魔女
その夜・・
推測どおり、奥さんは当然自宅に泊まるものと思っており
魔女はヒジョーに困っていた
私は一日中を人と一緒に過ごすことが出来ない
相手の人間性とか、そんなの全く関係なく・・
ひとりの時間が必要なのだ
ひとりで何を考え、何をするのか?
何も考えないし、何もしやしない
なら必要じゃないじゃん、っていわれそうだけど
ひとりでいるのが好きなんだからどうしようもない
ネパール人はその逆で
みんなといるのが好きだ
暇な時間は近所の人々や、身内の人々といつも話をしている
よくネタが尽きないよな・・ と思うほどだ
例えばネパール人の友人とタクシーに乗ったとする
友人は運ちゃんと話し出す
最近の景気のことやら、出身はどこなのか、などを話してる
また、家族や親戚や友人やらまとめて一緒に寝る
老若男女に関わりなく
この友人の家は4つの部屋があり
そのうちのひとつは友人夫婦の部屋で
残りの3部屋は間貸しをしている
チャリコットから山に登ったところに軍の施設があり
そこに宿泊し演習やらしている軍人の家族が借りているのだ
それで家に泊まって下さい、ということは
友人夫婦と一緒に寝る、ということで・・
お断りした
色が鮮やかでとっても素敵なお部屋なのに・・ ごめんね
奥さんは大きな目を更に丸くして驚き、どうしてか?! と訊ねた
ひとりがいい、とは言えないから
気を使うから、と言ったら
それなら自分たちは屋上のキッチンで寝る、と言い出した
キッチン、たって・・ 土間じゃんか
それはそれで申し訳ないからもっと嫌だ
奥さんと友人の懇願を断ち切って
ホテルを探す
昼間登った丘の途中に数軒のホテルがあったな
友人と一緒に夜道を丘に向かった
2軒目に訪ねたホテルで、熱いシャワーの出る部屋(湯沸し室から遠いほどお湯がぬるい)を用意して貰った
山の夜は冷え込むから熱いシャワーは必要だ
なかなか感じがよく、清潔な部屋で、値段は500ルピー(約¥600)
熱いシャワーを浴び
冷たい夜風を感じて
音のない外の闇を見詰める
だけど空にはおびただしい星がひしめいていて
それらはまるで手を伸ばせば掴めそうなほどだ
数匹の蛾が灯りを求めてやって来て
それが可愛くカーテンにとまる
い~なぁ、この風景
い~なぁ、 自由って・・
魔女は一日中を人と一緒に過ごすことが出来ない
そこの部分に於いてだけは、みんな一緒が好きなネパール人との間に壁が出来てしまう
家族同然なのにどうしてそんなことを言うのか?!
といつも言われる
私は最大10時間以上人に構われるのがダメで・・
それ以上になると透明人間になりたくなっちゃって
放っておかれるのが大好きで
そこのところをどう説明していいかもわからないし
何とか頑張って説明したところで理解しては貰えないだろう
日本人だから、習慣が違うから、といういうことでもない
だって日本人でもいつも誰かと一緒にいたい人はいくらでもいるから
はい! 結局我儘なんです!
どーもすみません! (居直りかよ・・)
とにかくみんなには
「まったくアイツはおかしな人間だ・・」
と思って諦めてもらうしか他にない
さて
明日は山間にあるネワール族の村、ドルカのヒンドゥー寺院を訪ねる
ドルカ ビムセンという有名な寺院だ