魔女
日本では普段から餓え気味の魔女
ネパールに行った時限定の食の贅沢がある
カトマンズ到着は大抵夜だ
なので翌日は起きるや否やステーキハウスを目指す
よだれを拭いながら次第と急ぎ足になってゆく自分がいる
溜めに溜めた
「ステーキ腹いっぱい食らう作戦」 がいよいよ決行される
だが、一人、または大食いの連れと行く時以外は
私は飲み物しか注文しない
前回の同行者は4人
同行者A 「魔女、飲み物だけなの!」
同行者B 「待ちに待ったステーキなんでしょ、 魔女いったいどうしたの?!」
同行者C 「先頭を切って店に駆け込んだくせに・・」
魔女 「とにかくメニューを・・ やっぱヒレが美味いわよ、ヒレが!」
魔女のお勧め通り、大体、ヒレ ミニヨン ステーキ、 300ルピー(約¥400)に決まる
オーダーが決まればウエイターを呼んで注文を告げる
ウエイター 「焼き加減はどういたしましょう」
魔女 「レアで!」
同行者C 「なんで勝手に決めてるの・・」
同行者たちは魔女が注文しない事に対し
どこか具合でも悪いのではないかとやたら聞いてくる
ウエイターが各自の前にフォークやナイフを置く
魔女の前にもフォークとナイフを置く
そして、ついでに大きな皿も置く
同行者たち 「・・なに、そのお皿」
魔女 「・・」
やがてジュージューと食欲をそそる音を立てて、ヒレステーキが運ばれてきて、それぞれの前に置かれる
同行者A 「うわあ~! 何、この大きさ!」
同行者B 「大きなヒレステーキが二つも乗っかってる!」
同行者C 「付け合せのフライドポテトに野菜もいっぱいじゃん!!」
同行者D 「こんなに食べきれないよ!」
魔女 「食べきれない分は魔女のお皿にどうぞ・・」
全員 「・・・」
ここのヒレミニオン、2個合わせて500gはあろうかと思われる量で
その上付け合せのフレンチフライズやフライド野菜がいっぱい乗っていて
普通の女性は絶対に食べきれない
ちょっと離れたところで、先ほど魔女の前に皿を置いたウエイターが苦い感じで笑っている
同行者A 「あのウエイター・・ グルだったのか・・」
同行者C 「てか、魔女のが一番多くない!?」
魔女 「いっただきま~す!!」
人数が多いほど魔女の皿もいっぱいになる・・
魔女的節約術、カトマンズ編