トミニャガさんとお買い物 Ⅵ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ユリぼうず


まじょねこ日記-yuri08129

僕は昨日また病院に連れて行かれて

太ももやら背中にチクチクされた


それで家に帰って来たら・・

後ずさりで歩いたり、突然仰向けにひっくり返って手足をジタバタして鳴いたりした

注) おしっこ搾り出し過ぎの為、背中から液を150ml入れられたのが2本ばかり足りない腰の部分の脊椎を刺激し、それが気持ち悪くてどうにもならなくなりこんな奇怪な行動を取ってしまう《ユリぼうず》なのだ


目的地に行こうとすると、なぜか後ずさりになってしまう

自分ではそこに向って進んでいるつもりが・・

どういう訳か、どんどん遠ざかるんだ


もう僕自身がびっくりしちゃうわけで

ついでに軍団もびっくりしちゃうわけで・・


仰向けにひっくりかえって鳴きまくる時なんか

軍団が僕を取り巻いてみんなして眺めるんだ

これはなかなか感じが悪い

僕は気を悪くしながら手足をバタつかせて鳴くんだ



それで今日はだいぶ楽になったので日記の続きを言います


えっと・・ どこまで言ったんだっけ?

ああ、トミニャガさんのお買い物が終わらないとこね


魔女はトミニャガさんに、いい加減にするように言って先にレジに向った

それから買ったものを車に積み込んだ

トイレの砂と僕たちのご飯で荷物室(トランクね)がいっぱいになった

いっぱいになったトリャンクを見て、魔女は慌てた


魔女 「・・しまった! トミニャガさんを止めなければ!」


僕 「どうしたの?」


魔女は僕の聞いた事に返事をする間もなく

空のカートに僕を乗せたまま走り出した

僕はガシャガシャと走るカートの中で、僕の体が勝手にビョンビョン飛び跳ね


カートを置き場に戻し僕を抱えた魔女は店の中に飛び込んだ

それから走り回ってトミニャガさんを探した


広いお店をあちこち走り回って

ついにトミニャガサンを見つけた!

とんでもないところで見つけた


魔女 「遅かった・・ 全てが終わった・・」


レジの前・・

てんこもりのカートを抱えるように、高級服をまとったトミニャガさんはいた


僕 「もう止められないの?」


魔女 「清算しちゃったよ・・」



トミニャガさん 「わあ、魔女さ~ん、こっちですわよお~!」


魔女 「行きたくない・・」


トミニャガさん 「魔女さ~ん!」


僕 「行きたくないっ、たって・・」


魔女 「頭がクラクラする・・」



魔女 「トミニャガさん・・ 何をこんなに買った?」


トミニャガさん 「何を、って言われてもいっぱい買いましたからいちいち言い切れませんわ」


魔女 「そうですよね・・」


トミニャガさん 「さあ、参りましょう!」


魔女 「参りたくない・・」


トミニャガさん 「なにダダをこねてらっしゃる?」


魔女 「問題が・・」


トミニャガさん 「どんな? 私、お支払い終わりましたわよ」


魔女 「お金を払えばいくら買ってもいい、という・・ そういった所に深刻な問題が・・」


トミニャガさん 「じれったい! いったい何っ! ちゃんとおっしゃってよ!」


魔女 「積めない!」


トミニャガさん 「へ・・?」


魔女 「その大荷物が積めない」


トミニャガさん 「どーいうこと?」


魔女 「トランクは家の猫用品でいっぱい」


トミニャガさん 「じゃあ・・ これ、どこに乗せるの?」


魔女 「だから乗らないんだって」


トミニャガさん 「・・ ・・」


魔女 「・・」


トミニャガさん 「・・ ど-するのよ!!」


魔女 「どーしようか」


トミニャガさん 「どーするのよ・・」


僕 「すげえ! トミニャガさんがしょんぼりした!!」


トミニャガさん 「・・ どーするのょ」


魔女 「・・なんとかするしかない・・でしょう」


トミニャガさん 「なんとか・・なるの?」


魔女 「しなきゃね・・」


それで取り敢えずてんこ盛りのカートを車の所まで運んだ

それから魔女は薄そうな物や、細かな物を荷物室の隙間に詰め込んだ


それでも殆どカートのてんこ盛りは減らなかった


魔女 「トミニャガさん、助手席に乗ってください」


トミニャガさん 「やだ! せっかく買った物を置いてなんて帰らないっあせる


魔女 「いいから・・」


トミニャガさん 「やだ!やだ!! 全部持って帰るの!」


魔女 「全部積みますから」


トミニャガさん 「ほんと・・ 騙さない?」


魔女 「騙したりしませんよ・・」


それでトミニャガさんは魔女の様子を見ぃ見ぃ車に乗った

なにしろ席は2つしかないから、席の後ろはすぐに窓で

その窓の所のちょっとした隙間、つまり僕がいつも乗っているところに

魔女がトミニャガさんの荷物を袋から出しては積み始めた

見る間にそこはいっぱいになり、もう後ろは何も見えない


それからまだまだ残った大量の荷物を

トミニャガさんの隙間や足元に詰め込んだ


そして・・

最後に、残った物でトミニャガさんを覆った

トミニャガさんの姿はすっかり見えなくなった・・


魔女はカートを戻し、車に乗り込んだ

僕はどこにも行くところがないから、魔女の膝の上だ


魔女 「帰りましょうか」


トミニャガさん 「・・」


魔女 「出発しますよ」


トミニャガさん 「・・」


駐車場の出口では、誘導のおじさんの動かしていた手が

魔女の車を見たとたんピタリと止まってしまった

そして・・ 亀が覗くような感じで首を前に突き出し、瞬きもせず僕たちを見詰めていた


つづく