のらねこ物語  ~ 優しさと思いやりの中で ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

魔女はほんとうに幸せ者だと思う

こんなに素晴らしい仲間に囲まれて日々を送れるなんて

いつもいつもそう思うんだ

 

 

私はのらさんご飯に行く時、ビーサンを履いて行くのをやめた

 

11月、寒い朝の公園で、みんなのご飯を終えてベンチに座って一休みしていると

《つんでれ》がベンチから降りて冷えた足の指先を舐めてくれる

毎日、毎日、そうやって冷たくなった足指を舐め続け、温めてくれる

 

舐めると湿るので外気にさらされると逆に冷たいかと思いきや、これがとても温かい

舐め続けると芯から温まってくるのがわかる  不思議だ・・

 

何年も前から《つんでれ》は寒い冬に素足でいる魔女にそうしてくれている

それが当たり前の顔をして舐め続けてくれる

 

だから魔女はビーサンを履いて行くのをやめた

長い時間そうやってくれている姿を見ていると、《つんでれ》の体の水分が少なくなるんじゃないかと心配になるから

 

 

 

今日、食事を軽く食べただけで《たてがみ》が森に入って行った

「《たてがみ》、まだお腹いっぱいになってないでしょう」 と声を掛けるも

《たてがみ》は振り向かず行ってしまった

 

魔女は お代わり! お代わり! と騒ぐ公園組の給仕に忙しくしていて

 

やっとみんなのご飯が終わりかけた頃

森から《たてがみ》が急ぎ足で帰って来た

 

《たてがみ》が何かを咥えて近づいて来る

 

 

 

 

《たてがみ》は魔女の前までやってくると、メジロさんを足元に置いた

 

 

たてがみ 「これ」

 

 

 

獲物を魔女に見せた《たてがみ》はもう一度メジロさんを咥えてベンチに飛び乗り

同じく移動してきた魔女の目の前に再び置いて

 

 

たてがみ 「まじょ」

 

 

たてがみ 「これ」

 

 

たてがみ 「たべて」

 

魔女 「あ、ありがとう でもせっかく自分で捕まえたんだから自分で食べたら?」

 

たてがみ 「まじょは まいにち ぼくらに ごはん くれるけど じぶんは ごはん たべてないでしょ」

 

魔女 「そうね・・」

 

たてがみ 「だから たべて   おいしいよ」

 

魔女 「うん、ありがとう」

 

たてがみ 「とりたてのうちに たべて」 

 

魔女 「はい・・」

 

 

 

《たてがみ》が目の前で魔女が食べるのを待っている

 

私はそっと手を伸ばしてメジロさんに手を掛ける

温かくて 首がくたん って・・

 

あああ・・

 

どうしよう・・

 

と、その時、ベンチの横で鼻を上に向けていた《ふう》が突然ベンチに飛び乗り

目にも止まらぬ速さで魔女の手からメジロさんを奪い、走り去った

 

「こら!」 と怒る《たてがみ》を横目に

胸を撫で下ろす魔女

 

「また とってくるから」 と言う《たてがみ》に

「ありがとう」 と答えたものの

 

メジロさん、もう捕まらないで・・ と願う

 

《たてがみ》、ありがとうね

魔女のご飯の心配をしていてくれてたなんて思ってもいなかったよ

 

 

 

《こだこん親子》

 

こだこん 「ゆっくり たべなさい まじょが そこに いるから だいじょうぶよ」

 

 

《こだこん》は私が自分たちの食事中にカラスの見張りをしていることも

子供たちに少なくとも病気を治す何かを与えていることも知っている

 

そうして食後、この場を離れる魔女を必ず見送る

 

 

 

先日

けもの道に差し掛かると、《かーりー》がおかしな格好の小走りでこちらに向かってやって来た

 

見ると口に何かを咥えている

私にはそれが大きな虫に見えた

 

《かーりー》は私の前まで来ると咥えていたものを足元に置いた

 

 

 

魔女 「これ・・」

 

かーりー 「まじょに」

 

魔女 「魔女に?」

 

かーりー 「うん!」

 

 

 

 

どこから持ってきたの?

落ちてたの?

 

 

魔女 「《かーりー》、ありがとう」

 

かーりー 「まじょ うれしい?」

 

魔女 「嬉しいよ! だいじにするね!!」

 

かーりー 「うん!」

 

 

《かーりー》にわからないようにして

『ブレスレット拾とした方、この木の枝に下げてあります』 と書いた紙を木の側に貼っておいた

 

そして毎朝《かーりー》に気づかれないようにして木の枝からブレスレットを外して腕にはめ、《かーりー》に 「ありがとうね!」 と言って見せてからそっと木に戻している

 

 

 

 

まじょの あしが つめたいから なめる

まじょが ごはんを たべてないから ごちそうを さしだす

まじょに これを わたしたい

 

そこには人間のように 何かをしてあげる という心がない

 

この子たちは見返りという気持ちや恩着せがましい心を持たない、知らない

 

ただただ温かな気持ちで当たり前として相手を思いやる

それが私の仲間たち

 

魔女は彼らに仲間にしてもらってほんとうに幸せ者です

 

 

 

それに引き換え胸糞悪くなるニュースばかりが伝えられる人間界の日々

うんざりだ