ジョン ブリアン
毎日の《凛》は激しく動き回っているか、寝ているかのどちらかで・・
起きている時、おとなしくしているのを見たことがない
ウンチ臭いのは、いつの間にかなくなった
《ジンジン》は、《凛》はやっと 『ウンチの切り方』 を覚えたんだって言ってる
とにかく、《凛》の写真は寝ているところしかなく
魔女は本当は遊んでいるところを撮りたいんだけど・・
魔女のキャメラはチャッチイから、動いているところは上手く写せないんだって
それで今日、魔女が僕に頼んだんだ
《凛》に写真の上手な撮られ方を指導するように、って
僕だって写真を写されるのはは苦手だよ・・
って言ったんだけど
「教えなさい!」 って言われた
《凛》はとっくに猫ハウスのてっぺんまで登れるようになってる
テリャスの手摺の上だって走ってる
魔女の机にだって、いつの間にか登ってる
今までの猫の中では、最短で何もかも出来るようになった
そんなだからほんとうにじっとしていないんだ
ちょうど《凛》が猫ハウスのてっぺんに登った
それで魔女が僕にもそこに登るように言った
いよいよこれから僕が写真の撮られ方《凛》に教える
魔女 「じゃあ、《ジョン ブリアン》がお手本を見せてあげて」
僕 「《凛》、見てて、こうやって魔女の方をちゃんと見るの」
魔女 「《凛》、ちゃんと《ジョン兄ちゃん》を見ててね」
僕 「《凛》、どこを覗いてるのさ・・ ちゃんと見て覚えなきゃダメでしょ」
魔女 「じゃあ、今度は《凛》も一緒に撮るよ!」
魔女 「《凛》が他所を見てる・・ もう一枚行くよ! 《凛》、こっち見て」
カシャ・・
魔女 「《凛》はちゃんと見てたのに、《ジョン ブリアン》が見てないじゃんか!」
僕 「ごめん・・ 《ユリぼうず》が下で尻尾回しして見せてるんだもの」
魔女 「《ユリぼうず》、わざと邪魔してるんでしょ! その尻尾回しをやめなさい」
ユリぼうず 「なんだよ、《ジョン ブリアン》と《凛》ばっかさぁ」
魔女 「《ユリぼうず》も後で撮ってあげるから」
ユリぼうず 「ほんと!」
魔女 「さあ、二人とも、今度こそ行くよ!」
・・・・・・・・・・
夜になって・・
魔女 「やだ、《ユリぼうず》の写真撮ってあげるの忘れてた!」
僕 「《ユリぼうず》、ふて腐れて寝ちゃったよ」
魔女 「明日になって 『約束破り!』 って言われるの目に見えてる・・ 何でもいいから撮っておこう」