『オク』 という名の病気 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


まじょねこ日記-Jyon brian 09124

帰って来てからというもの、《涼子》は家の周辺から動かない

お化け屋敷の部屋にも行かないし、散歩もしなくなった

それで一日何回も鳴いては、魔女にご飯の催促をしてる


僕らは、ゾンビ顔の話で持ちきりで

《ボンネット》と《バブー》は、そんな《涼子》の顔を一目でも見ようと、一日中出窓に乗っかって外を眺めている


今日は僕の検診日で・・

朝早くに魔女と病院に行った


僕はもう病院には置いて行かれない自信があったから

診察台の上に寝そべって自分からお腹を出し

余裕を見せた

どーせ、オーシカさん(ちゃんと先生と呼びなさい!)は、その丸いのものを僕のお腹のあちこちにくっつけて、真剣な顔で何もない所を見詰めるんでしょ (聴診器でね・・)

次はリャントゲンね・・ はい、こちらど-ぞ


僕の病気は前より良くなっているって

でも治ってはいないんだって

それでまたどっさりのお薬をもらって帰って来た


家に帰ると、《ジンジン》が聞いてきた


ジンジン 「《ジョン ブリアン》、どうだった?」


僕 「ぜんぜん大丈夫! だって僕、絶好調だもん」


ジンジン 「だからって油断しちゃダメだよ」


僕 「僕の事より《ジンジン》はどうなの?」


ジンジン 「ずいぶんご飯が食べられるようになったよ」


僕 「《ジンジン》はいったい何の病気だったの?」


魔女 「そうだよ、散々検査したのにどっこも悪くなくて・・」


ジンジン 「だって・・ ご飯食べたくなかったんだもん」


魔女 「なんで」


ジンジン 「・・気持ち悪くて」


魔女 「どしてっ」


ジンジン 「わかんない・・」

 

魔女 「わかんない・・って」


僕 「《ジンジン》って・・ 《水玉》がお部屋に入って来ると渋い顔にならない?」


ジンジン 「だって僕・・《水玉》 イヤなんだ・・」


アゾ 「《ミ、ミジャタマ》、《ジンジン》を ぶっちましたから 《ジンジン》は 「やっめて! やっめて!」 って言いましたんです! 知っとった? そでで ちが出った そでは耳から出ったんです そおでしょー?」


ジンジン 「そおです・・」


水玉 「あの時はたまたま僕の爪が耳に入っちゃったんだ」


魔女 「うえ! 《水玉》、いたの!」


ジンジン 「しょえ~んあせる 」


水玉 「俺、ずっとこたつの中で寝てたさ・・」


魔女 「どうしてそうやって《ジンジン》に乱暴するの!」


水玉 「本当はそんな気ないんだけど・・ 《ジンジン》は俺が側を通っただけで警戒声を出すんだ、それでついカッとなって手が出ちゃう」


魔女 「手を出すな!」


水玉 「だからここのとこ何もしてないじゃんか・・」


魔女 「待って・・ じゃあ、何? 《ジンジン》は《水玉》がイヤで食欲がなくなったって事?!」


ジンジン 「・・」


魔女 「そうなの!」


ユリぼうず 「やられたらやり返しゃあいいじゃん」


魔女 「《ユリぼうず》と違ってそういう事が出来ない猫もいるの」


ボンネット 「それ・・ びょうきなの?」


バブー 「ビョーキ ナノ?」 


アゾ 「そ、そでは びょう気と ちがうだろ! そでは くっすりを のみまっしぇん そおだなあ」


僕 「・・それは病気でしょ」


アゾ 「そ、そぉなのかぇ!」


僕 「病気だよ! 僕知ってるもの」


魔女 「いったい何の病気だって言うのよ・・」


僕 「オクだよ!」


魔女 「オク?」


僕 「そうだよ、オクだよ!」


魔女 「オク・・ オクっていう病気なんてあったっけ?」


僕 「良く聞くよ、その病気の名前」


水玉 「臆病だろ・・」


魔女 「ぇ・・」


ジンジン 「・・」


ユリぼうず 「・・なるほど」


魔女 「臆病に高額な検査代を払った私は相当なアホ・・」


《ジンジン》はものすごくニャーバスな種類の猫で

《ユリぼうず》の性格を少しでも分けてあげた方が良いと

僕は思います