ユリぼうず
お庭にもテリャスにも、お子さんがいっぱいだ
メダカのお子さんもぽんぽん生まれて
正式な入れ物(大人用の大きな火鉢と赤ちゃん用の小さな火鉢)の他に、ちゃん用のバケツがさらに2個追加されてる
テリャスの木にはいつの間にか2匹の鳥の( 違う!蛾です )お子さんが生息していて
僕がそれを発見して魔女に知らせた
お子さんたちはムッシャムッシャと葉っぱを食べてぱんぱん成長している
葉っぱの食べ方が大変お見事だ
お庭にはトカゲたちもあちこちで顔を出してる
トカゲのお子さんたちはすごくきれいだ
でも大人のトカゲは噛みつく
僕がそぉ~っとくわえても気の荒いトカゲは反り返って僕のぼっぺにかみついたりするよ
ちっとも痛かないけどね
その点、《もりやさん》の親戚のヤモリたちは、うんとおとなしいのね
ヤモリはかなりフレンドリーな生きものだよ
僕の背中に乗っかったり、魔女の服に張り付いたり、ピャソコンのまわりで遊んだりするもの
昨日、魔女が家の横の道沿いの草を刈っていた
巻き巻き草が凄いんだ(へクソカズラ)
魔女がいつもの怪力で、ブチブチブチ~!!って茎を引っ張ったら・・
そこに2匹の幼虫さんが着いて来た
魔女は最初それに気づかず
僕は慌てて魔女に言った
僕 「魔女! 幼虫さんがくっついてるよ!」
ジョン ブリアン 「どこどこ?」
僕 「ここだよ! ほら」
ジョン ブリアン 「わあ! 目がいっぱいだね!」
魔女 「模様だよ・・」
僕 「こっちにもいるよ!」
魔女 「どうしよう・・ 幼虫さんの生息地を壊しちゃった・・」
僕 「だめじゃん!」
魔女 「ちゃんと別の家を探すから、草刈りが終わるまでここで待ってて」
ジョン ブリアン 「どこにお引越しするの?」
僕 「お化け屋敷に決まってる」
ジョン ブリアン 「そうか、あそこだったらご飯がいっぱいだし、人間も来ないしね」
2匹の幼虫さんは、しばらく魔女の服にくっついて過ごす事になった
魔女の服の上で引越しを待つ褐色型コスズメの幼虫
僕が臭いを嗅ごうとして鼻をくっつけたら
幼虫さんは頭をピン!として嫌がった
結構力強いんだね
ここでは、こういう生きものいじめ禁止令が出されてる
生きものをいじめた猫は魔女にいじめられるんだ
痛~く噛みつかれるんだよ
前に《涼子》が魔女に抗議した
涼子 「猫ってそうゆーの捕まえるものなんだよ! 我慢なんて出来ないんだからね!」
魔女 「よ~くわかるよ」
涼子 「なら捕まえてもいいんだね」
魔女 「いいよ、でも捕まえたものはちゃんと食べなさいよ」
涼子 「えっ、食べるの?!」
魔女 「でなきゃ何のために捕まえる、自分が生きるためでしょう、無駄殺しは許さないよ!」
涼子 「いいよ、 食べる!」
魔女 「ならもう家のご飯はいらないね、これで1匹分の食費が節約できるわ」
涼子 「でも・・ 食べ物が捕まらなかったら?」
魔女 「そんな都合のいい話は聞けないわ」
水玉 「おまえ、冬になったらどうするんだよ、生きものなんてどっこもいないぞ」
涼子 「・・」
ジンジン 「僕、この前《ハナクソ》がヤモリ食べちゃったの見ちゃった・・」
僕 「な、なんだとお~!!」
ジンジン 「そしたら少ししていきなり吐いたんだ」
涼子 「吐いたの?」
ジンジン 「うん、《はなくそ》の目の色が変になってた、すごく具合が悪そうだった」
水玉 「《涼子》、おまえ前に、訳の分かんないもの食ってお化け屋敷の部屋で倒れてたことがあっただろ」
僕 「おお、あの時の救出劇は大変だったよぉ!」
魔女 「さあ、《涼子》、どうする」
涼子 「・・家のご飯にする」
魔女 「じゃあ決まりね!」
そんなんで魔女家の庭では生きものがすくすく成長するんだけど
ジョン ブリアン 「僕・・今、《アゾ》が心配なんだよね・・」
僕 「僕が教育して差し上げる!」
魔女 「《ユリぼうず》、お願いします」
僕 「任せなさい」
魔女は僕たちはうんと偉い猫だっていう
人間は地球を私物化してるって
その点、僕たちは生きものみんなと仲良くできるから偉い、って
僕は生きものが大好きで、み~んな友だちなんだよ
僕はこれからも地球の平和のために頑張る!