ネパール日記 ~ 儲け話 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


タメルのはずれで買い物をしていた時のこと


その店は衣料品や工芸品を売っていて

いつも相場の値段から10~20%の値引きをしてくれるので良く利用する 

(同行者が買い物をする時連れて行く)


前回の事

同行者があれこれ物色している間

魔女は椅子に座って出されたチャーを飲んでいた

すると60代とおぼしき立派な感じの日本人男性が話しかけてきた


その人は定年退職し、前に旅行に来てカトマンズが気に入ったので、第二の人生はネパールに住むつもりで、今回はその準備にやって来たという

アパートが結構高くて・・ とボヤいていた


ネパールでは最近建築ラッシュで、新築の建売が郊外にどんどん建っている

ちょっとした家やアパートなどは日本に近いくらいの価格だ


それは無理としても、200万か300万円ほど出すと、期限なしでアパートを借りることが出来る

自分のものではないが、借りた方は期限なしなので永久的に代々で住むこともできるのだ (家が建っている間は)


で、その人の言うアパートの値段を聞くと8万~10万円だという

場所や豪華さにもよるから何とも言えないが、外人価格が多分に含まれている気がする

この国は常にネパール人価格と外人価格が存在する


私のネパール人の知り合い達は3000ルピー(約¥4000)位で部屋を借りている

贅沢を望まなければ、下限はいくらでもある

きっとこの男性は、ちょっと素敵な別荘風・・ を希望しているのだろう


そこまでは個人の話だから何とも言えなかった


その男性は話を続けて、カトマンズで商売をするのだと豪快に語り始めた

繁華街に店を持つつもりらしい


それも個人の考えだから

(そうなんだ) と思いながら話を聞いていた


しかし、その後の話で

最近知り合ったネパール人と共同経営する、というところに引っかかった

そのネパール人が知っている店が閉店するから、そこで一緒に商売を始めようと誘われ、その気になったという


失礼ながら 誰がそのためにお金を出すのか? と聞いたところ

自分の退職金を出し、店はそのネパール人が仕切るという


タメル辺りでは地価の高騰が著しく、坪当り百万以上もする

店舗を借りるにもただならないお金が必要だ


それで最近知り合ったというネパール人について聞いてみた

それは人を介してではなく、レストランで話しかけられ、意気投合したのだという


店を出すということについては、その店も一緒に下見したし

一等地だから絶対に儲かると言われたらしい

そのネパール人のカーストも高いと言っていたから大丈夫だ、と本人はにこやかに言うのだが・・


はっきり言って、カーストが低かろうが、高かろうが

貧乏だろうが、金持ちだろうが、騙す人間は平気で人を騙す


特に無防備な外国人は容易く騙される

正直者で、人を疑ってかからない人間こそ、ここでは危ない


同じ騙されるなら貧乏な人に騙されれた方がマシだ

まあ諦めのつく額で済む


カーストが高いからと油断して大きな儲け話で騙されると、その規模が違う

まるごと持っていかれる事もある


この国で、特に旅行者はお金を持っていることを公言してはならない

そんな噂はあっという間に広がる

それは悪い人間に餌を撒くようなもので


それでなくとも、ネパール人は貧しい人は富める者から貰うくのは当たり前と認識している

これはヒンドゥーの教えで、この国の文化の一環だ

そんな目にあったら泣きながら自分を責めるしかない


この男性には、彼の気持ちを傷つけない程度にネパール人について話しておいたが

わかってくれただろうか・・


・・・・・・・


そういう教えもあって

ネパール人は、逆に貧しいものにはとても親切だ


魔女は常に自分が貧しくあるべく努力し

そしてその貧しさに感謝し

よって人の好意に甘え


幸せなネパールライフを送るのみだ


     まじょねこ日記-Part time
    貧しい女は、本日もカトマンズでバイトに精を出す

     鳩の餌いらんかあ~! 1杯5ルピーじゃあ~ DASH!