《つんでれくん》と魔女の3日間 | まじょねこ日記

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《つんでれくん》との生活3日目、5月14日火曜日

 

朝部屋を覗くと《つんでれ》は窓辺で昨日と同じように横たわっておりました

 

《つんでれ》がここに来た日から、室内の温度を下げないように必要な時や夜は暖房を入れていました

体重2キロを切っている《つんでれ》が低体温気味だったからです

 

 

私は笹の葉エキス入りの水を持ち、《つんでれ》の口元に差し出しました

《つんでれ》は首を少し捻り、それをいくらか飲んでくれました

 

《つんでれ》の様子や表情から

私はこの子にはもう時間がないことを悟ります

 

その前に・・

その前に《つんでれ》を公園に連れて行こうと決めました

なるべく早く連れて行かなければ、と思いましたが

この日は寒く、低体温気味になっている《つんでれ》に気温の低さは堪えます

 

 

天気予報を見るとこの地域は12時から晴れるとあったので

昼前まで待つことにしました

しかし少し時間を置いて再び天気予報を見たら日が差し始めるのは14時からとなっていました

 

この間に、送られてきた水素水を少し、《つんでれ》に飲ませました

《つんでれ》はそれを飲んでくれました

 

 

《つんでれ》の状態を診るに、一刻も早い方が良いと感じた魔女は

 

2階のテラスに出て灰色の雲が覆う空を見上げ

掌を合わせて 

 

「ニャバーランドのみんな、どうかお日さまをください、 今すぐここを暖かくして! お願いだから 《つんちゃん》のために お日さまをください」

 

と、声に出して願いました

 

空に向かって何度か同じことを念じ、《つんでれ》のいる部屋に戻ると

急に日が差し始めたのです

いきなり辺りが暖かくなります

 

10時半

魔女は急いでキャリーに毛布を敷きます

キャリーは《つんでれ》を保護した時にしげみママからお借りしたもので

うちにあるのより大きく、上も開くようになっていたので《つんでれ》を負担なく入れられると思ったからです

 

少し動いても骨ばった体が硬い部分に当たらないように大きな毛布で周囲も囲みました

そしてその上にペットシーツを敷き

《つんでれ》から紙おむつを脱がせ、そっと抱えてキャリーに寝かせます

 

私はそれを抱え、車に乗せてゆっくりと公園に向かいました

先程まで空を覆っていた雲はいったいどこに消えてしまったのか

青空も見え、相変わらずお日さまは暖かな日差しを齎してくれておりました

 

 

公園下に車を停め

キャリーを胸に抱えて公園に向かいます

 

入り口に向かう階段は振動があるかと思い、長いスロープを歩いて裏からいつもの場所に向かいました

 

そこには公園組のご飯やりを終えたあんずママがいらして

みんなと一緒に《つんでれ》を迎えてくれました

 

キャリーの蓋を取っても《つんでれ》は中で横たわったままで・・

 

 

いつも《つんでれ》と一緒だった《もりだくさん》が《つんでれ》を見詰めます

 

 

 

私は《つんでれ》に公園を感じて欲しくて

そっと抱きあげて、10年間いつもいたベンチの上に降ろしました

 

すると横たわっていた《つんでれ》が少し身を起こしました

 

 

 

そんな《つんでれ》に《もりだくさん》が寄って行き

 

 

弱り切った《つんでれ》を庇うようにします

 

 

《もりだくさん》は《つんでれ》に何かをささやいておりました

 

 

そうしてこちらを振り返った《もりだくさん》は何を思ったのでしょう

 

 

《つんでれ》がベンチから降りたいというので抱いて降ろしました

そこは日陰だったのであんずママさんが日向に移動させてくださいました

 

暫くすると暑くなったようで、《つんでれ》はよたよたと日陰に向かいます

 

 

 

 

 

《もりだくさん》は《つんでれ》から離れず

 

 

うずくまる《つんでれ》を励まそうと、小さく鳴きます

 

 

《つんでれ》はさらに涼しい場所に移動します

 

 

 

 

 

《つんでれ》は・・ 疲れてしまったように顎を落としてしまいました

 

 

暑くなったのでお水を飲みたいかと思い、雨水の入った器を持って来て側に置きました

《つんでれ》はそれを見詰めるだけで飲もうとはしません

 

 

《もりだくさん》が 「ほら、こうして のむんでしょ」

と飲んで見せていますが・・

《つんでれ》は動きませんでした

 

 

 

この後、《つんでれ》はこの上の茂みに入ろうとし、私が抱いてそこに入れました

そこは数年前まで《つんでれ》がよく人目を避けて潜んでいた場所でありました

 

 

 

 

 

暫くそこにいた後、降ろされた《つんでれ》はよろよろと歩いて4段ばかりの階段を登って回り込んで

いつものお気に入りの場所に辿り着き・・

そうしてそこでうずくまってしまいました

 

《つんでれ》は公園でいつも一緒だった《もりだくさん》や仲間に会えて安心してくれたでしょうか

 

 

どのくらい時間が経ったのか・・

魔女は覚えていません

 

うずくまった《つんでれ》を抱き上げ、キャリーに入れます

この時、《つんでれ》は既に意識が薄らいでいるように見えました

 

このところ元気がなくなり、痩せてしまった《もりだくさん》の

いつも一緒だった《つんでれ》を見送る淋しそうな目が・・ 私の胸を深く刺します

 

 

つづく