ジョン ブリアン、頑張って | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


昨日、この日記を更新後、病院から電話があった


「これ以上回復を待つ訳にはいかないから、今から肺から水を抜き出す手術をします」


そして、手術後にまた電話をするとの事だった


魔女はその間を、針で体中を刺されるような気持ちで過ごした

軍団は眠っているわけでもないのに全員が目をつぶっている


《ボンネット》も魔女の机の下でうずくまっている

《ボンネット》には何が起こっているのか分はからなくとも

みんなの気持ちを察し、自分もすっかり憂鬱になってしまったようだ


魔女だって目は開いているものの

目の前のブロンズの時計の針以外、何も目に映らない


どうせ軍団も人間も食事を取らないだろうし

夕食の準備も何もしないで・・


1時間が・・ 1時間半が過ぎた

1時間45分が・・  


電話が鳴った


「手術が終わりました。今は麻酔のためまだ眠っています」


肺の中に入っていたのは水ではなく大量の膿だった

80cc程の膿を抜いたものの、抜ききれず

いまだ肺に残った分はチューブを通して少しづつ抜きながら洗浄を続ける事になった

苦しい日々はまだ続き、予断も許さない状態だ


それでも《ジョン ブリアン》は弱った体で手術を乗り切った

そうやってみんなの 『頑張って!』 の気持ちに応えてくれた


先生が面会に来てもいいといってくれたので

魔女は直ぐに家を出た


病院は少し遠い所にある

気持ちが車をぶっ飛ばし勝ちにしてしまう

魔女はそんな心を何度も自制しなければならなかった



「まだ麻酔からちゃんと覚めてないので目に膜も張っていますし、《ジョン ブリアンちゃん》にはご家族はわからないと思います」


先生はそう言いながら、魔女を入院室に案内した

2段目の棚、魔女の目の前に胴体を包帯に包まれ、チューブで繋がれた《ジョン ブリアン》が横たわっていた


涙がこぼれた・・

頑張ってくれたのが嬉しくて・・ 

辛くて苦しいだろうと、悲しくて・・


《ジョン ブリアン》に心の中でそっと声をかけた


すると・・

それに応えるように、《ジョン ブリアン》は膜の張った目を開き

こちらを見て声を出さずに鳴いた


それを見て先生が怪訝な顔をした


「まさか・・ いや、まだ麻酔が効いてますから分かるはずありませんね」


先生がその場で魔女にレントゲンやこれからの治療の説明を始めた

魔女は所々で小さく言葉を返していた


入院中の他の猫や犬が賑やかに鳴いている

その中で・・

魔女には確かに《ジョン ブリアン》の鳴き声が聞こえた

急いで振り返ると、《ジョン ブリアン》が鳴きながらこちらを見ている


《ジョン ブリアン》は立ち上がろうとしていた

しかし、下半身が動かず、ゆっくりとその場に倒れた

それでもまた、こちらに向かうようにして

前足で必死に立ち上がろうとしている


慌てた先生が、直ちに入院室から出て行くようにと魔女に言った



少しの期間、《ジョン ブリアン》に会わないで下さい・・って

絶対安静だからって


そうだね《ジョン ブリアン》、絶対に動いたりしちゃいけないんだよ

《ジョン ブリアン》に元気になってもらわなければならないから

魔女はしばらく会いには来ません


癌かも知れないし、細菌感染かも知れない・・と、先生が言った

それは、これから肺から採取したものと、血液の検査をし

原因の特定がなされる



《ジョン ブリアン》、みんなの声が聴こえますか

知っている人も知らない人も、応援したり祈ったりしてくれてますよ


みんなここに戻って来ると信じているから

絶対にみんなの期待を裏切っちゃだめだなんだからね