猫日記 僕の父さん・・ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


バブ 「まただれかがないているよ・・」


アゾ 「そ、そでにしても なっ、なっさけない 声だのぅ」


凛 「あさも ないてた」


アゾ 「あ、朝も なっさけない 声で ないとったぞ」


ボンネット 「あれは誰なの?」


バブ  「大きなねこです」 (出窓から覗いてみて・・) 


ボンネット 「ねえ、《ジョン ブリアン》、誰が泣いてるの?」


僕 「・・」


ボンネット 「《ジョン ブリアン》、さっきまでお外にいたんでしょ、ねえ、誰が泣いてるの?」


僕 「・・ 僕の・・ 父ちゃん」


バブー 「どうしてあんな大声でないてるの?」


僕 「・・」


僕の父ちゃんは・・

夕べも早飯食いの《涼子》に

食べてる途中のご飯を横取りされ・・泣いてた

そして今朝も、またごはんを《涼子》に横取りされ、それで泣いてて・・


仕方ないから魔女がもう一度ご飯を持って行ってあげて

父ちゃんはその時

もう《涼子》にご飯を取られたくなくて

「ここで食べる」 って魔女に言った


《涼子》は2匹分のご飯を食べてお腹一杯になっちゃって

とっくにお化け屋敷に遊びに行っちゃってるのにさ


父ちゃんの希望した場所は、ちょっと高くなっていて

そこは壁の影で、《涼子》に見つかり辛い所で食べよう、って

父ちゃんなりに考えたんだろうね

それで魔女はそこにご飯を置いてあげたんだ


父ちゃんは大食いで

ちょっとやそっとの量では足りず

《涼子》にご飯を取られてばかりだから

いつもお腹が減っており

貰ったご飯を凄い勢いで食べ始めた


それから魔女はメダカにもご飯をあげて家に入って行った

僕はお庭の《伐》のお墓の側からそんな父ちゃんを見ていた


父ちゃんはガツガツしていて

お茶碗をガタガタ言わせてお食事をしてた


どんなに隠れて食べたって・・

そんなに音をたてたんじゃ、すぐに《涼子》に見つかっちゃうじゃない


そんなことを思って見ていたら

じきに父ちゃんがお茶碗を下に落っことした・・


そこの下は何やら色んな物がごちゃごちゃと置いてあって

父ちゃんのご飯はあっちこっちにちらばってしまったようで

しかもそこはヒジョーに狭くて、父ちゃんが降りる余地もなく


しばらくぼーぜんと落っこちてしまったお茶碗を見詰めていた父ちゃんは・・

突然大声で泣き出してしまった


父ちゃんは泣きながらそこから降り

泣きながら庭に出てきて

泣きながら僕の前を通り

泣きながら階段を途中まで上り

ますます大声で泣いて魔女を呼んだ


 まじょねこ日記-Papa-Jyon

それで僕は嫌になっちゃって

父ちゃんの横を通って2階のお部屋に戻って来たんだけど・・


魔女は僕に、どうして父ちゃんは泣いてるのか聞いた

だけど僕は何も言わなかった


それで魔女が玄関に出て行った

魔女姿を見ると、父ちゃんはますます大声で泣いた
大きな体でワンワン泣いた


まじょねこ日記-Papa-Jyon

そんな父ちゃんを見てると

僕はやっぱり恥ずかしくて

父ちゃんを恥ずかしいと思ったことを反省したばかりだけど・・

やっぱりどうしても恥ずかしくて


父ちゃんは泣きながら訳を言ったんだろうね

魔女が空のお茶碗を持って部屋に戻って来て

それにまたご飯を入れて部屋から出て行った


父ちゃんは泣き止み

カリカリ・・ という音が窓から聞こえてきた


魔女がお部屋に戻って来てすぐに

また父ちゃんがわんわん泣き始めた


「今度は何だって言うのよっ!」


魔女がそう言って僕と一緒に窓から下の玄関を覗いた

僕らは 「げっ!!」 ってなって 

僕と魔女は慌てて部屋を飛び出した


その時父ちゃんは玄関の中でおろおろしており

父ちゃんのご飯はどっかのノラ猫が食べていた


父ちゃんよりずっと小さいノラ猫が食べてたんだ・・


僕・・ 思うんだけど

僕の父ちゃん


ここに戻って来るまでの長い間(8年間)

いったいどうやって暮らしてたんだろう・・ 


そういえば・・

僕が林の中でノラの母ちゃんと一緒に暮らしてた頃

時々父ちゃんはやって来てたけど・・


その度に母ちゃんに殴られて

泣きながらどこやらに逃げて行ってた


父ちゃんが立派なのは

僕らにはないタマタマだけじゃんか!