シャクラの物語 Ⅱ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

地上に降り立ったシャクラが待っていたのはまじょという者でした

 

 

しかし、待ちに待ったまじょは、そこにいる猫の誰かの子だと思い

後を追って来たシャクラを猫たちの中に置いて行ってしまいます

 

 

 

シャクラはたくさんの猫に囲まれどうしたら良いかわからず、じっとしていました

 

そのうち猫たちは顔を近づけてシャクラの匂いを嗅ぎ始めました

シャクラはただじっとして匂いを嗅がれておりました

 

匂いを嗅いだ猫たちは口々に呟きます

 

 

「このこ ねこじゃないわよ・・」

 

「ねこにみえるけど・・ いったいなんなのかしら」

 

「なんだか きみがわるいわ」

 

 

「ねえ、いきましょうよ」

 

「そうね」

 

 

女の猫たちはそんなことを言って立ち去り始めました

 

最後まで残っていた《たんぽぽ》と《ふぁふぁ》、それに《ひまわり》と《ひまわり》の小さな子供たちが、戸惑いを隠せない様子で何度も振り返りながらその後に続きます

 

シャクラはよちよちと、そして遠慮がちに後を追いますが

猫たちはそんなシャクラを見ると足早になり、逃げるように行ってしまいました

 

 

 

シャクラは暗がりに立ち止まり、立ち去る彼らを目で追います

 

 

 

 

地上で生きるには寝なければなりません

食べなければなりません

 

猫としての本能も持ち合わせないシャクラには

この地上には戸惑い以外には何もなく・・

 

 

そのうち空腹が襲ってきました

しかし、化身のシャクラはそれを凌ぐ術も知りません

 

 

その夜は草むらの隅っこで眠りました

 

 

 

 

 

辺りが明るくなって

シャクラは目を覚まします

 

自分を囲む草に残る朝露が目に入り

それに口をつけてみるのですが・・ 

飲み方さえもわかりません

 

朝露はシャクラの口のまわりを濡らすだけにとどまりました

 

 

シャクラは地上に降り立つと間もなくまじょに抱き上げられるつもりでおりましたから

こういった状況に戸惑い、不安は募るばかりとなります

 

 

お腹が減った・・

 

シャクラは起き上がってどこに向かうともなく歩き出しました

 

 

途中で猫に会い、そちらに行こうとすると

 

「だめ!」  と言われてしまいました

 

慌てて違う方向に歩き出すシャクラ

 

 

何度もそんなことを繰り返しているうちに

シャクラは自分が最初に目指した場所さえもわからなくなっていました

 

 

自分はどこにいるのか

減ったお腹をどうしたらいいのか

いったい何のためにここに来たのか

 

地上はシャクラが思い描いた場所ではなかったようです

シャクラは深い不安と戸惑いの中に身を置き

 

 

そんな中でも、なんとか水を見つけてはそれに口をつけることで命を繋いでおりました

 

 

 

 

そうして数日が過ぎ

ある人がまじょに伝えます

 

白っぽい、小さな仔猫がぼろぼろになって彷徨っているのを見た、と

 

それを聞いたまじょはあの時の仔猫に違いないと察し

直ぐに家を飛び出して探しに出ます

 

 

知らせた人が見たという場所をくまなく探し、先日遭った辺りも探し、さらにその周囲も探しましたが仔猫を見つけることはできませんでした

 

 

それからも、昼夜猫さんたちのご飯の行き帰りも探していましたが、やはり仔猫は見つけることができずにおりました

 

 

その頃、シャクラはまったく違う場所をよたよたと彷徨っていたのです