カトマンズ盆地のはずれ、パタンの向うにブングマティという長閑な村がある
昔私がこれほど忙しくなかった時分には、ブングマティからその隣のコカナという村を度々訪れたものだ
最近になってネパール政府はその村の震災被害状況を詳らかにした
そんなものはとっくに一部ネットで流れていたじゃないか
ブングマティは大変古い村で、家屋はネワール様式のものが多かった
昨年4月の台震災で、村の家屋の殆どが倒壊した
そして今も手付かずのまま、人も家屋も放置されている
ビニールテントは風が吹けば飛ばされ、雨が降れば床は浸水する
村人の幾人かはトタンで小さな小屋を作った
しかしそれは冬には恐ろしく寒く、そして夏は恐ろしく暑い
4月になるとカトマンズの気温は一気に上昇する
雨季前の4月、5月は一年中で最も暑い季節に入るのだ
あれから1年が経とうというのに
ネパール政府は諸外国からの支援金を丸抱えしたまま、一切の被災者援助を行わないまま今日に至っている
当初ネパール政府は2015年9月に被災者救済に着手する、と発表したが、憲法関連のゴタゴタからそれはおざなりにされて時は経過した
先日、日本の新聞社のインタビューに応えたネパール復興庁のスシル・ゲワリ長官は
住宅再建支援金を1週間以内に支給する、と述べ、本格的な支援を始める考えを明らかにしたが
果たして実行されるのだろうか
遅すぎる支援
この間、被災者はどんな思いで暮らし続けてきたことか
そんなさ中の昨年9月
インドがネパールが制定した新憲法が気に入らないとして制裁を実行した
それについてはこれまでも書いた通り、インド経由の輸入をストップしたことだ
山岳の農業国ネパールはその生活必需品の殆どを輸入に頼っている
隣接国はインドと中国しかなく、中国側にはヒマラヤがあるため、輸入はインドからが殆どだ
ガソリン、LPガスを始めとする輸入品がインド国境で止められる
これによって貧富の差が顕著になった感がある
金持ちは闇で高額なそれらを買い、車に乗り、調理には事欠かず
貧しい人たちはひたすら耐えるという・・
いまだ続くインドからのいわれなき制裁に
人々は薪で食事の煮炊きをするなど、不便この上ない生活を強いられている
さすがのラクスマンもレストラン経営に悲鳴をあげ始めた
ネパール国民を窮地に追いやるインド政府の汚いやり方には憤りを覚える
それでも人々は踏ん張る
優しさの中で
どんな試練が待ち受けていようと
神を、仏を信じ
(覚えてますか? なになにおじさん・・ 嘘( ´艸`) ニルカジおじさんですよ)
笑顔を絶やさず
くよくよせず
人々は生きる
愚痴を言いつつ逞しく生きる
この二重苦の中を踏ん張って生きる
忍の一字
けぇがるねぇ
耐えることには慣れてるものね