ジンジン
![まじょねこ日記-jinjin 08119](https://stat.ameba.jp/user_images/86/1f/10109120300_s.jpg?caw=800)
今日は暖かな日だった
僕らはいつもの生活に戻っていた
《涼子》が玄関で日向ぼっこをしている
朝から元気いっぱいの軍団はテリャスを走り回って
乱暴者の《ユリぼうず》が、珍しく和気あいあいで《ジョン ブリアン》と遊んでいる
そんな中
魔女は髪を振り乱して朝からとてつもなく暴れている
(違う!忙しがってるの)
僕 「魔女、何やってるの?」
魔女 「どーしよう、ファックスが送れない 」
ジョン ブリアン 「電話の使い方も忘れちゃったんだ・・」
魔女 「もう出かけなきゃならないのに服がない!」
水玉 「魔女の好きな歌そのままって感じだな」
ボンネット 「まじょの好きな歌って?」
水玉 「ほら、きつい仕事に出かける時にはいつも歌っているじゃないか」
僕 「ああ! 『時には服のない子のように』 ってやつね」
水玉 「そうそう、 『金が欲しいから頑張る~』 ってね」
ジョン ブリアン 「え~! あの歌ってそういう歌だったの?!」
水玉 「あれ~ 知らなかったの?」
魔女 「くっだらない事話してるんじゃないわよ、 それでいったい私の服はどこなんだ!」
アゾ 「も、もうずっと前から 服なんて なかったんじゃないのかの・・ どーでしょー」
魔女 「私は今までどんな格好で暮らしてたってんだっ!」
バブー 「まじょ いっぱい しぇんたく したよ」
魔女 「げっ! そうか、少ない服を全部洗濯してもうた!」
ジョン ブリアン 「魔女、お出かけするの?」
魔女 「そうだよ、 わあ!もう大遅刻だあ~」
バブー 「また にゃぱーる いく ですか?」
ユリぼうず 「このチビ・・ 縁起でもない事言ってるんじゃないぞお!」
バブー 「び、びぃえぇぇぇぇ~ん」
魔女 「《ユリぼうず》、小さな子を殴るな!」
ユリぼうず 「だって僕、 ぼーこーえんだから・・」
魔女 「こ、こいつ・・何言ってるんだ・・ あぁ、ファックスが出来ないぃぃぃ~!」
水玉 「ニャパールですっかりバカになちゃったな」
魔女 「だめだ!遅くなる事を伝えなきゃ う・・ 携帯メールの仕方がわからない 《水玉》、どうやるんだっけ?」
水玉 「知るかよ!」
魔女 「ですよね・・」
僕 「猫並みの頭・・」
魔女 「せ、洗濯・・」
バブー 「じぇんぶ おわりました」
魔女 「そうか!」
アゾ 「干してましぇんけど!」
魔女 「ひいぇ~ぃ!」
僕 「魔女、ファックシュ!」
魔女 「そうだ、ファックスだった! びゃ~、ファックスするつもりがコピーしちゃってどうするんだよ!」
魔女は電話の前でしゃがみこみ、頭を抱えて冷静になる努力をした
そして暫くすると、ガバっと顔を上げて言った
魔女 「ファックス止めた!」
ジョン ブリアン 「え・・ あれだけいっしょけんめに考え込んだのに!」
水玉 「バカ・・ 始めっから努力する気なんかないんだよ」
魔女 「もう出かける!」
ボンネット 「服は?」
魔女 「時間も服もないからこのまま出かける!」
アゾ 「そ、そでは 朝 お、おっきて来た時のかっこうですが・・ 知っとった?」
魔女 「うるさい! 知っとるわい!」
ジョン ブリアン 「魔女、それでどこに行くの?」
魔女 「お食事会!」
水玉 「そ、それはマズくないか!」
魔女 「いやいや、それがウマいんだな!」
水玉 「そ、そうじゃなく・・ その格好・・」
《水玉》の言葉も聞かず、魔女は出かけて行った
お友だちとのお食事会に夕べに着て寝た服のまま出かけた
そして残された僕らの話題は違う方向に向っていた
電話機の使い方も忘れちゃったくらいだから
車の運転だって分かんなくなっちゃってるに違いない
そう《水玉》が言い出して・・
僕らは背中がゾワイゾワイした
今日のお食事会はボスも来ると聞いたので、《ジョン ブリアン》が行きたがっていた
僕 「《ジョン ブリアン》、ついて行かなくて良かったね」
ジョン ブリアン 「うん、ほんとうに良かったよお・・」
案の定、暗くなって帰って来た魔女に聞いたら
だいぶ危なかったらしい
(流石に車の操作を間違える事はなかったが、運転がネパール式・・ 乱暴で交通ルールはかなりルーズになっていたように思う。 信号を右折し、そのまま対向車線に突っ込み込かけたり、その他数々の大反則・・ここではもうこれ以上言えない・・)
それでも魔女は無事に帰って来た
ボスから僕らへのお土産を抱えて帰って来た
お土産の箱にはお手紙も入ってた
《ジョン ブリアン》はそれを箱の底から探し出し
猫ハウスの自分の部屋にくわえ込んでいた
そうやって今日が終わった