軍団が全滅した謎のノロ系ウィルス感染
最初に子猫が感染し、直にアダルト軍団から廊下軍団にまで蔓延し
殆ど全員がガタガタになって食事もサプリメントに頼って持ちこたえたこの10日間だった
それが一昨日あたりから回復の兆しを見せ始め
一夜明けた昨日は完治
朝から全員がご飯をねだる
そして6時の夕食を待ちきれず、室内・廊下とも 「まんま!まんま!」 の大合唱
結局昨日はみんな5回も食事をし
レオポンとライガーは食べ過ぎて吐いた
しかしこんな最悪な状態を食い気で乗り越えた猫が2匹
それが《ひな》と《インドラ》だ
吐いて下したそばから、「ごはん ちょうだい!」 の繰り返し
他の猫は どうしてこんな時に食べる気になるんだ・・ と、彼らの食欲を見て更にげっそり
しかしこの2匹はそんなみんなの目をもろともせず
どんな状態にあっても食べ続ける
幼い頃からひとりで生きてきた《インドラ》は
直に母親に見放され、小さな体でゴミをあさり、そうして何とか飢えを凌いで暮らしていた
母親の《バニャ2号》に殆ど面倒を見てもらえなかった《ひな》
生まれ落ちた時から、授乳を嫌がる母親の乳に食らいつき、母親が動き回っても咥えた乳は絶対に離さず、そこかしこと引きずられながらも必死で乳を吸っていた
小さい頃に苦労した子は強いな・・
それに引き換え、おぼっちゃまの《ライガー君》
妹の《レオポン》と共に、母親の《バニャ2号》に過保護な程に育てられ
ちょっと吐いただけでも、まるでこの世の終りとばかりに立ち直れなくなる
一日中うずくまり、吐くからと言って食事は取らず
だからどんどん痩せていって、ぐったりして、よろよろになってしまう
そして通院・・
毎回些細なことでもこんな状態になるから
何か体が弱い原因でもあるのではないかと心配になり、今回はエイズ検査もした
結果は異常はなく・・
これは ただの 『お坊ちゃん病』
ライガー 「《れおぴょん》・・ ぼく・・ おもい びょうきなんだよ・・」
レオポン 「そうなの?」
ライガー 「ほら・・ ねつも ありゅでしょ・・」
レオポン 「そうかなぁ・・」
ライガー 「すごく つらい・・」 レオポン 「なんか、かわいそうだね」
ユリぼうず 「大げさなんだよっ! ブツクサ言ってないで黙って寝とけ ボケ!」
とにかく状態は悪いし、早く元気にさせないことには厄介な子なのでインターフェロンの注射をし、抗生剤を処方してもらう
同じ子供でこうも違うのかと・・
やはり苦労した子は強いな
今日はそんな《ひな》と《インドラ》のお話
クスリを欲しがる女子
《ひな》
《らゃいがー》 だけ いいもの もらってる
あたちにも ちょーだい!
魔女 「これは抗生剤といって、お薬だからダメ!」
あたち 「おやちゅ でしょ!」
魔女 「お薬はおやつとは違うの」
あたち 「だけど 《りゃいがー》は たべてるよ!」
(説明の仕様がない・・)
※ 《ライガー》は普段おとなしい癖に人に何かされると異常な程に暴れだす
この私をしても薬を飲ますのは至難の業
そこで抗生剤を潰し、ジェル状のサプリメントに混ぜたものを指先につけて素早く
《ライガー》の口の中に擦り付ける
その抗生剤を潰してサプリメントと混ぜた容器を・・
ぺろぺろ・・ ぺろぺろ・・
あたち 「まじょの ゆびにも ちゅいてる! なめさせて! ぺろぺろ・・ ぺろぺろ・・」
インドラ 「ぼくにも ちょーだい!」
あたち 「だめー!!」
あたち 「まじょ こーせーざい もっと たべたい!」
魔女 「うるさいな! 食べられるもんなら 食べてみなさいよっ!」 (錠剤を突きつける)
あたち カプッ! ポリポリ・・ ポリポリ・・
おいちい!
もっと くだしゃい!!
※ 飲ませたい猫は異常に嫌がり・・
健康な猫が抗生剤を欲しがる
何だか上手くいかない魔女家でございます
見分けのつかない男子
《インドラ》
だいどころに なにか あった
これ なんだろ・・ って思った
※ これは水道水のカルキ抜きのセラミックボール
時々干すと効果が高まるので、水入れから取り出しておいた
だいどころに あるから たべものでしょ
そっか たべものね
じゃあ たべましょーね~
ガリッ!!
・・・ ・・・
まあじょおぉぉぉーー!!
どうしたの!?
はが いた~~~い
これは たべものじゃないって
まじょに おこられました
おやちゅの じかんです
これは・・
さっきの あれだ!
これは はが いたくなるから たべません!
いい加減にしなさいよ・・