魔女家に来てからずっと治療を続けて来た《たぬたぬ》は
昨日、病院の先生から 左目はやはりだめだと思います と告げられた
それでもなお違うやり方を試す先生がいて
諦めず手当、治療を続ける魔女がいるんだけど
左目は見えていない
肉片が眼球に癒着し・・ 剥がれない
それでも右目は健全になった
なかなか開らけなかった目を、今は大きく見開いて私を見つめる
魔女が部屋のドアを開けると小さな体で駆け寄り
一緒の時は魔女にぴたりと寄り添い、じっと見上げる《たぬたぬ》を見ていて
いつしかその姿が《ライガー》と被っているのに気づいた
《ライガー》は僅か4歳でニャバーランドに旅立ってしまった
そのうちの3年以上を病と闘って暮らした子だ
心の優しい穏やかな子で、『みまもりたい・隊長』 として新しくやってく来た子たちの心を柔らかくした
こちらは今の《たぬたぬ》と同じくらいの月齢だった頃の《ライガー》
その猫生の多くをを闘病生活に費やし
自分が辛い生活を送る中でも新参猫の心を癒し続けてくれた子
《ふうた》との約束
《ふぁふぁ》との絆
日々が辛かったため、その後半は写真が少ないが
《ライガー》にはたくさんの思い出がある
私はこの子を想う時
自分の最期を思う
辛く苦しい病で最期の時を迎えるとしたなら
私は間違いなくこの子の頑張りを思い出す
そうして耐えると思う
《ライガー》は耐えて耐えて耐え続けた
そんな中でもなお、みんなに優しさを与え続けた
だから私は、《ライガー》を想って辛さに耐える
あの子は私にその勇気をくれた
《たぬたぬ》の目が治ったら養子先を探すつもりだったけど・・
《たぬたぬ》を魔女家の家族にします
失明は関係ない
魔女は《たぬたぬ》を《ライガーくん》の生まれ変わりと思って
これから楽しい日々を共に送りたい
《ライガー》に送らせてやりたかった楽しく愉快な日々を