のらねこ物語 ~ 草むらの仔猫 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

昨日の続きね

 

魔女が鳴き続ける仔猫の側まで行った時

そこから飛び出して来たのは仔猫の母親ではなく、《マミーエプロン》だった

 

仔猫は無情に放ったらかされているわけではない、ということを知った魔女は

その場からそっと立ち去ることにした

生後10日の仔猫は草の奥にいて、どのような子かは敢えて確認しなかった

 

そうして私は後退りをして草むらから抜け

いつものベンチに戻って行って、様子を見ることにした

 

 

魔女の目の前には《ドナ》が寝そべってふざけている

乳が張っているのを確認はしたけれど

 

魔女が草むらの赤ちゃんに近づいているのを知っているのに

《ドナ》は慌てる様子も見せず、そこでごろごろしていた

 

 

やはりあの赤ちゃんは《ドナ》の子ではない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仔猫の天敵はカラスだが

この1ヶ月、カラスたちは姿を見せなくなっている

 

魔女とカラスたちとの関係がギクシャクしたことが発端だ

 

ある日、ひとりのカラスが猫の食器を盗み、それを咥えて造成中の工事現場の高い盛り土の上に置いた

工事関係者が多かったので魔女は取りに行ないままで

その翌日はふたりのカラスがそれぞれ食器を盗み、トイレの屋根の上に置いて中身を食べ、そのままにした

魔女はカラスたちに食器を返せと迫った

でないともうご飯はあげない、と宣告した

 

それでカラスたちの間で大喧嘩が始まり、カラス同士で険悪になった

 

その後、カラスたちはここに来なくなり

トイレの屋根の上の食器は私が回収した

 

 

 

 

ここで気になるのはかーくんでしょ

かーくん、こんなことがある前に

魔女の家について来ちゃったの

 

それでテラスでギャーギャー鳴いて

以来昼間は毎日魔女家周辺におる

 

 

そんなこんなで、それまでは猫のご飯を狙うカラスが常に数十羽はいたこの公園

今は一羽もやってきません

 

 

 

しかし昨日

カラスの姿を見なくなった公園に

一羽のカラスがやって来て、私の心を不安にした

カラスの気を逸らそうと餌を置いてみたのだが、1、2回突いただけで食べない

 

カラスは草むらを気にした

何回か空を舞い、また降りて草むらの近くの平たい場所に舞い降りる

 

 

立ち上がる魔女

 

だか、それと同時に立ち上がったのが《ドナ》だった

カラスのいる崖に飛び乗り

小さな体でカラスを目掛けて突き進み、追い払う

 

そうしてそのまま仔猫がる場所に向かう姿が草の間から見え隠れする

 

仔猫がいる場所に到着し

《ドナ》はそのまま出てこなかった

 

乳をやりながら子供と一緒に寝ているようだ

やはり《ドナ》の子だった・・

 

 

もう少し様子を見ていよう

 

そうこうしているうちにお昼になってしまった

私は少し離れたところにあるコンビニに行っておにぎりを買い

それを食べながら草むらに目を凝らしていると

日曜ということで親子連れなどがやって来た

 

台湾か中国の、幼い子を連れた家族はとても静かで猫たちを見る目が優しかった

特にお父さんは魔女の膝の上の《オダギリくん》を遠くから心配そうに見詰めていた

 

 

3人の子供を連れたロシア人の母子

母親は《オダギリくん》に冷たい視線を投げ

3人の子供は大変うるさかった

 

犬の散歩の人たちも行き来し

膝の上の《オダギリくん》以外、猫たちはだれもいなくなってしまった

 

やっと腰を上げる魔女

いったい何時間公園にいたんだろう

 

 

 

母親が乳を飲ませているし

《マミーエプロン》が側にいてくれる

それでいいのだ

私が手を出すのはいけないことだとわかっていても

 

外での子育てに

ましてや草むらでの子育てに不安は募る

 

折しも今夜から大雨との予報

雨が降りだす前に感づいて移動してくれればいいのだが

 

《ドナ》、 《マミーエプロン》に助けてもらってどうか赤ちゃんを雨の当たらぬところに連れて行ってちょうだい

 

今、魔女の心は仔猫のことが心配でたまりません