約束 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

《インドラ》


ぼくは今日、早起きをした


朝、お天気が良かったから 「あっ!」 って思って起きた


《名前がほしい子たん》、来るかな・・

来るかな・・


でも、その前にまじょが 起きて来ない

まじょが起きて来なきゃぼく、お外に行けない


お日さまはどんどん明るくなって

ぼくはどんどんいらいらした


思いっきりドアにとびついたけど・・ 開かないよね


お日さまがまどからいっぱい入って来るくらいの時間になって

やっとまじょが起きてきた


せきしながら起きてきた

まじょがせきしながらぼくらのトイレかたづけて

ぼくらにご飯を用意してるのみて


ぼくは まじょに 「いらいらしてごめんなさい」 ってあやまった


まじょは笑ってた


ぼくは急いで朝ごはんを食べて

そして早くお外に出して! って言った


みんなはまだご飯を食べてたけど

ぼくは まじょにドアを開けてもらって猫用出入り口からちゅう車場にとび出した


《名前がほしい子たん》・・ いない


ぼくは車の下で待つことにした

お天気がいいのに風が冷たいな



しばらくしたら《バブ》がやって来た


バブ 「《インドラ》、そこで何してるの?」


ぼく 「名前がほしい子たん》、待ってるの」


バブ 「ふ~ん・・ 私も一緒に待ってようか?」


ぼく 「ダメ」


バブ 「どうして・・」


ぼく 「だって、さい近の《バブ》は目つきが悪いから、《名前がほしい子たん》が来たらおどろいちゃうもん」


バブ 「・・あんた、結構失礼なこと言うよね」


《バブ》がちょっと鼻にしわをよせてぼくをにらんで、それからお化けやしきに入って行った




つぎに《アゾ》がやって来た


アゾ 「こっこっこ!」


ぼく 「にわとりさんのまね?」


アゾ 「こっこっこっんな とっころで 何をしておる! にわとり とは なんぞえ!!」


ぼく 「ぼくは・・」


アゾ 「えわんでええ!!」


ぼく 「・・」


アゾ 「しゅ、しゅぎょうで ごじゃろ?」


ぼく 「ぼくは ここで・・」


アゾ 「知っとる! わじゃと さむいところで たえる しゅぎょうなんじゃろうもん」


ぼく 「・・」


アゾ 「お、おぬし・・ とぼけた顔をしておるが、 あなどれんのう」



《アゾ》、そのまま しゅぎょうに行っちゃった・・




3時間限定お外猫凜 「《インドラ》、そこで何してるんですか?」


ぼく 「《りんたん》! 早くどこかに行ってよ!」


凜 「どうしてさ」


ぼく 「《りんたん》は すぐに誰かをいじめるから ここにいたら困るんだ」


凜 「失礼な! 私はただみんなと遊ぼうとしてるだけなのにみんなが勝手に嫌がるんじゃないですか!!」


ぼく 「とにかく どこかに行って!」


凜 「わかりました、《凜》はもう部屋に入ります!」


ぼく 「あれ? さっき外に出たばかりじゃない」


凜 「寒くてやってられません!」


《凜》は家に入って行った



・・お日さまはまだまだてっぺんじゃないな


その時とつぜん けんかの声がした

けんかの声はいつまでもしてて

ぼくのしっぽがでかくなってた


まじょが家に入りなさい、と呼びに来た

ぼくはいやだ、って言ったけど、ダメだって、お部屋につれて行かれた


けんかの声がなくなって しばらくたったから

ぼくはまじょに何回もお外に出たいと言い

まじょはしぶしぶみたいな感じでドアを開けた


ぼくはろうかにとび出し

猫用出入り口を目指すと・・



ぼく 「まじょ・・  まじょ~~!!」


魔女 「はい、なんですか?」


ぼく 「見て!」






猫用出入り口は《名前がほしい子たん》がこうしてのぞいているから

僕はうら口を開けてもらってお外に出た



ぼく 「こんにちは!」


名前がほしい子 「《いんどらくん》」


ぼく 「ぼくの名前、ちゃんとおぼえてくれたんだね!」


名前がほしい子 「うん」


ぼく 「ぼく、待ってた」


名前がほしい子 「ごめんね、 いっかいねたまえは あめだった・・」


ぼく 「知ってる、雨の時はお外の猫さんはじっとしてるんでしょ」


名前がほしい子 「うん、 いっかいねたまえのあめはさむかったから」


ぼく 「寒かったよね」


名前がほしい子 「あの・・ ぼくの なまえ・・」


ぼく 「待ってて、今まじょが まどのところに来るからね」



魔女 「こんにちは」


名前がほしい子 「ぼくの なまえ なんですか?」


インドラ 「どうどうとした方がいいよ!」


名前がほしい子  堂々!



魔女 「あなたの名前を決めました」




             魔女 「あなたの名前は《風太》です」



名前がほしい子 「《ふ~た》・・」


魔女 「そうです、風のように自由で、どっしりとした太い心で頑張って生きていってもらいたいので、そういう意味の《風太》にしました」


ぼく 「わあ! かっこいい!!」


風太 「かっこいい?」


ぼく 「うん!」


魔女 「《風太君》、気に入ってくれましたか?」


風太 「うん!」


魔女 「よかった」


風太 「《いんどらくん》みたいに ちゃんと なまえに わけもあるんだね」


魔女 「そうよ、 それにあまり長い名前だと覚えにくいし、自分でも言いにくいでしょ、だから・・」


風太 「ありがとう!」


魔女 「元々あなたが住んでるところはあの丘の向こうの方じゃない?」


風太 「そうです」


魔女 「あなたはまだ若い男の子だね・・ 良い雄猫になるのよ。 これから色んなことがあるだろうし、季節も巡って、暑い夏や、寒い冬が何回も繰り返すけど、どんなに辛いことがあっても、猫としての誇りを持って、賢く、強く生きて行ってください」


風太 「・・」



《風太たん》は帰って行った

どこに帰っていったのか、わかんないけど、どこかに帰って行った


《風太たん》が坂を登って行く時

ぼくとまじょとで 後ろから何回も 《風太~》! って呼んだ

《風太たん》は そのたびにふり返った


きっと 《風太たん》は

一歩一歩に合わせて、《ふうた》、《ふうた》、って頭の中で言いながら歩いてった気がする



僕 「まじょ、猫としてのほこり・・ってなあに?」


魔女 「外猫さんには特に必要なものだよ」


ぼく 「それは どういうもの?」


魔女 「頑張って生きていれば自然と身につくものだ」


ぼく 「ぼくにも?」


魔女 「そうだよ」


ぼく 「《風太たん》は また来るかな」


魔女 「さあね・・」



ぼくはまじょと一緒にお部屋に入った

そしてぼくは まじょのおひざに乗っかって 両手でまじょのうでをぎゅうっとした