ジョン ブリアン
僕だってひとりになりたい時があるんだ
たまにはね・・
だけどここじゃあ・・
お昼寝してても気づくと隣に誰かがくっついて寝てるし
ご飯を食べてれば・・
自分の分をわっしゃわっしゃと食べちゃった早食い猫が
遅食い猫の僕に向って
「《ジョン ブリアン》、そのご飯残す?」
って、しつこく聞きながら勝手に僕の後ろに並んでいるし
空を飛ぶ練習でもしようかな・・
って思って猫ハウスのてっぺんに上ると
すぐに他の猫も上って来て込み合うし
だからって・・
外に出れば寒いし
夜は夜で・・
毎晩軍団が一丸となって宴会を繰り広げ
それはそれで楽しいんだけど
なにも朝まで騒ぎ続ける事はないんじゃない?
それで宴会の途中で眠くなって・・
コタツに潜ってひとりで寝ようとすると
目下、寝かしつけに凝っている《バブー》が入って来て
「《ジョンブー》・・ ネンネデシュヨォ~ ネンネダヨォ~」
って言いながら
小さな体で、むりやり僕を抱きかかえようとするんだ
大家族で生活するって、本当に大変だ
今日だって、僕が魔女にどうしてもお話したいことがあるっていうのに
みんながみんな、魔女にいろんな事を言って
僕の話なんてちっとも聞いてもらえない・・
魔女 「叱っておくから・・」
魔女 「お花なら枯れたから捨てちゃったよ・・」
アゾ 「ま、まじょ、見て見て! 《ミジャタマ》が すっごい かっこうで 寝ておるが どーでしょー」
魔女 「無防備もいいとこだな・・」
魔女 「わあ! 大変だ!!」
ユリぼうず 「魔女・・ お腹が痛い・・」
魔女 「《ユリぼうず》、いったい何を食べたんだ!」
僕 「魔女! 僕だってお話したい事あるんだよ!」
魔女 「どうした、《ジョン ブリアン》 そんな怖い顔をして」
僕 「僕みたいに手がかからない子はいつだって後回しじゃない、 僕のお話もちゃんと聞いてよっ!」
魔女 「ごめんなさい・・ で、お話ってなあに?」
僕 「僕・・」
魔女 「どうしたの?」
僕 「僕ね・・」
魔女 「お話したいことがあるんでしょ?」
僕 「・・僕、お薬かくした」
魔女 「げっ! また隠したの!!」
僕 「探してみてね、 今度はむつかしいよ!」
魔女 「おまえが一番手が掛かっとるじゃんけぇ~!!」