その後のお話 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


まじょねこ日記-Mizutama 081226

俺らと魔女とで《ベス》を送って行った

家からの道を下りながらしばらく行くと、崖(要壁)の上にトミニャガさん家が見え始めるんだけど、そこにいくには道をぐるっと遠回りして行かなければならないから、俺らはちょっとしたお散歩気分でふざけながら歩いていた

それがビャレンテャインの日の夕方の事だ


ジョン ブリアン 「トミニャガさん、安心するね!」


俺 「その前に怒り出すだろう」


ジンジン 「そうだよ、僕らが《ベス》と一緒にお化け屋敷で遊んでいる時、僕たちの家の方からトミニャガさんが自分ちの方へ戻っていくの見たもん・・ あれ、たぶんトミニャガさんだったよ、きっとうちに《ベス》の事を聞きに来たんだよ」


俺 「で、誰もいないから帰って行った・・ってわけか」


ジョン ブリアン 「・・マズいね」


俺 「魔女!飛行機の真似なんてしてブンブン走ってる場合じゃないよ、 トミニャガさん、訳を知ったら怒り出すぞ」


魔女 「訳を知ったら・・ね、  ブンブ~ン!」


俺 「魔女、わかってんのか!」


魔女 「でも 『伐チョコ』 を貰わないと!」


ジョン ブリアン 「この上、チョコをもらう気なの!」


俺 「そんな場合かよ・・」


そうこうしているうちにトミニャガさんちに着いてしまった

魔女はさっさと門のピャンピョンを突っついた


ピャンピョ~ン音譜  ピャンピョ~ン音譜


トミニャガさん 「はい、どなた?」


魔女 「魔女です! 《ベス》をお連れしました」


トミニャガさん 「ちょ、ちょっと、お待ちになって! すぐに行きますわ!!」


俺らはザザッと後ずさりをした

なんでだか・・ 《ベス》も一緒に後ずさりをした


《涼子》は隣の駐車場に隠れてしまった

それを追って、《ベス》も隣の駐車場に入ってしまった


トミニャガさん 「《べ、ベス》はどこですの!!」


魔女 「あれ・・ 今までここにいたんですけど・・」


トミニャガさん 「《ベス》っ! 《ベス》~!!」


俺 「《涼子》と一緒に隣の家の駐車場に隠れちゃったよ・・」


それで魔女が駐車場に行って《ベス》を抱えて戻って来た


トミニャガさん 「《ベス》、どこに行ってたの! どれだけ心配したか・・ 

どっちゃあ~!! きっちゃな~い!」


魔女 「ホントにねえ~」


トミニャガさん 「ねえ~ ・・ って、 これはどういう事ですかっ!」


魔女 「トミニャガさんが怒ってらっしゃる・・」


トミニャガさん 「そりゃそうでしょうよ!」


魔女 「そりゃそうでしょうよ、って・・ ひどい!」


トミニャガさん 「ひどい!って あなた、、《ベス》の汚れ方の方が余程ひどいじゃありませんの!」


魔女 「そのひどいと・・このひどいじゃ・・ ひどいが違う・・」


トミニャガさん 「じゃあ、いったいどのひどいですのっ!」


魔女 「汚れて・・お腹を空かせて・・泣きながらさ迷っていた可哀想なヒマラヤンを見つけて保護して・・連れて来てあげたというのに・・ って感じのひどい」


トミニャガさん 「え・・ 見つけて下さったの? いつ?」


魔女 「さっき・・ だったっけ・・?」


ジンジン 「違うよ! 見つけたのは1回だか2回だか寝た前だよ!」


トミニャガさん 「《ジンジン》ちゃん、何か訴えていらっしゃるようだけど・・」


魔女 「『僕が見つけたんだよ!』 って言っているんです」


ジンジン 「確かに見つけたのは僕だけど、見つけた日は・・」


魔女 『僕が見つけて本当に良かった、このままじゃ大変だった・・』 な事を言っていますね」


トミニャガさん 「そ、そうでしたの?」


魔女 「だのに・・ いきなり叱られて魔女は悲しい・・」


トミニャガさん 「ご、ごめんなさい・・ 実は《ベス》がいなくなったのは2日前で、私、もう心配で心配で・・ もしやと思って魔女さんちに電話したり、伺ったりしましたのよ。 でも電話もお出にならないし、お留守だし・・ 私、てっきり《ベス》はこっそり魔女さんちにいて、またバカみたいに遊んで汚れたんじゃないかと・・」


魔女 「あんまりです汗


ジンジン 「そらぞらしい・・」


トミニャガさん 「《ジンジン》ちゃんが、何かブツブツいっておられる・・」


魔女 『それはどんなにか心配だったでしょうね』 て」


トミニャガさん 「そうですとも! でも良かった・・ 魔女さんありがとう」


魔女 「お礼なら私でなく、《ジンジン》に言ってあげて」


トミニャガさん 「そうですわよね! 《ジンジン》ちゃん、本当にありがとう」


ジンジン 「あ・・ え・・? あ・・」


トミニャガさん 「なにか・・ 戸惑っていらっしゃるような・・」


魔女 「《ジンジン》はお礼なんて言われたものだから恥ずかしがっているんですよ」


トミニャガさん 「まあ、可愛らしい!」


ジンジン 「・・」


トミニャガさん 「《ベス》ちゃ~ん、ママは心配で眠れなかったのよぉ、いったいどこに行ってんでしゅかあ~」


ベス 「《りょこちゃん》ち!」


トミニャガさん 「いったいこの2日間どこで何してたんでちゅかあ~」


ベス 「《りょこちゃん》と魔女とみんなで遊んだ!」


トミニャガさん 「まあ、お腹が減ってるのね!」


ベス 「楽しかったあ~!」


トミニャガさん 「ああ・・ 淋しかったのね汗


ベス 「面白かったあ~!」


トミニャガさん 「すごく心細かったのねあせる


魔女 「トミニャガさんがどれほど恋しかった事か・・ ねぇ、《ベス》!」


俺 「この女、どうしようもないな・・」


魔女 「ところでトミニャガさん!」


トミニャガさん 「なんですの? 急に大きな声で・・」


魔女 「バレンタイン《伐》チョコと、魔女のバイクチョコは?」


トミニャガさん 「そぉ~んなどころじゃありませんわよぉ!」


魔女 「え・・?」


トミニャガさん 「《ベス》の事で頭がいっぱいでとてもチョコなんて、あなた!」


魔女 「・・そうですよね」


トミニャガさん 「そんなのすっかり忘れてましたわ!」


魔女 「ですよね・・」


ユリぼうず 「魔女、見つけてあげたんだからお礼をいただいてあげたら?」


魔女 「そうか!トミニャガさん、《ベス》を見つけた《ジンジン》や、送って来たこの子達にチョコをあげなきゃ!」


トミニャガさん 「猫ちゃんたち、チョコなんて食べませんでしょう・・」


俺 「そうだよ、俺、チョコなんていらない、高級缶詰がいい」


ジンジン 「僕も! みんなもそうだよね!」


軍団 「うん! ぜったい高級缶詰がいい!!」


トミニャガさん 「みなさん、騒いでいらっしゃるようだけど」


魔女 「みんな猫のくせにチョコレートが大好きだから・・ 見てください、みんなこんなにキャーキャー言って喜んでる・・」


軍団 「魔女っ!!」


魔女 「と、言う事で・・ チョコレート」


トミニャガさん 「わかりました、《ベス》を見つけて連れて来て下さったんですものね、近々お持ちしますわ」


魔女 「わ~い! ありがとうございます!」


帰り道・・

魔女は飛び跳ねていた

そして、俺らはとぼとぼ歩いていた


魔女 「楽しみだね!」


軍団 ふざけんなあ~っ!!」