のらねこ日記 ~ 例えば今日のこと・後編 ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

昨日の続きです

だからこれは昨日の日記ね

 

けもの道を下って車通りを渡ったところで《ぼっさ》発見

 

名前を呼ぶときょろきょろと私の姿を探す《ぼっさ》

近寄ると昼間会うのが照れ臭いんだろうね

どうしよう・・ って表情をしてちらちらと魔女を見る

 

「それなら まじょは いくよ」  

 

そう声を掛けると、《ぼっさ》は慌てたように駆け寄って来た

 

 

ぼっさ 「まじょ・・」

 

 

魔女 「げんきでしたか?」

 

ぼっさ 「まあな」

 

 

とても立派で美しい毛並みだった《ぼっさ》

 

それがもうずっと前から、《ぼっさ》は口内炎を患っていて

それでも頑張ってご飯を食べて

ほんとうはドライの銀のスプーンが好きなんだけど

歯に引っ掛かってしまうらしく、そうなると実に苦しそうな声をあげてもがくので

バッグからモンプチテリーヌのビーフを取り出して、さらにフォークで潰して差し出すと

それは美味しそうにたべてくれた

 

いつどこでどんな子に逢うかもしれないので

バッグの中には口内炎の子のための柔らかいご飯やスープも常に入れてある

《ぼっさ》はそれを食べ、スープを2パウチ舐めた

 

魔女 「おなか いっぱいになった?」

 

ぼっさ 「なった」

 

魔女 「よかった、 おなか みせて」

 

ぼっさ 「うん」

 

 

魔女 「《ぼっさ》、からだ あらおうか・・」

 

ぼっさ 「やだ」

 

魔女 「あらわせて・・」

 

ぼっさ 「ぜったい やだ!」

 

魔女 「そっか・・ おいで だっこしたげる」

 

 

 

 

《ぼっさ》はぐいぐい魔女の胸に顔を押し付けて来る

そうしてそこに顔を埋める

 

魔女はブラシを持って来なかったことを酷く後悔していた

胸に絡みついたヒバの葉や、汚い毛の塊を毟り取るしかできない

 

魔女のジャケットは《ぼっさ》の涎でどろどろになる

ずっとずっと抱いていて

 

魔女は丸二日ご飯を食べていない《おとうとちゃん》のことが気になりだした

 

 

魔女 「もう いくね・・」

 

ぼっさ 「やだ!」

 

 

どうしても言うことを聞かないので

仕方なくマタタビを与え、《ぼっさ》がそれを舐めている間に、魔女は逃げるように走り去った

後ろ髪・・ 引かれます

 

 

いつもは正面入り口から公園に入るのだが

この日は《おとうとちゃん》が気になって、公園組のご飯を後回しにし、《おとうとちゃん》がいる筈の場所に近い裏から入って、竹林に向かう階段を登る

 

広場には業者さんの軽トラは停まっていたが、昨日の竹林伐採の片付けだけが行われていた

 

階段を登って行くと、昨日はいなかった母親の《ぐれこ》は走って来て

いつものご飯場所の奥にうずくまった《おとうとちゃん》が、魔女の顔を見るなり飛び出してきた

 

二日ぶりのご飯だというのに

甘える方が先だって、ご飯を食べたり抱かさってきたりと、全く落ち着かない《おとうとちゃん》

何とかご飯を食べさせて、ようやく膝に落ち着く

 

 

 

 

魔女 「やっと あんしんした?」

 

 

おとうとちゃん 「うん、やっと あんちんちた!」

 

 

この子のお尻にあった天使の羽が

太らせたら丸くなって

下の模様と合わさってパンダになった

竹藪に住んでるからね

 

 

《おとうとちゃん》に名前をつけました

 

《ばんぶぅ》

 

これからは《おとうとちゃん》のことは《ばんぶぅ》と呼びます

 

居てくれて良かったぁ

 

 

さて、後回しになった公園組

いざご飯という時に、缶切りを忘れたことに気づく

仕方がないから20名ほどの猫をと一緒にぞろぞろと公園前のお宅に行って

そこの郵便受けから缶切りを取り出す

 

そのお宅のご夫婦はとても良い方で

魔女が忘れ物をして困ったときのために、猫ご飯必須アイテムを常に郵便受けに入れておいて下さっている

 

公園組はみな元気でたくさんご飯を食べた

《あざみ》なんて食べ過ぎて吐いたし

 

みんなといっぱい遊んで

もう疲れたから解散ね

 

だけどここに恐ろしい魔女コン猫がいて

最後の最後まで私の側を離れようとしない

 

 

《じおん》・・

 

 

だからここでもマタタビをブン撒けて逃げ帰る

 

 

いつもこうして見送ってくれる公園入口組の《くろす》と《まつこ》

 

 

そうして帰り道

けもの道に差し掛かろうという時に猫の唸り声が・・

 

どこだ!

 

すると・・

住みかとする空家の庭で、恐ろしい形相であの《ぶす》を威嚇する《せてぃ》の姿が

 

あの狂暴な《ぶす》を威嚇するなんて・・

《せてぃ》、元より気の強い子だったけど やりよるな

 

 

せてぃ 「よくも わたしの むすこを いじめてくれたわね!

からだが でかいからって ちょうしに のってんじゃないわよっ」

 

 

昨夜の大雨に濡れたままのぶす 「まじょ・・あのねこ こわい」

 

魔女 「あんたが わるい! ここは あのこたちの なわばりなんだから あらさないで!」

 

 

それからけもの道軍団がまたお腹が減った、というのでカリカリをあげ

 

ようやく丘のてっぺんまで戻ったら

やはり《さき》によっておばあちゃんちの庭から追い出された

 

《Cちゃん》と

 

 

《Dちゃん》に捕まり

しこたま遊ばされ

 

 

 

この後、心配だったので再び《かり》の家に寄ってみたら

玄関前に自転車が、車庫には車があったので《かり》は家に入れてもらえたようす

安心いたしました

 

これが、例えば昨日の のらさんご飯の始終であります