混乱のジョムソン | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


前回はカグベニのホテルを出発するところまでだった


私たちはおもてなし上手だった《叫美ちゃん》に別れを告げ、ジープ乗り場に向かう

そこにはやはりジョムソンに向かう外国人たちが集まっていた



私はチケット売り場が開くまで、近くで遊んでいる子供たちの様子を眺めていた

学校が始まる前の時間を使って、4,5才の男子が3人、嬉々として遊んでいる


川の土手(崖)を滑り降りたり登ったりして危険を大いに楽しんでいる






そこへ赤ん坊を背負ったおじさんがやって来て、危険な遊びをしている子供たちを叱った

直ぐに家に戻れ、と怒っている


子供たちは鹿爪らしい顔を装って、それぞれの家があるらしき方向トボトボと歩き出す

しかし途中で電柱の影に隠れたり、建物の横に身を潜めたりしておじさんの様子を伺う


おじさんは彼らが帰ったと思い込み、去って行く

おじさんが行ってしまうとまた集まって危険な遊びに興じる


おじさんが戻って来た

前にも増して叱られる


それから子供たちは同じようにして散り、おじさんが行ってしまうと集まる


これは楽しそうだ



チケット売り場が開いて、乗り合いジープがやって来た

子供たちは学校に向かい、私たちはジープに乗り込む


後ろの席には若いガイドを連れたドイツ語圏のトレッカーたち数名がいた

客がガイドに尋ねている


「How much time to Jomson ?」


ガイドは暫く考えて (ガイドなのになぜ考える・・)


「5 minutes.. と答えた


それを聞いた家族①が思わず放った言葉が



「歩けるじゃん !!



・・まったくだ 



この外国人たち、車の中でバカのように歌いまくり、非常にうるさかった



ジープはガタガタ道を走り、カリガンタキの川を渡り

45分後、ジョムソンに着いた


ジープを降りるとラクちゃんが林檎を買い始めた

ラクちゃんの買い物は例え林檎といえど・・ 長い


それを横目に通り過ぎ、早歩きで歩いていると道端でひとりの女性に声を掛けられた



   ウェストポーチの口がだらりと開いているのがいかにも素敵よ、と誉められた魔女



彼女はフランス人

ひとりでポカラからここまで、21日を掛けて徒歩でやってきたという

ひとりが大好きなんだって


「あなたは私と同じ種類の人間ね、私、一目見てそう感じたわ」


それは私も同じた

まさしく同胞に会えた感の喜び、まるで旧知の仲のよう


おのぼりさん的でちょっと頭がイッちゃったみたいな白人が多く、うんざりする中で

このようなまともな人に出会うと心が安らかになる


話は弾み、尽きないけれど・・ ラクちゃんが来ちゃったわ

行かなくちゃ・・


こういう時は必ず一期一会という言葉が浮かぶ
彼女の旅の無事を心から祈って笑顔で別れる



ジョムソンでトレッキング許可証等に下山のスタンプを貰い

ついでに情報を集める


そこで判明した事実・・



な、なんですと?  

この数日、飛行機が飛んでいない!



この日ジョムソンに泊まって、翌早朝のフライトでポカラに戻るはずがここで大番狂わせとなる



街はポカラへ向かうフライト待ちの人々で溢れている


この日が10月30日

そして私は、日本からお客様が到着する11月1日迄にカトマンズに戻らなければならない

更にその翌日はククル プジャで、《バブー》を祝福する日だ



まじょ、どうする・・  


ラクちゃんの顔が曇る  

その眉間には深い縦縞が


決断しなければならない


明日のフライトは不確実

飛ばなければ一巻の終わりだ


確実な方法は・・

ここからローカルバスでポカラに向かう

途中崖から落ちて命を落とさない限り、途中の村で1泊すれば明日にはポカラに着くだろう

そして明後日ポカラを出発し、夕刻カトマンズに着けば、その夜に到着する人を空港まで迎えに行ける


ローカルバスを乗り継いでポカラに向かう ぞ!DASH!



時刻は昼に近かった

私たちは取り敢えずガーサまでのチケットを買い、同じバスを待つまでの時間を地元の人たちと語らって過ごす



地元民のおっちゃん 「ねえちゃん、ポカラに行くのか」


魔女 「おおよ、飛行機が飛ばないからさ、こうなったらバスで行ってやろうと思って!」


地元民の別なおっちゃん 「ま、ここはみんな連れだ、仲良く行こうぜ!」


魔女 「じゃあ よろしくね♪」



そうして昼を少し回ってからやって来たオンボロバスに地元民やらガスボンベやら穀類やらと一緒に乗り込んだ


これより、悪路、絶壁、雷雨、そして同乗のおバカ外人など、様々な困難と闘う道のりが始まる




  こちら、私たちの心の焦りとは裏腹に、のんびりとしたジョムソンの街の風景



                カフェの窓から見たニルギリ




          自分たちだけで山から荷を運んできたラバさんたち




                  暇なアーミー




       

             画期的なヘアスタイルのにいちゃん



そしてお気に入りの一枚



        
                      地元民



私たちと一緒にバスを待っていたこちらの方

何もかもがサマになってて

得体の知れないカッコよさが滲み出ている