《ゆず》は私の誇りです  Ⅰ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

《ゆず》、おはよう

 

 

魔女 「《ゆず》に おはなしがあるんだ」

 

ゆず 「にゃあに?」

 

魔女 「おかしゃんと・・ さよならだよ」

 

ゆず 「・・」

 

魔女 「きゅうに こんなこと いって ごめんね」

 

ゆず 「どちて・・」

 

魔女 「おやばなれ するんだよ」

 

ゆず 「おやばにゃれ・・」

 

魔女 「そう、こどもはね すこし おおきくなったら おかあしゃんと はなれて くらさないと いけないの」

 

ゆず 「どちて?」

 

魔女 「じぶんだけで がんばるためだよ」

 

ゆず 「・・」

 

魔女 「《ゆず》も だんだん そういう きもちに なってたんじゃない?」

 

ゆず 「にゃってにゃい!」

 

 

ゆず 「おかしゃんと しゃよなだ・・」

 

魔女 「うん・・」

 

 

ゆず 「・・」

 

 

魔女 「だけど おかしゃんは ずっと ずっと 《ゆず》のことが だいすきだからね」

 

ゆず 「・・」

 

 

この時《ゆず》の目のまわりがどんどん赤くなっていって・・

《ゆず》が泣き始めた

 

そんな《ゆず》を抱き、一旦ベッドにカバーを掛けて魔女はまたお話を続けた

 

 

魔女 「《ゆず》、おかしゃんは 《ゆず》に しあわせになって もらいたいから さよならするの」

 

ゆず 「・・」

 

魔女 「ねこは みんな そうやって やさしくて つよいこに なるんだよ」

 

ゆず 「きまってるの?」

 

魔女 「きまってるのよ」

 

ゆず 「・・」

 

魔女 「《ゆず》、おかお ふこうね かわいい おかおが ぐちゃぐちゃだ」

 

 

ゆず 「しゃよなだ ちても 《ゆじゅ》が ちゅき?」

 

魔女 「もちろんよ! ずっと、ずっと いつまでも 《ゆず》が だいすきよ」

 

 

ゆず 「しゃよなだ ちて 《ゆじゅ》は また おしょと いく? 」

 

魔女 「《ゆず》はね まだ わかんないだろうけど これから いっぱい いきるのよ  そんな《ゆず》と《ぽんず》が どうしたら いつも たのしく できるか かんがえたの それで 《ゆす》と《ぽんず》のことを だいすき、って いう にんげんが いてね その にんげんと くらすのよ」

 

ゆず 「《ぽんじゅ》も いっちょ?!」

 

魔女 「そうよ きょうだい いっしょ」

 

ゆず 「しょっか」

 

 

それから魔女は軍団のお世話をしに2階に行った

そうして暫くして戻って来ると

 

 

ゆず 「おかしゃん、おかしゃんが そうしなしゃい、って いうだったら 《ゆじゅ》は そうしゅる」

 

 

泣けた

本気で泣いた

部屋を飛び出して閉めたドアの前に座り込んで泣いた

 

親の言うことを今でもきちんと聞く子

親の言いつけを守る子

 

小さな頃から《ゆず》は・・ そういう子だった

たとえ自分がどんなに辛くても

親に苦労をかけまいとしてたくさんの我慢をしてきた子

 

 

ゆず 「おかしゃん、しだない いい にんげんと 《ゆじゅ》は なにしただいい?」

 

魔女 「みんな あそんでくれるから いっぱい あそぶといいよ なにも かんがえないで いーっぱい あそびなさい」

 

ゆず 「はい」

 

魔女 「《ぽんず》のこと、おねがいします」

 

ゆず 「はい」

 

 

 

《たぬたぬ》が部屋にやって来ました

まじょねこ軍団は《ゆず》たちが行ってしまうことを知っています

 

 

たぬたぬ 「・・」

 

 

たぬたぬ (《ぽんず》と・・)

 

 

(《ゆず》が・・)

 

 

(どこかに いっちゃうのは きっと ぼくが らんぼうに あそんだからなんだ・・)

 

 

(どうしよう・・ どうしよう・・)

 

 

じゃじゃ丸 「まちょ ぼくも いっしょに いくかだね」

 

魔女 「いかなくて いいから」

 

 

じゃじゃ丸 「こでに 入いって いっしょに おくってくから!」

 

魔女 「それには 《ぽんず》が 入るんだから!」