ひとりり立ち出来ない男 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


朝から《ボンネット》が崇め所に向って何か言っている

(いつから 『崇め所』 なんて呼び名になったんだ・・)


ボンネット 「《りん》、そこは ぼくと母ちゃんのとこだよ! ねえ、《りん》、ってば!!」


凛 「・・」


ボンネット 「なんでムシしてるの! あ・・ 名前、ちがうんだ・・」


バブー 「ちがうく ないよ、 だけど、もいっこの 言い方で よんだら いけないんだよ」


ボンネット 「もうっ! めんどうくさいなぁ」


バブー 「でも、《りん》ってよんでも ふり向かないよねぇ」


ボンネット 「・・ マンマ!!」


凛 「ドコ?」


バブー 「ふり返った・・」


ボンネット 「そこをどいてよ!」


凛 「マンマ ドコ?」


ボンネット 「いいから そこをどいて! ぼくがお母ちゃんと寝るんだから」


凛 「ココ 《ウンチクシャイコォ》 ト オッカアチャン ガ ネルンダヨ」


      まじょねこ日記-Yuribouzu&Rin 0983


ボンネット 「ちがうだろ!」


凛 「オッカアチャン ト 《ウンチクシャイコォ》 ト!」


ボンネット 「《りん》、どいてよっ!!」


凛 「オッカアチャン ト 《ウンチクシャイコォ》 トッ!!」


アゾ 「ま、待てい! オ、オッカチャンも そなたも だれに こだわって そこにおる!」


俺 「それ、『断って』 の間違いじゃないのか・・」


アゾ 「そ、それ・・ どれ?」


俺 「もう・・ いい」


ボンネット 「お母ちゃんっ! 寝てないで 《りん》に どくように言ってよ!」


アゾ 「つ、ついでに おっかちゃんも どきまっせい!」


ボンネット 「《アゾ》、今ぼくの 話に入って来ないで!」


俺 「ていうかさぁ、あいつ、いっそ《薀蓄斎子》でいんじゃないか? せっかく覚えちゃったんだしさあ」


ジンジン 「あ~! 《水玉》ってば、言った!言った! 『ウンチ』 と 『臭い』 を両方言った!!」


俺 「なら おまえだって今言ったべ!」


ジンジン 「え・・」


ボンネット 「二人ともやめてよ、 今はその話じゃないの!」


アゾ 「《ア、アジョ》の あがめどころの 立っちのきの 話ですが、 みなさん わかっとる?」


ボンネット 「違うっ! 《ユリぼうず》は ぼくのお母ちゃんだってことっ」 



ユリぼうず 「《ボンネット》・・ 独り立ちしなさい」


ボンネット 「え・・」


ユリぼうず 「そんなに大くなったんだから もう独り立ちしないといけないのね・・」


ボンネット 「・・」


《ボンネット》は暫く呆然としていたが・・


それから愕然として 

だんだん涙目になり

後ろを向いてようやくトボトボと歩き出した


かわいそうに・・

肩から下ががっくりと落ちている


そうだよなぁ

もうとっくに1才を過ぎているんだもんな

いつまでも母ちゃんにべったりだとマズいよね


肩を落として前を通り過ぎようとした《ボンネット》に・・

俺は声を掛けた


「おまえ、これでやっと一人前になれるぞ」


すると《ボンネット》は・・


そんな俺の言葉を無視して目の前を通り過ぎ・・

通り過ぎ・・ オイ、どこ行くんだよ


ふぇ~!! 今度は父ちゃんかよ!!



ボンネット 「お父ちゃあ~ん あせるあせる


ジンジン 「どうした《ボンネット》、そんなに泣いて・・」

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ボンネット 「おっ、おっ、おっ母ちゃんが・・ ぼ、ぼくに、 ひっ、ひっ、ひっとり立ちしろってあせる


ジンジン 「大丈夫だよ、お父ちゃんが一緒にいてやるから」


      まじょねこ日記-Jinjin&Bonnet 0983  

             おとうちゃん・・汗


俺と《ジンジン》だけが兄弟で

他は血縁関係のな~んもない魔女家の猫たち


だけど、ここに来た仔猫たちは

何を基準にしているんだか分からないけれど

勝手に自分の母ちゃんや父ちゃんを決める


不思議なのは、殆どの仔猫が・・

乱暴者の《ユリぼうず》を母ちゃんに決めることだ


《ユリぼうず》は男なんだし・・

あいつのどこが母ちゃんなんだ!って思うけど

仔猫たちにとっては奪い合いになるほどの母ちゃんだ


俺も猫だけど、猫の気持ちがわからない


俺 「なあ、《ユリぼうず》、自分ではどう思う?」


ユリぼうず 「・・今度病院に行ったら 『猫の気持ち』 って本を読んでみる」


俺 「読めんのかよ!」


ユリぼうず 「むつかしい・・」