クリスマスの惨劇 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


まじょねこ日記-Jinjin 081010

前の事になっちゃったけど、クリスマスの事を言います

(12月25日の出来事です)


この日、家族①が、自分のお小遣いでケーキを買って来たんだ

それにお友だちの絞り過ぎさんがローストチキンとポテトサラダをくれて

魔女たちはどうにかクリスマスらしさをかもし出す事が出来たみたいなんだ


僕らの食事が終わり

人間の食事になって・・ それが終わり

いよいよケーキを食べることになった


お皿や刺す物(フォーク)を用意して

お飲み物も用意して

魔女たちは食べるだけのクリスマスを祝ってた


僕たちはこの日、以前送ってもらった高級缶詰を

魔女がクリスマスのために取って置いたのがあって

ついにそれを夕食に貰い

かなり上機嫌になって部屋中を走り回っていた


《ボンネット》と《バブー》が遊び始めて

《ボンネット》を《バブー》が追い掛け始めた

そうしたら《ジョン ブリアン》のお尻がもぞもぞし出して

そんな《バブー》の後をついてジャカジャカと追い掛け

ついに《ユリぼうず》までが背中を丸めて走り始めた

僕も思わず《ユリぼうず》の後にくっついて走っていた


そんな騒ぎの中、《水玉》はひとり腹を出して寝ており

ここのところご機嫌斜めの《アゾ》が、

高いところに乗って、嫌な目つきで僕らを見ていた


僕らの追いかけっこはエスカレートして行き

終いには誰が誰を追い掛けていたのかもわからなくなって・・

それぞれが目に付いた者を追い掛けたり

でなければ闇雲に走り回ったり

猫ハウスに飛び乗ったり

出窓に飛び乗ったりと、ひどい騒ぎになっていった

僕らは楽しくて仕方がなかった


そんな中

魔女たちはケーキを分けて

飲み物ををコップに入れて

「いただきます」 をした


それはいきなり・・

ほんとうに、いきなりだった


ユリぼうずが何を思ったか

いや、何も思わなかったからか・・


走っている途中に物凄い勢いでテーブルに飛び乗ってしまい

テーブルの上ではかなり大きな音がし・・


それは本当に突然だったから

僕らには何が起こったか分からなかった


魔女たちの動きが止まった

僕らの動きも止まった

それぞれが、それぞれのいた場所で止まったまま

急に辺りがシンとなった


僕はちょうどその時テーブルの横を走っていて

走る形のままそこで止まって

テーブルの方を見たんだ


え・・?

よく見ると・・ 《ユリぼうず》の片足が

魔女のケーキの中に突っ込まれている・・

ナナメった形のユリぼうずが、そこに突っ立っていた

三白眼の目をした《ユリぼうず》テーブルの上にいた


こぼれた飲み物がテーブルからジャバジャバと落ちる音で、魔女が正気を取り戻した


魔女 「《ユリぼうず》!!  パンチ! × π × ■ + メラメラ むかっ 爆弾 」


何を言っているかまったくわからなかったけど

その大声でやはり正気に戻った《ユリぼうず》が急いでテーブルから飛び降りた


魔女は誰かを叱る時、必ず相手の名前を言うから

僕らにはこれから誰が叱られるのかわかる

それで叱られる猫はもの凄く焦り

他の猫はもの凄く安心する


だからこの時、僕らは余裕を持って、ユリぼうずがこれからどうなるのか注目していた


だけど・・

魔女はそれきり何も言わず

ケーキを食べ始めた

真ん中に大きな穴の開いたケーキを食べ・・

《ユリぼうず》によって倒されたカップを起こし

また飲み物を入れてそれを飲んだ


それから濡れた絨毯を拭き始めた

順序・・ 逆じゃない・・?


そして僕たちはまた少しづつ遊び始めた


《ユリぼうず》が魔女の側に行って、魔女を見上げている

謝るのかな・・


ユリぼうず 「魔女・・」


魔女 「・・何かしら」


ユリぼうず 「足が気持ち悪い・・」


魔女 「こ、このっ・・」


ユリぼうず 「魔女、僕・・ 足が気持ち悪いのね」


魔女 「一生クリーム足の猫と言われてろ!」


ユリぼうず 「・・」


それで《ユリぼうず》は足にいっぱいクリームをつけたまま

おかしな歩き方で台所の方に行ってしまった

そして僕はそのまま眠ってしまった


暫くして


魔女 「猫が少なくないか?」


家族② 「そういえば・・《水玉》と《ジンジン》しかいないね」


魔女 「ねえ、他のみんなはどこに行った?」


水玉 「知らないよ」


僕 「僕も知らない・・ コタツの中じゃない?」


魔女 「コタツの中には誰もいないよ・・」


それで僕はみんなを探した


台所の隅で、軍団はひしめき合っていた


僕が近づいて見ると

《ユリぼうず》が戸棚にもたれかかって

クリームだらけの後ろ足を突き出しており

みんなはその足を舐めていた

美味しそうになめていた


《ユリぼうず》は、もの凄くくすぐったそうにして

「ケッケケ! ケッケ!!」 と笑っていた・・