苦労話 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


今日は所用で池上というところまで行かねばならず

しかも電車に乗って行かねばならず

引きこもりの魔女にとっては一大事だ


昨夜インターネットの時刻表で池上までの行き方と所要時間を調べ

それを携帯にメモった


ラフな格好ではマズい用事だったので

何年かぶりにワンピースにヒールのパンプスという慣れないいでたち・・


軍団に 「変じゃない?」 と聞くと

「変! すごく変!!」 って言われた


それでも仕方ないからそんな変な格好で家を出た

こんな格好で知り合いに会ったら大笑いされるのは必至だから

駅までの道は、墓場とか獣道とかを使った


やっと駅に着いて、切符販売機の前に立ち

料金まではメモってなかったので池上までいくらかを見る


・・・

池上がない

いくら探しても池上がない


駅員さんのいるところに駆け込む


魔女 「い、池上がない!」


駅員さん 「・・」


魔女 「池上がない!」


駅員さん 「池上まで行きたいの?」


魔女 「行きたい、でも池上がない!」


駅員さん 「池上ならその隣の近郊連絡会社、っていう方にありますよ・・」


魔女 「あるんですか! そこで切符を買うの?」


駅員さん 「そこで切符を買って下さい」


その切符販売機の所に行った

池上はあったけど、切符の買い方がわからない

これは難し過ぎる


とりあえずお金を入れようとしたが

なんでだか販売機がお金を受け取ってくれない


じ、時間がない・・

思わず隣にやって来た男性の腕を掴んだ


魔女 「池上までの切符の買い方を教えてください!」


男性 「まずここのボタンを押すの」


魔女 「このボタン? 本当に押してもいいの?」


男性 「いいから押して・・」


魔女 「えいっ! 押した!」


男性 「お金を入れて」


魔女 「はい」


男性 「そこじゃない・・」


魔女 「じゃあ、どこ?」


男性 「私がやる!」


その人のワザは凄かった

あっちゃこっちゃのボタンをペイペイ押して

あっという間に切符とお釣りを出した

この人は切符買いのプロだった


ご親切に、2番線から乗るんですよ、と教えてくれた

メモを見ると川崎で乗り換えだった


川崎から用心深く確認して京浜東北線に乗った

だけど横浜に戻った

焦った


横浜で降りて、よく考えて反対側の京浜東北線に乗った

また川崎についた


そこで降りて少し考えて

そうか!と思って次に来た京浜東北線に乗った


するとすぐに蒲田に着いた

ここでまた乗り換えろ、とメモにあったのだがもう何もわからない


取り敢えずみんなが行く改札の方に向かった

池上線の文字が見えた


だけどこの切符で改札を出ていいのかなぁ・・

自動改札で切符を取られたらどうしよう


それで駅員さんの部屋に駆け込んだ


魔女 「池上に行きたいんです」


駅員さん 「あそこを曲がった奥です」


魔女 「切符持ってるんです、ほら」


駅員さん 「・・」


魔女 「この切符・・ 自動改札に入れてもいい?」


駅員さん 「・・入れてください」


魔女 「でも池上まで行くんだよ」


駅員さん 「・・知ってますよ」


魔女 「改札で切符取られたら行けないじゃん」


駅員さん 「取ったりしませんよ!」


魔女 「だってここ出口でしょ、切符取られちゃうんでしょ、せっかく池上まで買って貰ったのに・・」


駅員さん 「誰に・・」


魔女 「知らない人に」


駅員さん 「・・」


魔女 「・・」


駅員さん 「あのね・・ その切符、また出てくるから」


魔女 「うそ・・」


駅員さん 「駅員がウソ言ってどうするんです! 出てくるったら出てくるの!」


魔女 「じゃあ・・ 見てて」


駅員さん 「見てるの?」


魔女 「出てこなかったら弁償だよ!」


駅員さん 「じゃあ入れてください!」


魔女 「わあ! 出て来た!!」


駅員さん 「・・お気をつけて」


一回電車間違えたから遅刻だ・・

だけどもうすぐだ


あれ・・今度は2種類の電車がいる

多摩川線・・ 

池上線・・ こっちだ!

だけど2台止まってる・・

なんだよ これ!

また駅員さんに聞かなきゃ


魔女 「あの・・池上に行きたいんですけど、どっちの電車に乗ればいいですか?」


駅員さん 「あのね・・ ここが始発だからどちらも行くの」


魔女 「じゃあどうして2台も止まってるの?」


駅員さん 「片方が先に出発して、片方が後に出るだけです」


電車に乗るのは難しい・・


こんなに苦労して辿り着いたと言うのに

こともあろうに昼食は 『特上にぎり』 だった


何が悲しくて生魚・・

涙で辺りが霞んでいった


今日は駅で何人もの人に色々な事を訊ね
とても疲れた挙句

空腹での帰宅、という最悪の一日だった