公園物語 ~ 救出後の《サンボ》~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


何らかの事情で側溝に奥まで入り込み

そこで迷ったり、出口を見失って出られなくなり、命を失う猫は少なくない



《サンボ》が地下に潜んでいる3日間の間には

公園にいろんな人が来て、広場で運動をしたり、ベンチで昼食を摂ったり、仕事の合間の休息をここで過ごしたり、またウォーキングや犬の散歩をしたりしていたはずだ



そんないくつもの足音を地下で聴きながら、《サンボ》は警戒心からじっと息を殺していたのだろう


けど《サンボ》はそれらの足音の中から魔女の足音(歩き方)を聞き分けた

聞き分けて自分の状況を鳴いて知らせた



そこのところは《サンボ》は偉かった


が、魔女が3日間公園に行かなかったために

《サンボ》はその間を地下から出られなかったわけで・・




貯水槽から救出され、濡れた体を拭いてもらった《サンボ》は



                わああ~~い!



                やったあ~~!!



こうして散々じったんばったんを繰り返したあと


「どうしてあんなところにいたの?」 と質問する魔女に


「わかんない・・」 と答えた



それから《サンボ》は何かを思い出すように側溝をじっと覗き込んだ




            サンボ 「あたし こゆとこ いたと おもう」


            魔女 (それはわかってるのね)


                                救出した場所はこことは違うけど・・



それからみんなでいつもの場所に移動した


       

           奥のご飯バッグを覗き込むサンボ 「おなかすいた・・」


           ちずのすけ 「まじょ 《さんぼ》が めしだってよ」


           つんでれ 「《さんぼ》の ごはん ある?」


           すがりつきにぃ 「ある?」


           魔女 「あるわよ」



ご飯をがっつく《サンボ》を取り囲んだ公園の仲間

彼らは穏やかな顔で食事中の《サンボ》を見詰めていた



           食事の後はやっとみんなでまっくり、ってか、ぐったり・・




       

                   《サンボ》、ぼんやり ・・    疲れちゃったね



             つんでれ 「ぼくも つかれちゃったよ・・」



            すがりつきにぃ 「《さんぼ》、よかったね」



           ちずのすけ 「もう やめてくれよな こういうの」



                《サンボ》 いつの間にか眠っちゃったよ・・



空を見上げると、こんな雲が



        

            《サンボちゃん》、良かったねークラッカー って感じの雲




その日から



       

                  《サンボちゃん》は毎日



            バッグの見張り番をしてくれるようになった




それまでは仲間と同じ安い缶詰には見向きもしなかったのに

どういう心境の変化か・・ あれ以来みんなと同じご飯を食べている



その後、どこから聞きつけたのか (多分夕食係のお兄さんからだと思うが)

猫関係の協力者の方々から 『助けてくださって ありがとうございます!』 のメッセージが届く


この 『ありがとうございます』 の言葉の前には、《サンボちゃん》の他に 『《くまちゃん》、《ころころちゃん》、《ちびちゃん》』 などの各自の呼び方が付いていたのが微笑ましかった 


また、来園者の方々の中にもお礼を言ってくださる人もあって・・



だから《サンボちゃん》・・ 


イザという時のために、もっとたくさんの足音を覚えましょうね