祈ってください | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

昨夕猫捨てオヤジの家に子猫を引き取りに行った

 

埃が染みついたボロボロで変形した布製のキャリーを渡された

あまりの軽さに驚く

空なのではないか? と疑ったくらいだ

 

オヤジ 「この猫どうするの?」

 

魔女 「里親を探します」

 

オヤジ 「見つからなかったらどうするの?」

 

魔女 「うちで暮らしてもらいます」

 

オヤジ 「それじゃ・・ 悪いな」

 

 

こんな奴でも仔猫の心配をしているのかと思いきや

 

 

オヤジ 「やっぱ処分しようか」

 

魔女 「処分ってなに」

 

オヤジ 「どこかに捨てて来た方がいいんじゃ・・」

 

魔女 「何ってんだ!」

 

オヤジ 「だけどよ」

 

魔女 「だけどじゃない! 命だぞ!!  ましてやこの小ささじゃ捨てられたら生きていけないだろう!」

 

オヤジ 「うちの近くで産むからいけねえんだ」

 

魔女 「どこで産まれようが知ったこっちゃない!  よくもそういう事が言えるな!!  地獄に落ちろ!」

 

 

気が済まないので散々言ってやったけど

頭狂ってるぞこいつ

何を言っても無意味だ

 

 

家に帰って見たら、なぜそんなものにくるまれてるのかわからないけど

丸められた硬いプラスティックの中に小さな仔猫の目が見える

 

あまりに小さいので、それに合わせたゲージを持ち出して魔女の部屋に広げる

 

体重450g、生後1ヵ月の仔猫

黒い体でお腹のところが少しだけ白い

 

 

仔猫をゲージに収め

ぐちゃぐちゃの汚れたキャリーを返しに出向く

 

その途中で

私は道に倒れている猫さんをみつけた・・

 

その子は車に跳ねられ   道に横たわってた

駆け寄ると口から血を流し、動けないでいたが・・   生きていた

 

そっと身体を触り、声を掛ける

倒れた猫は人を恐れて体をよじる

 

魔女はよれよれのキャリーにその子を入れる

口から血を流しながらも、猫は嫌がる素振りを見せるもそれ以上抗えることさえできない

 

どうにか体をキャリーに収め、家に戻る

 

そうして今度は大きめのゲージを広げ、タオルを敷いて事故の猫をキャリーごと入れた

触られるのを嫌がるので、引っ張り出すことが躊躇われ、キャリーの入り口を開け、そのままにしておいた

 

 

つい先ほど子猫を連れてその道を通った時は何事もなかった

この子は事故に遭ったばかりだ

 

荒く、苦し気で早い息を唸るように吐きながら横たわる猫を

これ以上動かせないのは明白で

車に乗せたら必死で暴れるだろう

だから病院へ連れて行くのを止めた

 

最悪の場合でも

いや、その場合は尚更、これ以上恐ろしい思いはさせられないと私は思った

 

事故に遭って苦しむ猫と仔猫を一緒にはしておけず

仔猫をリビングに移す

 

少しでも落ち着かせるのと寒さを軽減するために、事故に遭った猫のゲージには私の毛布とベッドカバーを掛けた

 

そうして度々様子を見に行くことはしないようにした

 

 

昨夜魔女は眠っていない

一晩中ひたすら祈った

 

祈りなんて無駄なこと、もうするものか! とこれまで何度思ったことか

 

それでもまた祈っている自分がいて

ただただ夜空に向かって

 

あの子が死んだりしませんように

 

何度もそう呟いて

両の手の色が白くなるほど強く握り合わせて祈る

 

《うっか》の時のことが頭を過った

しかし今回はそれよりもずっと酷い状態だ

 

祈るしかない自分が無能なバカに思える

 

 

シンとした部屋の中にいると、事故の子の苦しみを思うだけでなにも出来ない自分が不甲斐なくて心があまりに辛くなる

 

 

それで仔猫をゲージから出し、ミルクを飲ませ

その後、仔猫を自由にさせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不思議なことに、この小さな子猫は母親の探し鳴きをまったくしなかった

 

小さな体でよっちよっちと部屋の中を歩き回り

身体を撫でるとお腹を出し、ごろごろと喉を鳴らして遊び

その後はどこからどうしてそこに入ったのか、《78》の籠ベッドで眠っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

途中眠りから覚め、鳴き始めた

しかし母親を呼ぶ鳴き方ではない

 

仔猫はずっと鳴いていて、籠ベッドから降りて来て魔女の体によじ登って鳴き続けた

 

ひょっとしてトイレか・・

魔女家のトイレは衣装ケースなので高さがあり、当然仔猫は入れない

小さなものは部屋の隅に仔猫用ゲージに入っている

 

近くの衣装ケーストイレに入れると、仔猫は大急ぎで砂を掘り、おしっことをし、それが終わるとすぐさまう〇ちをした

 

終わると丁寧に砂を掛け、丁寧過ぎて終わりが見えないので仔猫を抱え出した

 

それにしても   ・・よく我慢したものだ

 

トイレが終わると、仔猫は魔女の隣に置かれた箱に入って再び眠った

 

 

今朝の仔猫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝、事故の猫はキャリーから出ていて

荒い息を治め、通常の息遣いで今も横たわり続けている

 

・・そっとしておく

 

 

 

どうか一緒に祈ってください