さすがの魔女も怖かった夜のお話 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


その前に・・


残酷系が嫌な人は読まないで下さい




それは2日前の深夜のこと


「まあひょ~!」


「まああひょ~!!」


「まあああひょおおお~~~!!!」



廊下から聴こえる《アゾ》の声


あの声は・・


あの場合の声だ


やだな・・ 

と思いながらドアを開け、廊下に出ると


薄暗い階段の角に立つ《アゾ》の姿が


魔女が近づくと、《アゾ》はそのまま階段を降りて1階のトイレ前に私を誘導する


そこで階下の電気をつけて見たら・・




                アゾ 「どやっ!!」



・・・

私、なにをどう言えばいい?


そんなに自慢されて・・

褒めればいい?




              ネズミさんはもうこと切れていて



魔女に出来ることといえば


ただ、拝むしかない


「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、どうか往生してください


アゾ 「そ、そでは なに? 《あじょ》を ほめとるの?」


魔女 「・・まぁ」


アゾ 「ほ、ほめると ええよ」


魔女 「はい」


アゾ 「えっへん!」


魔女 「・・」



そうして《アゾ》は散々ネズミさんを魔女に見せびらかして・・



アゾ 「そででは いただきます!」




                  がぶっ!!



魔女 「ひえーー!!」



魔女はそのまま2階に駆け上がったさ


見ておれんもの



30分くらいして

雑巾を持ってまた行ったよ  現場に


そして驚いた


現場は前と同じ

全く汚れていなかった



そこで食べたのは間違いない


「いただきます!」 と言って確かに食べ始めたし

音が聞こえていたもの


しっぽとか・・ 耳とか・・ 血とか・・ なんかとか・・ 

残ってると覚悟して行ったのに


そこには、血の一滴も毛の1本も落ちてはいなかった


猫は・・

小動物を食べる時はとっても美しく食べるものらしい



それから1時間ほどして

眠くなった魔女は寝室に行った


すると直ぐに


「あけまっせい!!」



ドアを開けると、当然の如く《アゾ》が入って来て

いつものように魔女のベッドに飛び乗る


魔女が布団に潜り込むと

《アゾ》もいつものように潜り込んでくる


そうして気が済むまで魔女の顔を舐めまわすのが日課・・


今日だけはその日課、やめて欲しい、と思ったが・・ 言い出せない


その理由を尋ねられても、上手く答えられないから


いつも通り、散々顔を舐めまわされ

ついでに鼻の頭も齧られ

さっきネズミさんを齧った歯で齧られ


したたかそうやって

《アゾ》はやっと気が済んだようで布団の上に戻って行った


だけど魔女は


《アゾ》が夜中に急に気分とか悪くなって、または腹がいっぱい過ぎて

吐いたらどうしようと思って


朝までろくに眠れなかった



寝不足でぼんやりした頭をかかえた翌朝



アゾ 「ふぁ~! よく ねたじょ!」


魔女 「・・あのさぁ ご飯あげてるんだから なにもネズミさん食べなくてもいいんじゃないかなぁ」


アゾ 「たっ、たっ、たわけ!!」


魔女 「なによ」


アゾ 「《あ、あじょ》が かけーのこと おもって ねじゅみとか すじゅめとか食べとるのに  この ばかものめがー!」


魔女 「す、すみませんあせる」  (ネズミさんだけでなく、スズメさんも食べてるのか・・)


アゾ 「《あじょ》はな むだごろしは しとらんよ! ころしてから たいしぇつに 食べとるもん!」


魔女 「は、はい、その通りでございます」



それで時々食事はいらない、と断る日があるんだ


ネズミさん、スズメさん、ごめんなさいね