スレス氏宅にて ~しょっぱさの原因が判明!~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

目覚めるとやはりスレス宅だった

 

タイムスリップできなかった

嫌な気分でだらだらとベッドから出る

 

ここはどの階にもバスルームがある

自分の部屋の階の洗面所で顔を洗うも・・ なんもスッキリしない

 

2つ上の階のキッチンを覗くと

テーブルの上に蝿帳を被せられたピーマンの肉詰めが目に入り

 

もうやだ・・

 

 

キッチン横のテラスに出て

お隣の家の壁に住むふくろうさんを呼ぶ

 

顔を出してくれたふくろうさんにぐちぐちと愚痴る魔女

 

ふくろうさんたち、首を捻っているよ

 

 

 

ふくろうさん (・・ ・・)

 

 

 

ふくろうさん (なんだか たいへんそうだね・・)

 

 

 

ふくろうさん 「まじょ もう わすれちゃいなよ」

 

 

 

 

そうこうするうちにスレス氏が起きてきた

 

 

スレス氏 「魔女さん、おはようございます  昨夜は良く眠れましたか?」

 

魔女 「ベッドは最高だったけど、ピーマンお化けの夢を見て・・」

 

スレス氏 「あらまあ、魔女さん大丈夫ですよ! 僕はまた朝ごはんに食べますからね」

 

魔女 「食べちゃダメ!  血圧高いんでしょ、絶対食べちゃダメ!!」

 

スレス氏 「たくさんのご飯と一緒に食べますから」

 

魔女 「いけません!!」

 

 

それでもスレス氏は白飯と一緒に恐ろしくしょっぱいピーマンの肉詰めを1個食べ

魔女にはオムレツを作ってくれ、食パンと共に出してくれた

 

 

この日もやってきたお兄さんと魔女はふざけた会話をし

その後は1階にあるスレス氏のお姉さんがやっていたマタニティーショップの店番をしながらスレス氏とおしゃべり

 

遅めの午後に店を閉め、パタン散策に出かけることになった

 

出かける支度をしに戻ったスレス氏が

 

「魔女さん、挽肉がしょっぱい訳がわかったよ!」  と言いながら戻ってきた

 

 

なぜにあれほどしょっぱかったというと・・

 

冷凍のひき肉を解凍したお手伝いの男の子いたでしょ

 

 

彼、解凍が終わった挽肉に、気を利かせて味付したんだと!!

 

 

 

ネパールの味付って、やたらしょっぱいの

 

少しのおかずでたくさんのご飯を食べられるように、ってことなんだけど

 

どおりでマサラ味もしてたと思ったよ

 

挙句、それを知らない魔女がさらに味付したものだからそりゃ恐ろしくしょっぱくもなるわ

 

 

 

もうっ!!  悩み損じゃないかーーー!!

 

 

 

ほっとしたような、悩み疲れたような心を抱えてパタンの街にくりだす

 

 

街を眺め

スレス氏の友人や知り合いと話をし

カフェでお茶を飲み

石畳の路地を歩く

 

 

夕闇が迫って来た

夕食はローカルなインド料理屋でカリー、チーズナン、タンドリーチキンなどをご馳走してくれた

 

食事を終えて外に出ると、辺りはすっかり暗くなっていて

腹ごなしにダルバールスクエアに足を向ける

 

パタンのダルバールスクエアもまた、ネパール大震災の被害は激しく

多くの世界遺産が倒壊、または半倒壊している

 

 

ここで目に留まったのが・・

 

 

この単管 

 

 

 

ネパールでよく見かける足場は竹を組んだもの

 

最近では単管足場の建築現場も見られるようになったが

ジョイントを使ったこの単管の組み方には見覚えがあった

 

 

 

この組み方はネパールでは有り得ない

 

 

 

そう思って眺めていて

 

下の柵に目を落とすと

 

 

 

なるほどですね

 

 

                  日本のみなさまありがとうございます

 

  

                    ネパール政府は無能だからね

 

 

 

 

帰宅後、スレス氏がタブラ アンド バヤンを奏でてくれた

 

世界で最も難しい、そして最も多くの音色を出す魔法の打楽器、と言われる通称タブラ

 

 

 

左が高音のタブラ

シーシャムウッド(シダン)の木ををくり抜いて作られます

ボディ周囲にある皮の紐に挟まった木を小槌で叩いて調律します

 

右は重低音を出す真鍮製のバヤン

叩いたり、手の腹で擦ったりして非常に不思議な音を出します

 

このふたつを同時に演奏します

 

 

 

 

            大切な家族に思いを馳せて・・  タブラ&バヤンを叩くスレス氏

 

 

 

 

 

Tabla&Bayan

魔女家にもありますよ

 

 

 

 

 

因みに、マチンドラのダッドはタブラ奏者

毎朝、マチンドラで素晴らしい演奏を聴かせ続けてくれていたが

ネパール大震災で演奏のためのお堂が崩れてしまい

今はタブラがリードする宗教音楽・バジャン演奏は中止されている

 

 

 

崩れる前のお堂でタブラを叩くダッド

 

 

 

魔女は常に《バブー》と一緒にバジャンを聴いていた

 

                今はもう、最愛の《バブー》はいないし・・ お堂もないんだ