連休明け
元のおばあちゃんちには業者の人たちが出入りするようになりました
かーら 「まじょー おにわに しらない にんげんん きた！」
かーら 「どうしよう・・」
魔女 「もう・・ おばあちゃんはいないでしょう」
かーら 「うん・・」
魔女 「もう ここは おばあちゃんじゃなくて しらない にんげんの ばしょになっちゃったの」
かーら 「・・」
魔女 「わからないよね・・」
かーら 「どして・・」
さき 「まじょー！」
さき 「おにわに しらない にんげんが いっぱい いる！」
魔女 「たぶん・・ これから まいにち くる・・」
さき 「どうして！」
魔女 「・・おばあちゃんがいなくなったから」
さき 「・・」
いま出入りしているのは廃品回収の業者
おばあちゃんちから不用品を運び出しています
不用品はおばあちゃんの６０年の生活を支えた物たちです
けもの道は車が入れないので、台車に乗せて運び出しています
ぐれ 「まじょ・・ しらない にんげん だらけで ぼく こわい」
魔女 「こわくて どうしようもなくなったら 《かーりー》のいるところに いきなさい」
ぐれ 「・・
」
魔女 「ないたりしないよ おとこのこでしょ」
ぐれ 「だって・・」
そして今日
《あみ》のベッドがなくなりました
長年愛用した《あみ》のベッドです
おばあちゃんが引っ越す日に
おばあちゃんと記念撮影したね
午後には、《ぐれ》と《かーら》が使っていた寝床もなくなっていました
この子たちが産まれて育ち、暮らし続けたたこの庭は他人の手に渡り
もうこの子たちが住める場所ではなくなりました
そのことがわからなくて
戸惑う子たち
今はまだ作業が終わる夕方から朝までは何とか庭のどこかで眠ることが出来ますが
重機が入って解体や造成が始まると
この子たちは恐怖にさいなまれ
様相が変わっていくその様におののき、ここには近寄らなくなることでしょう
先々月からこの子たちに移動先を教えてきました
《かーら》と《さき》には、《せてぃ》や《せてぃお》、《おひとりさま》が暮らす空家の庭
《おひとりさま》を怖がる《ぐれ》には、《かーりー》が暮らす大きな家の庭付近 （魔女は他家の敷地には入れないので）
この場所の両隣と、前の猫捨てオヤジは猫を敵視していて、虐めます
そこに逃げ込むことは絶対にして欲しくありません
さらに恐ろしい思いをすることになるので
この子たちが利発であるように
私の言いつけを守ってくれますように
どうしようもなくなったら私を頼ってくれますように
今は祈るしかない自分が嫌になる