CATS WARS  Ⅲ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


6本角の山羊の骸骨を抱え、《凛》を肩に乗せた魔女

アレグリアがなくなった事で、完全に目的を失った《今日ちゃん》

長い毛のせいで暑さに耐えられなくなっているヤクの軍団


      まじょねこ日記-Sun in the cloud

私たちの前に広がるのは賽の河原だ

歩いても歩いても果てしなく河原は続き

それは永遠に終わりがないように思えて・・

私たちに絶望を感じさせた


ヤクが1匹倒れた

たぶんヤクの《ジンジン》だ

魔女は羊の骸骨を抱えているからもう持てないぞ・・


《凛》が魔女の肩の上で垂れ下がった子狐の襟巻きのようになってしまっている

照りつける太陽に、遂に真っ黒な《インジゴ》の背中が焦げ始めたようで、煙が出ている


だめだ・・ もう終わりだ・・


魔女 「そうだ、墓穴を掘ろう!」 

(何で張り切っているのか自分でもわからん・・)


今日ちゃん 「何で? このままみんなでニャバーランドに行ったらいいんじゃない?」


魔女 「《今日ちゃん》と《インジゴ》はそのままネバーランドに帰ればいいだろうけど、私はここで絶命して、その体を鳥につつかれるのはヤダ!」


魔女は最後の力を振り絞って墓穴を掘り始めた

みんなの分の大きな墓穴だから、そりゃあ大変だ


よたよたしながら掘っていると・・

突然底の方の地面が崩れ、私たちはみんなして吸い込まれるように落ちて行った


落ちた先は火星だった(たぶん・・よく分からない)

その火星?は丸い紙の形をした2次元の世界で

紙の片方の面は地獄のように熱く、もう片方は恐ろしく冷たい氷の世界だった


私たちはその紙の縁から裏と表を行ったり来たりを繰り返して命を繋いだ


そうこうしているうちに、私たち異性人の進入に気づいた火星の生きものが徒党を組んで襲って来た

熱い方からは軍隊蟻風の火星人

冷たいほうからはクリオネ風の火星人だ


ヤクたちは再び軍団に変身して戦いを開始した

軍隊蟻と戦い、そこの熱さに耐え切れなくなると裏側に移動してクリオネ軍団と戦った

そして、そこの冷たさに耐え切れなくなると、反対側に移動して軍隊蟻と戦い・・

しかしこんな戦い方はかなり疲れる

これを繰り返すうちに、全員が力尽きてしまった


すると、どこからか音楽が聞こえてきた

闘争心を奮い立たせるようなSF映画風の勇ましい曲かと思いきや・・

その音楽はショパンの別れの曲だった


戦意喪失・・


私たちは軍隊蟻に食われるより、クリオネによって冷却される道を選んだ


氷の火星方面に移動すると、無数のクリオネが私たちの周りを取り囲んだ

それにしてもやけに人相(クリオネ相)の悪いクリオネたちだ


すると、そこにぼわ~んと氷の女王が現れ

クリオネ軍団をかき分けて魔女の前までやって来ると


魔女に向って 「ブサイク!」 と叫んだ


事実だと分かっていても何だか無性に腹が立った


む・・む・・ こんな所で死んでなるものかあ~!


魔女は氷を割って、それを剣の代わりに振り上げた

軍団も再び立ち上がった


だが・・ 私たちはその姿のまま凍りついてしまった

意識があるのに体が全く動かない


もはやこれまで・・ と思ったその時


突然、ヨーダのような《エダ》が《涼子》を引き連れて現れた


案の定、《涼子》は・・ バズーカ砲を抱えており・・

いや、あれは以前のとは違う・・ 改良型だわ


とにかく《涼子》はその新型レーザー砲を

いきなりクリオネたちに向ってぶっ放した

クリオネも氷の女王も、そのレーザー砲により呆気なくぶっ飛んだ


私たちは解氷し

戦いは終わった・・


「おうちにかえりたいあせる


《凛》が泣いている


戦いでボロボロになりながらも、私たちは感動していた

そんな《凛》を見ながらこみ上げるものを感じていた

《凛》が言葉をしゃべれるようになった事に

全員が感動の涙を流した


しかし、こんな所からいったいどうやって地球に・・ 

そして私たちの家に帰ればいいんだ

私たちは感動した後すぐに絶望しなければならなかった


そんな私たちの姿を高い所から見ていた《エダ》のヨーダが響く声で言った


ヨーダ・エダ 「私に任せなさい、乗り物を用意した」


軍団 「ほんと!?」


ヨーダ・エダ 「ごらんなさい!」


軍団 「わあ! 《もっくん》だ!!」


ヨーダ・エダ 「そして《今日ちゃん》と《インジゴ》にはこちらよ」


インジゴ 「《もりやさん》だあ~!!」


私たちは、それぞれ巨大化した《もっくん》と《もりや》さんの背中に乗った


6本角の骸骨を抱えた魔女と軍団を乗せた《もっくん》は太陽を背にして地球方面へ

そして《今日ちゃん》と《インジゴ》と、《エダ》を乗せた《もりやさん》はネバーランド方面へ


それぞれが手を振って離れて行った

長い旅だったな・・


そういえば・・ 《水玉》はどこで何してんだ・・


おわり