《インドラ》とまじょの日記 Ⅱ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

               心配症の戦士見習い 汗



4月2日 夜  《インドラ》



魔女が家族①と話してるのを聞いて

ぼく、知ったんだ


明日が《チャンドラ》の手日だって 

それで・・


ジョン ブリアン 「《インドラ》ちょっと待って、 『手日』ってなに?」


インドラ 「・・しゅじつ」


ジョン ブリアン 「しゅじつ?」


インドラ 「病院に連れてかれて、置いてきぼりにされていやな思いをする日」


ジョン ブリアン 「あ・・ それなら 『しゅじゅつ』 でしょ」


インドラ 「手日じゃないの?」


ジョン ブリアン 「しゅじつ、じゃなくて しゅじゅつね、漢字ではもっと難しい字を書くんだよ、今度教えてあげる」


インドラ 「うん、ぼく、むつかしい字も覚える!」



明日は《チャンドラ》が しゅじゅ・・つ をします



ぼく 「《チャンドラ》、よく聞いてね、病院に行っても必ず帰って来られるから心配しないで」


チャンドラ 「びょーいん・・」


ぼく 「そう、前に行ったでしょ、チックンしに」


チャンドラ 「・・」


ぼく 「とにかくさ、病院では不安になるけど、一回寝たらまじょがむかえに行くからね」


チャンドラ 「びょーいん・・ ちらない」





ぼく 「まじょ・・ この子、病院を知らないって、どうする?」


魔女 「すっかり忘れちゃってるのよ、それなら知らないまま連れてった方がいいじゃない」



ぼくは うんと心配だったけど、そうかな・・ って思った



 

            手日、おっと間違えた 手術当日  ホテル



4月3日(木) 朝  《インドラ》



《チャンドラ》は まじょと家族①に だまされて バスケットに入れられました  (人聞きの悪い・・)


そうして、さらわれるように連れて行かれました 


ぼくは ドアのところまで追いかけて行きました


ドアが閉まった・・


ずっとさみしい日です





                    風太  ネコ


同日 午後  《魔女》




       

               風太 「まじょ こんにちは」


               魔女 「あら、《風太》、こんにちは」


               風太 「《インドラ》 いますか」


               魔女 「遊びに来たの?」


               風太 「はい」


魔女 「ごめん・・ 今日は《インドラ》、元気がなくて遊べないと思う」


風太 「びょうき?」


魔女 「違うの、《インドラ》の妹が病院に行っててね、それで《インドラ》は心配で元気がないのよ」


風太 「びょいん?」


魔女 「病院、っていってね、猫や犬や、他の動物の病気を治すところなの」


風太 「だれが なおすの? ねこ?」


魔女 「人間・・」


風太 「人間?! いもーとが そんなとこ いったら しんぱいで げんき なくすよ!」


魔女 「だけどいい人間だから心配ないのよ」


風太 「いいにんげん・・ ぼく・・  しらない」


魔女 「あら、私は?」


風太 「にんげんとちがう」


魔女 「・・」



《風太》はちょっと淋しそうにして帰りかけた


外に出て見送る魔女に

坂を登る前に振り返った《風太》は・・



風太 「ぼく もう いままでのとこ すまないから」 


魔女 「え・・ じゃあどこに住むの?!」 


風太 「ここらへん!」 



そういって再び向き直った《風太》の後姿を見て驚いた

《風太》・・ ガリガリじゃないか


坂道を登る《風太》を遠めに見たことはあるが

いつもは猫用出入り口から顔だけ見ていたから気づかなかった

《風太》の体は背骨が突き出るほど痩せていた


私は慌てて《風太》を呼び戻した



魔女 「《風太》、お腹減ってるんじゃない?」


風太 「・・」


魔女 「ご飯食べて行きなさい」


風太 「え・・」


魔女 「さあ、家に入って」



                    え・・ いえに はいるの?




       

                   はいって いいのかなぁ




       

                  お、おじゃま します・・



いつも遠慮がちな子で

なかなか家に入ろうとしない《風太》を無理に廊下に入れた


お茶碗にカリカリを山盛りんして《風太》に差し出すと

《風太》は驚いて後ずさりをした


いいから、食べなさい


魔女は《風太》の鼻先にご飯を押し付けた


「いいの・・?」 と《風太》は上目遣いで聞いた


「いっぱい食べてください」 と、更に勧めると

《風太》はご飯を食べ始めた


それは《かって》の食べ方とは大違いで一粒ずつを上品に食べるのだった


《かって》はがっついた犬のような感じでそこら中にカリカリをばら撒き散らす


《風太》の食器が空になると継ぎ足した

結局、《風太》は食器5杯を食べた



       


そんなにお腹が減ってたんだ・・

物欲しそうな態度を見せないからこれほどだとは思わなかった


《風太》からカニカマを貰った日の事を思い出した


こんなに痩せていて、お腹が減っていただろうに

《風太》にとってはとびっきりのご馳走を咥えて運んでくれた



《風太》、お引越しして来るんだね

《インドラ》のことが大好きなんだね

《風太》の初めてのお友だちなのかな