それは突然の叫びから始まった | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

《インドラ》

 

 

 

「飽きた!」

 

 

かん高い声が部屋中に響き渡って

朝ご飯を食べていた僕らは一斉に顔を上げた

 

 

「飽きたあ~!!」

 

 

《ユリぼうず》はもっかいそう叫ぶと

手でもって目の前のご飯台をひっくり返した

 

 

これはまさに人間の世界だと 『ちゃぶだいがえし』 だ!

 

 

僕たちも魔女もびっくりして、写真のように動かなくなった

 

 

ひっくりかえったご飯台とご飯をまき散らして裏返しになったお茶碗の前で

《ユリぼうず》は怒った顔をして座っていて

それから、どん! って座り込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕たちは目をいっぱいに開いてそんな《ユリぼうず》を見詰めてた

 

 

 

そんな中

ひとりの猫が動き出した

 

《チャンドラ》だ

 

《チャンドラ》は腰を低くして、そおっと《ユリぼうず》の方に向かって行く

 

それでどうするのかと思ったら・・

《ユリぼうず》の顔をうかがいながら、ばらまかれたカリカリを食べ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがまじょねこ軍団きってのデブだな

みんなもぜったいそう思ったに違いない

 

 

 

僕がここに来た前から(7年間ね)食べ続けたカリカリを

《ユリぼうず》は今朝突然 飽きた

 

夕べまで魔女の後を追い掛け回しては 「ご飯ちょうだい!」 「ご飯ちょうだい!」 ってわめいてたのに・・

 

 

いつも、食べ終わって じきにまた 「ご飯!」 って言うから

魔女はボケた、って言ってたけど

「飽きた!」  って言うからにはボケてないのかぁ・・ って思い始めて 

みなさん、こんわくです

 

 

 

《ユリぼうず》はバイトを欠席する病気で

 

 

はい?

 

・・何の病気だって?

 

 

バイトを欠席する病気・・

 

 

・・ ・・ あ、あぁ   

日記、続けて

 

 

 

それでぼーこーっていうところに石ができちゃうからお医者様のご飯しかたべられないの

だけど、そのご飯はすごくお高いらしく

 

どのくらいお高いかって言うと

《ユリぼうず》のちっちゃなカリカリご飯袋ひとつで

魔女が今食べてるおっきなお米の袋ふたつぶんのお値段なんだって

 

 

僕、前に魔女がそやってぶつぶつ言ってたの聞いたもん

 

 

魔女はお米をずっと

ずっと・・ 

 

魔女~! もう何万年も食べてんだよね

 

・・そうね

 

 

魔女はそんなに食べてるのに「飽きた」なんて言わないのにさぁ

《ユリぼうず》ったら7年で飽きるなんて

いけないな~

 

 

僕 「魔女、《ユリぼうず》、これからどうするの?」

 

魔女 「言い出したら聞かない子だから、もう食べないんじゃない」

 

僕 「それはよくないよ」

 

魔女 「いいのよ、めちゃくちゃ太ってるんだから」

 

 

 

でも、いくら太ってたってお腹は空くよねぇ

 

 

 

チャンドラ 「残った《ユリぼうず》ご飯はどうなるの?」

 

魔女 「困ったわ・・」

 

チャンドラ 「《ちゃん》が食べてあげましょか」

 

魔女 「却下!」

 

チャンドラ 「どしてきゃっきゃなの! もったいないじゃん」

 

魔女 「あなた前に自分のこと、「《ちゃんどら》の《ちゃん》はちゃんとしてるの《ちゃん》」だって言ってたわよね」

 

チャンドラ 「そうですよ」

 

魔女 「今じゃなんて言われてるか知ってる?」

 

チャンドラ 「いまじゃなんて?」

 

魔女 「おでぶちゃんの《ちゃん》」

 

チャンドラ 「・・」

 

 

 

なんかゴタつてきたな

 

 

 

                       これからどうなるんだろ・・