切り替えなれない女 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


まじょねこ日記-jinjin 08119

今日は暖かな日だった

僕らはいつもの生活に戻っていた


《涼子》が玄関で日向ぼっこをしている

朝から元気いっぱいの軍団はテリャスを走り回って

乱暴者の《ユリぼうず》が、珍しく和気あいあいで《ジョン ブリアン》と遊んでいる


そんな中

魔女は髪を振り乱して朝からとてつもなく暴れている

(違う!忙しがってるの)


僕 「魔女、何やってるの?」


魔女 「どーしよう、ファックスが送れないあせる 」


ジョン ブリアン 「電話の使い方も忘れちゃったんだ・・」


魔女 「もう出かけなきゃならないのに服がない!」


水玉 「魔女の好きな歌そのままって感じだな」


ボンネット 「まじょの好きな歌って?」


水玉 「ほら、きつい仕事に出かける時にはいつも歌っているじゃないか」


僕 「ああ! 『時には服のない子のように』 ってやつね」


水玉 「そうそう、 『金が欲しいから頑張る~音譜』 ってね」


ジョン ブリアン 「え~! あの歌ってそういう歌だったの?!」


水玉 「あれ~ 知らなかったの?」


魔女 「くっだらない事話してるんじゃないわよ、 それでいったい私の服はどこなんだ!」


アゾ 「も、もうずっと前から 服なんて なかったんじゃないのかの・・ どーでしょー」


魔女 「私は今までどんな格好で暮らしてたってんだっ!」 


バブー 「まじょ いっぱい しぇんたく したよ」


魔女 「げっ! そうか、少ない服を全部洗濯してもうた!」


ジョン ブリアン 「魔女、お出かけするの?」


魔女 「そうだよ、 わあ!もう大遅刻だあ~」


バブー 「また にゃぱーる いく ですか?」


ユリぼうず 「このチビ・・ 縁起でもない事言ってるんじゃないぞお!」


バブー 「び、びぃえぇぇぇぇ~んあせる


魔女 「《ユリぼうず》、小さな子を殴るな!」


ユリぼうず 「だって僕、 ぼーこーえんだから・・」


魔女 「こ、こいつ・・何言ってるんだ・・  あぁ、ファックスが出来ないぃぃぃ~!」


水玉 「ニャパールですっかりバカになちゃったな」


魔女 「だめだ!遅くなる事を伝えなきゃ う・・ 携帯メールの仕方がわからない 《水玉》、どうやるんだっけ?」


水玉 「知るかよ!」


魔女 「ですよね・・」


僕 「猫並みの頭・・」


魔女 「せ、洗濯・・」


バブー 「じぇんぶ おわりました」


魔女 「そうか!」


アゾ 「干してましぇんけど!」


魔女 「ひいぇ~ぃ!」


僕 「魔女、ファックシュ!」


魔女 「そうだ、ファックスだった! びゃ~、ファックスするつもりがコピーしちゃってどうするんだよ!」 


魔女は電話の前でしゃがみこみ、頭を抱えて冷静になる努力をした

そして暫くすると、ガバっと顔を上げて言った


魔女 「ファックス止めた!」


ジョン ブリアン 「え・・ あれだけいっしょけんめに考え込んだのに!」


水玉 「バカ・・ 始めっから努力する気なんかないんだよ」


魔女 「もう出かける!」


ボンネット 「服は?」


魔女 「時間も服もないからこのまま出かける!」


アゾ 「そ、そでは 朝 お、おっきて来た時のかっこうですが・・ 知っとった?」


魔女 「うるさい! 知っとるわい!」


ジョン ブリアン 「魔女、それでどこに行くの?」


魔女 「お食事会!」


水玉 「そ、それはマズくないか!」


魔女 「いやいや、それがウマいんだな!」


水玉 「そ、そうじゃなく・・ その格好・・」


《水玉》の言葉も聞かず、魔女は出かけて行った

お友だちとのお食事会に夕べに着て寝た服のまま出かけた


そして残された僕らの話題は違う方向に向っていた


電話機の使い方も忘れちゃったくらいだから

車の運転だって分かんなくなっちゃってるに違いない

そう《水玉》が言い出して・・


僕らは背中がゾワイゾワイした

今日のお食事会はボスも来ると聞いたので、《ジョン ブリアン》が行きたがっていた


僕 「《ジョン ブリアン》、ついて行かなくて良かったね」


ジョン ブリアン 「うん、ほんとうに良かったよお・・」


案の定、暗くなって帰って来た魔女に聞いたら

だいぶ危なかったらしい

(流石に車の操作を間違える事はなかったが、運転がネパール式・・ 乱暴で交通ルールはかなりルーズになっていたように思う。 信号を右折し、そのまま対向車線に突っ込み込かけたり、その他数々の大反則・・ここではもうこれ以上言えない・・)


それでも魔女は無事に帰って来た

ボスから僕らへのお土産を抱えて帰って来た

お土産の箱にはお手紙も入ってた

《ジョン ブリアン》はそれを箱の底から探し出し

猫ハウスの自分の部屋にくわえ込んでいた


そうやって今日が終わった