ジョン ブリアン
今朝、まだ外がちゃんと明るくならない頃・・
魔女の寝室のドアが開く音が聞こえた
僕らは目を覚まして体の半分をもち上げ、耳を立てた
今度は玄関の開く音がした
魔女 「《涼子》・・《涼子》なの?」
涼子 「みゃ~・・ みゃ~・・」
魔女 「《涼子》! どこに行ってたの!」
涼子 「みゃ・・ みゃ・・」
《涼子》だ! 《涼子》が帰って来た!!
僕らは一斉にドアの前に走った
魔女が階段を登ってくる足音が聞こえる
ドアが開いた
水玉 「《涼子》帰って来たの!」
魔女 「うん、帰って来た! とにかくご飯を大盛りであげちゃうから待ってて」
ジンジン 「元気そうだった・・?」
魔女 「うん、暗くて良く見えないけど大丈夫そう」
僕 「どんな服着てる?」
ユリぼうず 「やっぱダウン着てたりしてるの?」
魔女 「・・」
僕 「僕、見てみたい!」
魔女 「ダメだよ、みんなでドヤドヤ行って、また気を悪くしても面倒だから後にしなさい」
それで魔女は大盛りのご飯を持って《涼子》の所に行った
耳を澄ますと、ムシャ・・ムシャ・・ って
《涼子》がご飯を食べているのがわかった
僕 「それにしても、なんでこんな時間にトミニャガさんちから戻って来たんだろうね」
アゾ 「お、おっへやが あつかったんだろ? そでとも よーふくが にあわなかったんだろうかな・・ さあ どうでしょー」
僕 「僕、洋服だと思うな・・」
ユリぼうず 「食べ慣れない高級缶詰で下痢したんだろ」
僕 「そうなの!」
ユリぼうず 「たぶん・・ね」
僕 「それで帰って来たんだ・・」
そんな話をしていたら外が明るくなってきた
魔女はそのまま起きていたから
僕らはいつもより早い時間に朝ご飯をもらった
僕 「魔女、《涼子》は?」
魔女 「お庭で日向ぼっこをしているよ」
僕 「やっぱドレスにはフリフリがいっぱいついてた?!」
アゾ 「ドデスをきった《りょこたん》・・ ぷぴゃ・・ そーぞーが できまっしぇん・・ ぷるっ!」
ユリぼうず 「可愛いドレスか・・ つらいな・・」
僕 「僕、見たい!」
アゾ 「あじょも じぇったい 見たい!!」
魔女 「・・」
水玉 「ちょっと外に出してよ、俺《涼子》に説教して来る」
僕 「僕も行きたい!」
アゾ 「あ、あじょも いくたい!」
魔女 「・・じ、じゃあ、行きなさい」
僕と《水玉》と《ユリぼうず》と《アゾ》と・・
え・・ 《ジンジン》も見るの・・?
ジンジン 「・・《涼子》の服 ・・見たい」
僕らは外に飛び出した
真っ先に《水玉》がジャスミンの木の下のいつも《涼子》が日向ぼっこしている場所に向かって行った
僕たちはワクワクした
《涼子》がどんな格好でいるのか、すごく楽しみだった
僕たちは《水玉》の後を追うようにしてジャスミンの木のところに走った
・・《涼子》
・・《涼子》は
僕たちの期待を裏切って
・・ ゾンビになってそこにいた
ゾンビ顔で・・ 可愛い服も着てなくて
汚れた体で・・ ゲップしながら日向ぼっこをしていた
僕たちはその場にボーゼンと立ちつくし
《水玉》に説教をされているゾンビを見つめていた
《涼子》、お帰りなさい!
顔を上げると、目の周りに大きなクマが出来ている・・