~ とらたんの夜 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

住宅部東にはカラスが多い

カラスのねぐらである森がすぐそばにあって

食べ物の少ない冬、カラスたちはこの住宅地に集まってゴミを漁ったり

猫さんたちが貰うご飯を横取りしようと狙う

 

以前にここにいたボスは、始終ご飯を巡ってカラスと戦っていたので酷い生傷が絶えなかった

《とらたん》もご飯の最中に尻尾を突かれたりと、猫たちは常に嫌がらせを受けていたし、今も受けている

 

それだから子猫たちは決して昼間はこのあたりをうろつかない

《こだくさん》や母親に厳しく言われているからだ

 

遊びたい盛りの子猫たちは、カラスが巣に帰った夜になるとやっと隠れ家から出てきてはしゃぎまわる

 

 

そんな生活をしてきたせいで

《とらたん》は昼間はゲージの中から出ない

 

 

いや、一度テラスに出たことがあるのだが

 

その時、そこでは《チャンドラ》が 「ちっち ちっち」 と口を鳴らし

プランターの裏に隠れている《インドラ》がそれによっておびき寄せられたカラスを狙うというアホな遊びに興じており

 

案の定、近くの電線から手すりに飛び移ったカラスのあまりの大きさと嘴の厳つさに仰天するというバカらしい現実を目の当たりにし

以来《とらたん》はテラスにも出なくなっていた

 

 

だけど、夜になるとゲージから出てきて・・

 

ゲージのすぐ傍にある男子専用猫布団にて

 

 

とらたん (・・ ・・)

 

 

 

 

とらたん (・・ ・・)

 

 

 

 

とらたん (おかあちゃん・・?

 

 

 

 

とらたん (におい してみよ・・)

 

 

 

 

とらたん (・・ ・・)

 

 

 

 

とらたん (ちょっと くっついて みよ・・)

 

 

 

 

とらたん (はんたい むいて もっと くっついて みよ)

 

 

 

 

とらたん (だいじょうぶそうだから ふつうに くっついて みよ)

 

 

 

 

とらたん (おかあちゃん・・ むにゃむにゃ・・)

 

                   ユリぼうず 「ん? おかあちゃんですと?」

 

 

 

 

 

ユリぼうず 「はいはい、お母ちゃんですよ」

 

とらたん (お、おかあちゃん・・)

 

 

 

 

ユリぼうず 「お母ちゃんが舐めてあげましょね~ べろべろべろ~」

 

とらたん (わあ・・)

 

 

 

 

とらたん幸せそうに寝ちゃったね

 

 

 

 

・・でもどういう訳か、最後はこうなるんですけどね