文字の入れ方・ボールドの効いたフォント すごく恰好わるい)

で今年。「エコノミックサプリメント」。肩の力は抜けました。

新聞を読む=おりこうさん 新聞=役立つ と云うようなエリートによる人民の啓蒙が

広告の核にあるもんだから 時代錯誤もやむを得ず なのでしょう。

案外なマキアージュ

資生堂マキアージュ の新展開の「タクシードライバー」篇 
あんがいな出来映えにがっかりして居ります。
中途半端な「プラウディア」で だめだめだ。

運河をゆく前回のシリーズは 化粧品のCMらしくなくて 好きだったのですが。
(逆に 私の云う化粧品らしいCM とは がんがんライトを焚いて ハイスピードで
撮影し
 インフェルノで顔をレタッチしまくり なCMです)

前のシリーズの演出は真田敦さん。
サッポロ黒ラベルの 戦う親父もの(ハマコーや曙とおっさんが戦う)
童貞二部作(生茶&オロナイン←椎名令恵が美しかった!)
などなどetcetcの 大演出家です。

どうてい  
the 童貞の竹下恭平くん

わたくし的には 真田さんはコスメ系のCMを撮る人ではないとの認識ですが
それが 化粧品CMらしくない化粧品CM マキアージュを生んだので
在りましょうけれども。

仏像や盆栽をプロデュース。

蕎麦屋や焼鳥屋の ジャズかけたり 黒を基調にすれば オシャレ
と云う 耐え難いほど 安直な 和の演出に辟易する今日この頃 
いかがお過ごしでしょうか。( と 強引なマクラ )

さて 本日は 日本的なるものの見せ方について。( そそくさと本題 )

まず仏像。
東京上野の国立博物館。ここの所蔵品の見せ方は素晴らしくて
例えば法隆寺館ではアクリルに囲まれる仏像にピンスポットがあてられ
それがずらっと林立させて居ます。
http://bunboblog.cocolog-nifty.com/art/kannon.html  
↑ 実際はもっと暗く落ちて照明が効いて居ます。

ここは お面のディスプレイも 東洋館の石板のライティングもいいです。
土偶や埴輪も 恰好いいライティングをしてくんろと 願う私であります。

続いて盆栽。

ぼんさい  

どこぞの外国雑誌の日本版に紹介されていたフラワーアーティストの
東信氏の作品。 素晴らしいですね。

抜けから外光が来て居ますので 時間によって 見え方が変わって
いきましょうから 写真でなく なまで 空間のみならず 時間をも堪能したく
成ります。

手づかみについて考える

オンエア中のケンタッキーフライドチキン のCM
この子 ↓ おいしそうに食べて居ますねえ。

kfc01

ちっちゃい子が 両手でものを 食べると
かわいく見えますが

kfc02

いい齢して そうすると いやしく見えます。

名古屋ブームの今日 手羽先を片手でスマートに食べるスキルが
紳士&淑女には 求められて居るのかもしれませんよ。

数珠つなぎで好きなものを

学生の頃に好きだったCMはと云いますと エリートジャパン時代の
小西真奈美や古谷恵が出ていた ラビナスのCM 

こちらの演出が 武藤真志さんです。
(いくらなんでも乗らねえだろと皆が思った デカプリオのスズキワゴンRや
アムロちゃん 矢井田瞳の大半のPVも演出)

その武藤さんの作品で 最も好きなのがプレステ2「かまいたちの夜2」の
オープニング映像。(カメラ:川端健一。ラビナスも川端さん)
この衣装が三田真一 さんです。

kamaitati  

 三田さんは同じく武藤さんとで英国のバンド Death In VegasのPVの衣装を
手がけています。(こちらの撮影は内田将二

vegas  

で 内田さん撮影 三田さん衣装で撮られたコマーシャルフォトの表紙がこちら。

koma  

武藤さん三田さん内田さんで 黒木メイサなんかに着物をキセルと 恰好いい
映像に
成りそうですが。 どこぞの社長さん そういうCMの仕事を私に呉れませんか?

directors label 第二弾

こないだ発売された外国のディレクターのShowReelDVD
directors labelの第二弾 
マーク・ロマネク 見たさに購いました。
(名作の誉れ高き「bad time story」よりも 同じマドンナなら「rain」の
方がずっとよいと 改めて想います。)


コレの第一段はミッシェル・ゴンドリー(彼の最高傑作と 私が目する
NatWest銀行CMが入っていません。いけませんねえ)
スパイク・ジョーンズクリス・カニンガム と云う顔ぶれ。
やはりゴンドリーが一番の売れ筋
DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION

このたびの第二弾はロマネクの他に
 ジョナサン・グレイザー
アントン・コービン
ステファン・セドゥナウィ の四名さま。
後ろ二人はちょいと地味かも。最後の御仁は編集が下手だし。
第二弾
DIRECTORS LABEL 4+1枚組スペシャル・パック

一段目が
企画がたった系の趣なら 二段目はきちんと撮って居る系
と成ると 一段目の方が 分かり易く且つ派手で面白いでしょうか。 

さて第三段。 出るのかどうかは 存じませんが ハンマー&トングス 
(クリエイティブユニット) デイトン&ファリス(夫婦だったか)あたりだと
「買い」です。マイク・ミルズなんかだとがっかりだ。


さて。私が好きな海外ディレクターは まずゴンドリー。彼の作品を
SHOTS(業者向けの海外CM集)で見つける
たびに my ゴンドリーminiDV
つぎ足していきます。
 我ながら乙女チックなコトをして居ります。
それから トラクター(クリエイティブユニット)。映画が来年公開予定。
ついでに Antoine Bardou Jacquet。ミドルネームの日本語表記が
判らねえ。 3人とも Partizanに所属(地下組織ぢぁありませんよ)です。

Antoine 氏と仕事したい代理店クリエイティブやCMプロデューサーは
日本にも多いと思います。「世界的なディレクター」と冠を附けるのに
只今のトコロ 最もふさわしい人でしょう。 

マッキャンエリクソン博報堂

ネスレ ロレアルなどをワールドワイドで扱うMcCANN ERICKSON
世界屈指の広告代理店で 日本においても外資随一のそれです。
ここが日本参入時 博報堂と組み それで出来た合資会社が
マッキャンエリクソン博報堂(オフィスは博報堂の錦町本社内に設置)です。

この夏に復刻したCCJCの「I feel Coke」(BENNY-Kの唄のですね)
そのオリジナルが ココの代表作でしょうか。
現在40歳前後の殿方は このCMと松本孝美の虜と成った
のでした。
coke coke02
            87~89年 
その他には 金曜ロードショーでやたらと流れて居た 
いずすのジェミニ。
風とロックの箭内道彦さんが 「クルマ版のGAP」と 讃えて居ますが
言い得て妙です。

isuzu01  isuzu03 isuzu02
  「ワルツ」篇 85年       「ジャンプ」篇 85年    「片輪走行」篇 89年

と云う具合に 80年代後半の 豊かさが日本を包み込む雰囲気に 大きく寄与した
企業であるのかもしれません。(←かなり大袈裟。制作会社は共に東北新社 ) 
 
その後 1994年に博報堂との合資関係を解消し、MEが100%資本の広告代理店・
株式会社マッキャンエリクソン として再スタートします。
2004年ACC賞グランプリのネスカフェ「朝のリレー」(谷川俊太郎の詩が用いられる
やつ。これも東北新社)が直近の栄誉です。


目下の大クライアント・マイクロソフト Xボックス360は 早くも あやうい気配が
立ちこめていますね。 

キヤノンvsエプソン

長谷川京子の へんてこヘアメイク&踊りの canon か。
長澤まさみの サザエさん一家のような衣装センスの エプソン か。
ご家庭用プリンタは 明後日の地平で 激しく戦って居ます。
                                                                   
epson01  epson  
   あなくろエプソン      ゆにくろエプソン

エプソンはファミリー感・あんしん感を狙ってのコトでしょうけれども
こう云うのは フジカラーのように 腹をすえて マンネリ覚悟で続けないと
長澤まさみに恥をかかせて終わりに成ってしまいましょうか。 

矢田亜希子(canon)と柴咲コウ(エプソン)の
オフィス用プリンタ戦争は まだまだ 頑張りが足りません。

好景気が生むか CMの新機軸

平成景気(最近は「好景気」を「バブル」と云い換える習慣がありますが
それは誤用です。)の頃に 川崎製鉄が たま(と云うへんてこなバンド)を
つかったCMをこしらえました。

かさわき ←川崎製鉄 ふぃーちゃりんぐ たま

CMを見て H形鋼を買おうと思い立つお客さんは なかなか居ないでしょうから 

当時は好景気の象徴(のちにアダ花)として このCMは捉えられました。
(と子供心に記憶。
当時は企業広告の価値が低かったのでしょうか。
ちなみに
競合企業の新日鐵はシガニー・ウィーバーで 住友金属も山瀬まみで
CMをこしらえました。


さて今日。NC旋盤マシニングセンタで世界的大手の森精機  自動車部品で
世界第3位のデンソー  こうした企業がCMを作って居ます。

こうしたBtoB企業は 今後 カネがあまりはじめるうえに 環境問題などへの
取り組みなどのCSRアピールのために
 CMを作る傾向に成ろうかと思います。

日本CMK(プリント配線板の世界的大手)など CM未開拓のあまたの優良企業が
あります。 業種が業種だけに 傑作・珍品を生む可能性を潜ませて居ます。

また 馴染みの薄い世界的大手がCMを作ることで 若年者が日本の製造業の
優秀さを知り
 中国や韓国を見下して居るだけの「愛国心」とは 別の 自国への
誇りを
生むかもしれません。 好景気はめでたいことです。