昨深夜のらさんご飯の時、やはり《こいも》はいなかった
そして《ぼっさ》もいなかった
色々なことを考え、念じて短い就寝を取る
朝、のらさんご飯の用意をしていたら空家の持ち主からの電話で
空き家に置いた捕獲器の中のご飯がなくなっていて、猫は捕獲されてはいなかったとの報告があった
私は昨日空家を訪問した際に猫がひとりやっと入るくらいの隙間を見つけた
しかしその先は戸棚の後ろになってしまい、まったく確認できない
空家の持ち主はその先から天井裏辺りに出入口があるのだろう、と言っていたので
外に出て確認したところ、私が見る限り外に出られる可能性は少ないと思われた
《こいも》が外にいないということは、小屋のその狭い所に潜んでいて外には出られないでいると踏んで
部屋に捕獲器を仕掛けてきたのだが、今朝は上記のような状況であった
しかし、これで《こいも》はその部屋にいて、どこかに挟まって動けないでいるわけでもないとわかった
《こいも》がそこに閉じ込められて今日で約1週間、そして捕獲器に仕掛けた食事とその時横に置いておいた水以外は何も口にしていない筈だ
それ以前の5日間は食事もしていないし水も飲んでいないことになる
魔女は今日会う約束のゆみこさんに連絡して今朝の様子を伝え
もう一度捕獲器にご飯を入れておくから10時半くらいに様子を見に行って欲しいと伝えた
空腹を抱えている《こいも》は再度捕獲器に入ると私は踏んだのだ
私はその後公園にも行かねばならないのでその時間に空家には行けない
そしてもし《こいも》が捕獲されていたら午前中に動物病院に連れて行かなければならない
予約なしで避妊手術をしてくれる病院は遠く、運ぶ時間を考慮するとそおの時間がギリだった
私は家を出てけもの道ご飯を急いで終わらせると空家に向かった
家主が鍵を開けておいてくれたので、ドアを開け、捕獲器を置いた奥の台所に向かう
そしてもう一度匂いの強いカリカリとちゅ~るを捕獲器に仕掛け、その横に水を置き
今度は捕獲器の調節を弱くして 「《こいも》、ごはんだよ」 と声を掛け、空家を後にし、公園に向かった
10時半
ゆみこさんから電話が来て、《こいも》が捕獲器の中にいる! とのこと
私はすぐに病院に電話をし、避妊手術を依頼した
そこはこういった場合によく頼む病院で、二つ返事で引き受けてくれた
急いで帰宅し、最低必要なものを車に乗せて家を出る
車を空家近くに停め、ゆみこさんに《こいも》が入った捕獲器を運んでもらい、動物病院に向かう
病院には12時前に着くことが出来た
私は《こいも》のお腹が大きい感じがして
しかも毎日未去勢の《しろ》といたことも懸念し
病院に もし産み月であれば、そしてもし産んでいたとしたら、手術は取り止めて欲しいと言った
その場合、診察料はきちんと支払いますのでどうかお願いいたします、と
お産が近ければこちらで引き取って子供を産ませて少なくとも2ヵ月までは母親に育てさせ、その間子どもには里親を見つけ、《こいも》には改めて避妊手術を受けさせますので、とも
まさかとは思うが、もしあの部屋で子供を産んでいたとしたら授乳させなければならない
これについて家主と話し合うつもりでいた
空き家に閉じ込められていて5日ほど食事が摂れていないことも伝えた
病院側はそれを理解してくれ、それでは様子をみてみます、として《こいも》をあずかってくれた
一旦地元に戻り、ゆみこさんと食事をしてふたりで魔女家に戻って話をしていたら、病院から電話があって手術が終わったので引き取りを、とのこと
それからすぐに空家の主の家に行き、《こいも》のことを伝え
ゆみこさんは家主に買って来たお菓子を渡した
そして私たちは《こいも》を迎えに行った
《こいも》は妊娠初期だったので手術を決行しまいたとのこと
《こいも》には申し訳ないことをしてしまった
ほんとうにごめんなさい・・
先程やっと家に着きまして
今、《こいも》は魔女の部屋で様子を見ています
もう暫くしたらたっぷりご飯を食べてもらって
明日の朝、あの子が暮らしている場所に帰します
閉じ込められていた《こいも》を救出出来てほんとうによかった
《こいも》がやって来たゆみこさんに鳴いて知らせたのは《おにいちゃん》の命日でした
《おにいちゃん》が妹を守り、助けてくれたのでしょう
お空の《おにいちゃん》
ありがとう
ほんとうにありがとう