おバカなカラスと大晦日のこの日 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


我が愛車

破れた幌をたたんでハードトップを乗せ、魔女はやっとご機嫌でドライブができるようになった


オーディオでガルネリウスのヘビメタをガンガン流し、運転していたら

それを目撃したらしい友人たちからメールや電話で警告を受ける


「おい、あんなゾワっとするような運転やめろ」  とか


「すごい勢いで交差点をブッ飛ばして行っただろ、ああいうの良くないぞ」  とか・・



音楽で運転の仕方が変わるのかしら  イケナイワ・・


だからCDをガルネリウスからチベット密教のお経に変えた


それを大音量で聞いていたら

信号待ちの度に周囲のみんなに凝視される


いったい私はどうしたらいんだ・・



人生、迷うことばかりでございますね


迷いの達人、魔女です

こんばんは


本日もネパール日記にお付き合いきださいませね



         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



船着場に行く途中で例の仕立て屋に寄った


2時間で出来上がるはずのカズリのシャツが

5時間近く経っているのに関わらず、まだ出来上がっていないという


私たちは約1時間後にまた寄るからその時までに必ず仕上げて置くように強く念を押した



船着場に着いたのは5時で、約束の6時までには間があった

私たちは土手に座って、目の前にいるたくさんのカラスを眺めていた


すると一羽のカラスがポテチの袋を咥えてきて船のヘリにとまった

それを追うように数羽のカラスもやって来た


ポテチの袋を咥えたカラスは中身を出そうとして袋を振り回した

すると・・ ポテチが全部水の上にばら蒔かれた


呆然とする当のカラス

そして同じく呆然とする相伴に与ろうとしていた他の仲間たち



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それから彼らは慌てたように翼を広げ、水に浮かんだポテチを掴もうと低空飛行で頑張るも

どうやら彼らは水が苦手のようで、まったくもって不器用に足を動かすが・・

ポテチは虚しく流れゆく



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          あの・・ そんな目で私を見ても無駄だからね



そうこうしているうちに6時近くになり、私たちは船着場に移動する


しかしそこは人、人、人で溢れていた

一体何事かと思った時に、今日が大晦日であることを思い出した (ネパールの正月はこの時期)


人混みの中に私たちを見つけたパワンがオールを振り上げて笑顔で帰還してきた



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船から降りたパワンは、これで仕事を上がるからと、ボスに報告しに行った


そうして彼は、暗い顔で戻って来た


今日は大晦日、バラヒ寺院への参拝客が後を絶たないから残業をしてくれと頼まれたらしい

しかし彼はボートに戻らず、お茶屋からお茶を運んで来て、それを私たちと一緒に飲みながらおしゃべりを始めた


向こうからボスがやって来る

頼むから残業をしてくれ、と不機嫌な顔だ


行っておいで、そのうちお前もボスになったらああなるさ 


私がそう言うと、パワンは


俺はボスにはなりたくない

毎日ボートを漕ぎ続けるのが性に合ってるんだ

体が続く限りここでボートを漕いで一生を送るのさ


そう言って渋々と立ち上がり、これまでとは違った丁寧な口調で言った


出来ればここで俺の仕事ぶりを見ていて欲しい

そして時間があれば仕事が終わるまで待っていてもらいたい

だけど、時間がなければ時を見計らって帰ってください


私は6時半にラクスマンとホテルのロビーで会うことになっているから時間になったら帰ると伝えた


パワンはちょっと寂しそうな顔をしながら私たちと握手を交わし

半年後の再会を約束して船に戻って行った



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パワンはその逞しい腕で、他のどの船頭よりも速くボートを漕いだ



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                     夕暮れが近づいて




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                金色の夕日が辺りを染め始めた



私たちは立ち上がり

向こうの島では小さく見えるパワンが両手を振っていた