ジンジン
朝、魔女が起きて来て家中のドアと窓を開ける
それから僕らのトイレを掃除し、朝ごはんをくれる
《パパ・ジョン》と《涼子》も玄関で朝食
《アゾ》は決まって よしむにぇ と一緒に食べる
そして《水玉》は食べない
それから庭に出て、メダカの日除けを外し、朝ごはんをあげる
その時、蚊に食われながらメダカの人数を確かめる
朝食が終わった僕らは、2階の窓からそんな魔女を眺める
戻ってきた魔女は、蚊に刺された足や手を掻きながら、僕らの体調を調べる
僕ら一人一人の体中を触るついでに蚤の検査もする
うひょひょ・・ひょひょ・・ 《ユリぼうず》だけが変な声を出す
次にみんなの耳の掃除をする
殆どの猫は簡単に終わるけど、《アゾ》と《ユリぼうず》は耳が汚れやすいみたいで時間がかかる
ふぇふぇ・・ ふぇ、ふぇ~! 《ユリぼうず》が下半身をくねらせる
それから目の悪い僕と《ユリぼうず》に目薬を注す
僕は目薬がイヤでぎゅう!と目をつぶる
《ユリぼうず》は大きな目をキラキラと開けて目薬が落ちてくるのを待つ
この時、僕はいつだって《ユリぼうず》と比較され、感じの悪い思いをする
そして魔女が なにか自覚少女のある猫はいますか? と聞く
それはなぜか女の子に限らなくて、どこか変だと思ったら魔女に報告することだ
ジョン ブリアン 「鼻がたれる・・」
魔女 「鼻風邪ね・・ 熱は大したことないけど、顔が情けないから今日はお部屋でゆっくり寝てなさい」
バブー 「吐いた」
魔女 「いつ」
バブー 「夜 あそこで」
魔女 「あらら・・ 毛玉ね、 大丈夫よ」
ユリぼうず 「アジを下さい」
魔女 「なに言ってんだ・・」
ユリぼうず 「アジ・・」 (鯵の南蛮漬けが食べたいわけで・・)
魔女 「《ユリぼうず》・・ アジと体調の間にはどういう関係があるんだ?」
ユリぼうず 「アジを食べれば体調がよくなるの」
魔女 「なんないよ! 甘酸っぱくて唐辛子も入ったのに浸かってるアジなんて!」
ユリぼうず 「それが美味しいんじゃない!」 (既に試食済み)
魔女 「あなたねえ、夕べまた猫ハウスにマーキングしたでしょ! それから《ジョン ブリアン》を虐めたてたよね! どうしていつもいつもそうなの!!」
(もう既にご存知の方もいらっしゃると思いますが・・ これ毎回やる泣き真似 都合が悪くなるとこの格好のままずっと動かなくなる)
魔女 「はい、他になにかある猫は?」
僕 「はい!」
魔女 「《ジンジン》どうしたの?」
僕 「《水玉》がメタボです」
魔女 「・・わかってます」
アトリエにて 生徒たちの夏休み旅行の土産に執着する《水玉》の図
凜 「はい!」
魔女 「《凜》、どうした?」
凜 「トイレのドアを閉めないでください!」
魔女 「はい、却下」
凜 「きゃっきゃ、ってなんですかあ~!!」
こうして話はどんどん別な方向にズレながら・・
魔女家の一日はだいたいこんな風に始まる
魔女
そして例えば毎水曜の魔女は
午前の一番に仕事
それが終わったら週に一度のエアロビクス
その後、やはり週に1度の買い物
そしてレストランで、友人の《りんちゃん》とランチ
毎週水曜日に一緒にお食事をする魔女の仲良しのお友だち《リンちゃん》
帰宅して絵画教室
その後家庭教師のお仕事
という具合にちょっと忙しい
ただ今日は・・
スーパーで財布を開いたら68円しか入ってなかった
ほぼ空の財布を握って悲しげにスーパーのカートを戻す魔女
そこへたまたまエアロビで一緒の方が通りかかり 「どうしたの?」 と訊ねられる
財布にお金が入っていなかった、と言うと、買い物に必要な分のお金を貸してくれた
しかもここでバッグをカートにぶら下げっ放しで返していたことに気付かず・・
買い物を終え、車に戻った時点でキーなどの入ったバッグを持っていないことにゲッとなる
慌てて店に戻り、届けられていたバッグとご対面
その後のレストランではツケでお食事をし
友だちの《りんちゃん》のママに麩饅頭を5個いただいた
ここ、搾りすぎさんのレストランでは、先週も葡萄と桃をどっさりいただいた
みなさん、毎度ご親切にありがとうございます
今後ともよろしくお願い致します
だめな私を・・