貧乏な魔女家は軍団に贅沢を与えない
だから軍団は3キロで¥600位のカリカリしか食べさせて貰えない
療法食しか食べられない《ユリぼうず》と、「カリカリはお花のご飯」 と言う《インドラ》は別として・・
魔女家的には高級な部類に入るレバー入のフリスキーミックスを食べられるの唯一の猫が《ボンネット》
何故なら彼は缶詰を食べないし、これ以外のカリカリも口にしないから
だからこのフリスキーミックスは《ボンネット》以外の軍団の憧れの的であり、夢でもあるのだ
特に我慢の出来ないピラニア軍団は
毎回急いで自分の食事を食べ終え、ノロノロ食いの《ボンネット》のところに駆け寄る
そうしてみんなで《ボンネット》周りを取り囲み・・ フリスキーを食べている彼を見つめる・・
《ボンネット》の額に穴が開くんじゃないかと思うほど ガンガン見つめる
気の弱い《ボンネット》にはその視線に耐え切れず・・ 食べられなくなる
そしてみんなの目を避けるようにうつむき、腰を低くしながら食事半ばでその場を離れるのだ
後はピラニア軍団が交代で《ボンネット》の食器に顔を突っ込み、食い尽くす
という・・ 浅ましい光景が日々繰り広げられているわけで
そんな魔女家に宅急便が・・
その中身を知って、喜びのあまり走り回る軍団
ライガー 「ねえ 《じょんにいたん》、これは ぜんぶ ぼくにって きたんだよ」
ジョン ブリアン 「《ライガー》、それは違うよ」
ライガー 「ちがわないよ! このまえだって ぼくに きたもん!」
※ これより少し前に『ライガー様宛』に宅急便が届いたので・・
ジョン ブリアン 「これは みんなにって来たの」
ライガー 「だって ここに 《らいがーさま》、って かいて あるよ」
ジョン ブリアン 「それはみんなの代表で《ジンジン様》、って書いてあるんだよ」
ひな 「いいじゃない とにかく かみちゃまに ありがと 言おうよ!」
ライガー 「うん、そうだね!」
ひな 「かみちゃま おいちい ごはんを いっぱい ありがとうございます」
ライガー 「ありがとうございます」
ジョン ブリアン 「それ・・ 神様からじゃないよ」
ライガー 「え? かみちゃま からじゃないの?!」
ひな 「かみちゃま じゃにゃかったの?! そうなの? まじょ」
魔女 「うん、神様ではないな・・」
ユリぼうず 「くわあ~ くわっ! くわっ! この世に神様なんているものか! いたら僕らがあんなに苦労してたかよ!!」
ユリぼうず 「みなのもの、頭が高いっ!」
ジョン ブリアン 「《ユリぼうず》ってば・・ 歯が抜けても相変わらずだな・・」
インドラ 「みなしゃん、おはなの ごはんが いっぱい きましたね~!」
ジョン ブリアン 「《インドラ》、そういうのやめな・・」
ジンジン 「取り敢えず僕に感謝しなさいね」
ジョン ブリアン 「・・おとな気ないなぁ」
レオポン 「ゆめみたい でしゅ・・」
ジョン ブリアン 「夢が叶って良かったね」
ボンネット 「ざけんな・・ それは僕の主食だぞ!」 バリバリバリ!!!
そんな《ボンネット》の苛々を尻目に
《レオポン》はそのままこの箱の上で夜を明かし・・
次の朝もまだそこで寝ていた (幸せそうな顔・・)