昨日、魔女は障害を持つ子たちが多く通うピアノ教室の発表会にお呼ばれをしていて
昼過ぎに家を出て、ほんの数分歩いたところで車に乗った某国会議員の秘書さんに声を掛けられた
魔女家に来るところだと言うが、私が出かけるところなので発表会の会場である区の庁舎まで送ってくれるという
魔女は歩かずに済んで非常に嬉しかった
会場に向かう車の中で打ち合わせというか、あれこれと報告をいただく
この経緯についてはまた改めて書きます
会場は区の総合庁舎で
そこの3階のギャラリーではつい先日まで 『魔女とその仲間展』 が開催されていた
音楽ホールはその上の4階で、そこで今回の演奏会は行われる
魔女が最初にこのピアノ発表会の招待を受けたのは20年前で
それからは発表会が私の仕事の土曜日と重ならない限り、毎年聴きに行っている
そこにいる障害を持つ子の多くは当時(20年前)まだ5歳ほどで
緊張の面持ちで舞台に上がり、たどたどしいながらも懸命にピアノに向かっていた
その懸命さに、聴く方はハラハラして手に汗を握ったものだ
それから子どもたちは徐々に上達していき
ある女の子は20歳になって
この音楽ホールが擁する STEINWAY&SONS のピアノに向かい、ショパンのノクターンを演奏した
4年前のことだ
ピアノからそれは美しく流れだしたショパンのノクターンを聴いた途端
私は崩れ落ちるようにして泣いた
幼い頃から今日までこの舞台で見て来たその子のその時々の様子が思い出され
健常者の何倍もの努力を歯を食いしばって続けてきたのだろう
今や彼女は緊張さえしていなかった
そして今回は連弾でソナチネ ヘ長調と
彼女のお母さんが大好きな玉置浩二のメロディーを弾いた
彼女の五感が音楽を感じているのが手に取るようにわかる
同じくりょうくんのアレグロ アパショナートも、フレディー マーキュリーのWe are the Championsも完璧で
演奏が終わるとピアノにバイバイをするたっくんの幻想即興曲(ショパン)も見事過ぎた
他のみんなもとても良い演奏を聴かせてくれ
年に一回だけど、みんなを小さな頃から観てきた魔女は
もう・・ 涙を堪えるのが精一杯でね
私がアトリエを始めるきっかけは、この市の小学校の特別指導教室の子たちに絵を教えて欲しい、という依頼があってのことだった
それがそのまま今日に繋がっている
時々思うのよ
芸術は果たして何かの役に立っているのだろうか・・ って
例えばゴミ収集の仕事をなさっている方々
河川の浄化や水をきれいに保つ仕事などに従事している方々など
これらの仕事は世の中に役立つことが顕著であるのに
だけど・・
思ったの
絵や音楽を通じて人の心を優しくすることが出来るし
さらに愛を知ることが出来る
人が愛の下に優しくなれば世の中は変わる
直接的なことは出来ないけれど
それだって大切なことなんだ、って
ピアノの先生は最初お会いした時から20年を経て
さらに魅力のある顔つきになられていて
それは地道に、懸命に、そして優しく、時には厳しく 真摯に生徒たちと向き合ってこられたからこそであり
その結果が今ここに在る
人は自分に出来ることを誠心誠意やればいい
私は絵を描く以外に能のない自分を訝しく思ったこともあるけれど
私の生徒たちがこんな魔女に共感してくれ
人間として真っ当な心を持って育ってくれれば
それもまた私の仕事であろうと思う
先生という者を育てているのは紛れもない生徒たちなのだ