《インドラ》が 亡くなりました
金曜に、閉ざされているはずの家から
《インドラ》は忽然と消えた
家中探してもどこにもいなくて
私は何度も外を探し回った
夜も、深夜も《インドラ》の名を呼んで丘の向うまで探した
その夜は
《インドラ》のノックの音を待ちながら
リビングのドアの側で過ごした
朝になっても《インドラ》は帰らず
不安が喉を突き上げる
この朝、何故か勘違いをした魔女は
仕事前に、本当は来週からなのに、今日から使うと思い込んで教材を取りに画材屋に向かおうとして車のシートをめくった
車の下に・・
《インドラ》がいた
お気に入りの場所に
《インドラ》は眠るように横たわっていた
真空状態になった頭で
必死に抱きかかえる
《インドラ》はいつもと変わらない美しい姿のまま
アクアマリンのような美しい瞳で私を見詰めていた
《インドラ》に向かって何を言ったのか
私はもう覚えていない
たぶん抱きしめながら
いやだ! うそだ! と
そればかりを言っていたと思う
私を見詰める瞳が哀しいほど美しくて
あまりにも辛くなり、瞼に指をかけた
その時
《インドラ》の目から大粒の涙が零れて・・
私は正気を失いそうになった
《インドラ》は真新しい傷などひとつもなく
一箇所の汚れもなく
苦しんだ表情も全くなく
いつもの《インドラ》のままで
そのまま抱きしめ続ければ
また柔らかな鼻息が聞こえ
ごろごろと喉を鳴らし始める
この冷たい体を温め続ければ
きっと《インドラ》は戻って来る
だけど《インドラ》は、何時間抱き続けても温かくなってくれなくて・・
昨夜は和室に布団を敷き
それにくっつけて設えた小さな蒲団に《インドラ》を寝かせ
《インドラ》を抱えて眠った
眠ることなど到底出来まいと思ったけれど
泣き疲れて、この悪夢から逃避するように眠っていた
これはすべて悪い夢で、こんなブログを書いているのも実は夢で
朝になって目を覚まし、リビングのドアを開ければいつものように《インドラ》が走ってきて
「魔女、おはよう!」 って・・
でも今日になっても夢は覚めてなくて・・
まじょねこ日記、暫く休みます