ネパール日記 ~ ドルカへ ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


紅茶とコーヒーをミックスした甘い飲み物と

目玉焼きとビスケットで軽く朝食を済ませ

私たちはドルカに向かった


友人の妻は真新しいブルーのクルタに着替えた

魔女は・・ 毎日同じ服


私たちは賑やかに歩き出した

道の中央だけか少しばかり舗装され、その両側は乾いた赤土の道が続く


土の上を歩き続けることなんて、日本では滅多にない

時折行過ぎるバイクや、たまにやって来る車の土埃でさえ心地よい


土と木々の香りを楽しみながら遥か彼方に見える村を目指す

途中にマオイストのマークが描かれた大岩をみたり


まじょねこ日記-Mao sign

まじょねこ日記-Mao sign


また小さな製麺工場では、たくさんの麺を乾かしている


まじょねこ日記
          
チベット料理、チョーミンの麺


それ以外には取りだてて何もない道

土と植物と、気持ちの良い風があれば何もいらない


歩くこと・・ えっと・・ どのくらいの時間を歩いたかわからない

ネパールでは時計を持って歩かないから、わからない


とにかくドルカについた

そのままドルカ ビムセンに向かった


友人の妻は熱心なヒンドゥー教徒だ

彼女は寺の入り口でプジャのための花やらティカやらの一式を買った


ヒンドゥー教徒以外は本堂に入れない

奥さんが本堂でなにやらをしている間

私たちは寺の門を潜り、その中心にある本堂のまわりをうろついていた


まじょねこ日記-Temple

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      ヒンドゥー(シヴァ)寺院では必ず見られる牛の像

      牛はシヴァ神の乗りもの


    まじょねこ日記-Temple

ドルカ ビムセンはどんな願い事でも叶えてくれる、という

人々はここを訪れ、願い事をする


彼らはどんな願い事をするのだろうか

少なくとも友人の妻の願い事はわかる気がした

プジャが終わると、妻は外で待っていた夫の額にティカをつけた


    まじょねこ日記-Temple

自分の願い事が叶えば

人々はここに生贄を連れて再び訪れる

そこで神に生贄を供え、殺された山羊などの肉は持ち帰ることは許されないので、ここで調理し、その場で食べて帰る


友人に 「魔女もなにか願い事をしたら?ここの神様はすごくご利益があるんだよ」 と言われた

だけど、生贄は嫌だから願い事をしなかった

過分ではないにしろ、私は肉を食べるから

これ以上は・・ やめとく


茶屋でお茶を飲んで休息し

また来た道をチャリコットに向かって歩く


自然の景色の中、どんなに歩いても疲れは感じない

振り向くとヒマラヤが美しく聳え、爽やかな風が吹き

まるで神様に囲まれているような気がしてくる



家に戻ると、奥さんはちょっと遅い食事の用意をし始めた

ダルバートに、カリフラワーのタルカリだった

「ジョニー デップのカリフラワー?」 と聞いたら

「そうよ」 と言って可笑しそうに笑った


食後は、カリカリと陽が陽が射す屋上で

買って来た冷たい飲み物を口にしながら長々と世間話をした


そうこうしているうちに、学校を終えた昨日の甥たちがやって来た

彼らは一緒にドルカに行きたがっていたのだが

この日は学期末試験だったため、それを諦めたのだった
   
   まじょねこ日記-Boys
    
ウペンドラ&ディペンドラ兄弟と彼らの友人アモッシュ(右) 


また賑やかな日本語教室が始まった

昨日の復習をし、引き続き実践的な日本語を教えていたら夕食が出来ました、と呼ばれた


本来ネパールの食事は一日2回、遅めの朝と少し遅めの夜だ

しかし魔女がホテルに戻るため、夕食を早めてくれたのだ


この日の夕食はダルバートに揚げた魚のおかずだった

魔女が食事を終えるのを待っていた少年たち

彼らは世界の様々なことについて知りたがった


辺りはすっかり暗くなり、友人に促されて少年たちは家に帰り

その後魔女は友人に送られてホテルに戻った


明日の朝はカトマンズに帰る

友人はホテルで暫く話してから、夜道を下って戻って行った


屋上に上った

沢山の星座が、まるでプラネタリウムのように空一面に輝いている

夜空に向かって腕を伸ばす

星がつかめそうな気がしたから


誰かが見たら

この人はいったい何をやってるんだ? って思うんだろうな


その人は知らないんだ

この地球上には、これほどの星が輝く空を失った人々がたくさんいることを


彼らにとって当たり前の空は

私たち都会に住む者にとって・・ もう見ることの叶わない空だ


こんな美しい空と引き換えにしたもの 

それはいったい何だったんだろう


土や緑を失くしてまでも私たちが手に入れたもの

それにどれほどの価値があったというのだろうか