10月13日
早朝、ここ聖地ムクティナートのチベット仏教寺院ジョラムキ・ゴンパと、ヒンドゥー寺院ムクティナラヤンに参拝し
その後、一日かけて一気にジョムソンまで下山の予定だった
ところがラクスマンの提案はジョムソンまでをジープで下り、宿を探して荷物を置き、先日マルファに行く途中に見た山に登ろうということだった
ここネパールの産業はその殆どを観光に頼っている
世界最高峰の山々を有するネパール
その主だった山々は東のサガルマータ(エベレスト) 中央にマナスル、アンナプルナ、ダウラギリ、そして西に向かってカンジロバ、サイパルと連なっている
ヒマラヤを見たい、登りたいともう人々は世界中から集まり、その観光収入がこの国の主な収益となっている
そのため政府は国民生活の向上やインフラの整備より観光産業に国費を充てている感が強い
2009年4月、ジョムソン街道は遂にムスタンの奥地、聖地ムクティナートまでジープ道を延長、開通させた
途中のある小さな村にはロッジができ、ムクティナートにも次々と宿が建てられ、電気も来るようになった
これにより数日間トレッキングするほどの体力のない旅行者もこの奥地まで足を踏み入れることが可能になったが・・
村は電線だらけで景観は大いに損なわれ、標高の高い場所まで一気にジープで運ばれる観光客の中には高山病で倒れる者も少なくはない
現にこの時も、何機かのヘリコプターがムクティナートの先を行き来しているのを見た
高山病の患者たちをポカラの病院に搬送しているのだ
ムスタン自然保護地域と唱いながら、自然を壊しているのはネパール政府による観光開発なのではないか、という気がしてならないのは私だけなのだろうか・・
一歩一歩大地を踏みしめて感じるもの
水の冷たさ、照りつける太陽
行き交うヤギの群れとたまに出会う現地の人々の暮らし
容赦なく吹き付ける砂塵の過酷さ
その中を俯きながら進む私たち人間
そんな様子を毅然と見下ろすヒマラヤ
それを感じなくてはここに来る意味がない気がする
夜は月明かりがあればいいし
寒さを耐えて知る太陽の有り難さ
食べ物は質素で構わない
自然と一緒に耐えて、喜びを共有する
人もこの自然の成り行きを受け入れるべきだと、私は思う
しかし道は出来ていまい、電気は村を照らす
限られた日にちの中で
せっかくここまで来たのだから、さらにもうひとつの山に登り、そこのグンバを訪れるというラクスマンの思いに従って、私たちは彼からチケットを受け取った
注文してもいつ来るかわからないホテルの食事を取らず、私たちは荷物をまとめてホテルを後にし、ジープに乗り込んで一路ジョムソンを目指す
やはり乗り物では景色を堪能することはできなかったが
車内で繰り広げられたジープのドライバーの所有する音楽CDを巡ってのドライバーとラクスマンの争奪攻防戦は、呆れながらも堪能できた
ジョムソンに着いて
例のごとくラクスマンはホテル探しに奔走した
そうして見つけてきたホテルが 『ホテル モナリザ』
欧州からの客を目的とした感満載のネーミングだ
ここの客の多くはドイツ人だった
2階にあるレストランの一角には日本の掘りコタツ風に設えたテーブルが・・
冬場はここに練炭のようなものが入るのかな
家族ちぃ撮影
出かける前に朝食兼ランチを・・
暗くならないうちにホテルに戻らねばならない
食事を終えた私たちは、手ぶらでホテルを出て川向こうに聳える山を目指して歩き出した